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空想歴史ドラマ 貧乏太閤記 92 前田利家の決断

2022年12月13日 17時50分40秒 | 貧乏太閤記
 今、羽柴軍は秀吉本隊の2万が木ノ本目指して走っている、木ノ本には山を占領された部隊や、もともとの木ノ本守備隊が5000ほど、前線の砦に2000ほどが頑張っている
別動隊として丹羽長秀が3000を率いて琵琶湖岸から上陸を開始していたが佐久間は知らない
 一方、柴田軍は佐久間隊8000の内、1000を大岩山周辺に残し、佐久間が5000、勝豊隊が2000で木ノ本を目指して下り始めた
尾根の中間、堂木山付近に前田隊3000、羽柴を裏切った柴田勝豊の重臣、山路隊が500、そして後方の本陣に柴田勝家が1000人ほどの5大隊に本隊5000で守備している。
柴田勝政隊は中腹に差し掛かった、そこで見たのは北國街道を攻め上ってくる長蛇の松明であった、それは果てしなく続いている、しかも木ノ本にも数千の兵が居るように見える「しまった」
どう見ても佐久間隊と自分の2000では太刀打ちできそうもない、明らかに秀吉本隊が到着しつつあるのがわかる
しかもこちらに向かって羽柴軍が上ってくるのもわかった
「退却じゃ、佐久間殿に伝えよ、敵が大軍で押し寄せてくる、至急退却じゃ」
たちまち佐久間玄番の耳に入った、佐久間にも秀吉軍の果てしない松明が見えた、さすがの鬼玄番も青ざめた、幸いまだ佐久間隊は山の上に近いから隊列を組んで、下った勝政隊を待っている
そのとき退却を始めた勝政隊の西側の枝道から、突然羽柴軍が鉄砲を撃ちかけた、そして攻め寄せて来た、それは湖岸から上って来た丹羽の別動隊3000であった、悪いことに並行するわき道からは木の本からの羽柴軍もどんどん賤ケ岳を目指していく筋にも攻めあがってきている
その一隊は賤ケ岳から木ノ本に逃げた桑山隊であった、危急を知って湖岸より駆け付けた百戦錬磨の丹羽長秀に𠮟りつけられて、再び賤ケ岳を目指してきたのだ
佐久間隊は「勝政を討たせるな」と必死に鉄砲を羽柴軍に撃ちかけた
防戦しているが、勝政隊はもはや、ちりじりで命からがら佐久間隊の中に逃げていく
丹羽隊、羽柴秀長隊に加え、秀吉の馬廻り衆の小姓部隊が攻め寄せる
この小姓部隊たちが木ノ本で秀吉に「殿、われらも腕が鳴ってたまりませぬ、ぜひ前線で働かせていただきたい」と志願して許されて加わっているのである。
加藤清正、福島正則、加藤義明、平野長康、脇坂安治、糟屋真雄、片桐且元が賤ケ岳の7本槍と賞されたが、一番槍を挙げた小姓は石川兵助であった、獅子奮迅の働きをしたが惜しいかな戦死してしまった。
 秀吉軍は賤ケ岳に丹羽の3000と秀長の12000と小姓部隊を進軍させ、自ら蜂須賀親子などと12000を率いて北國街道を進軍している
五分五分だった戦場は佐久間の失態と秀吉本隊の到着で一気に羽柴軍が有利になった、佐久間隊はそれでも勇敢に戦い守り続けている
しかし勝政隊2000は既に軍の体を失い、後方の前田隊目指して落ちていく
佐久間盛政は自ら大槍をふるって羽柴の武者を切り倒す、まだ4000ほどが従って丹羽隊を遮っている、ところが大岩山砦を奪回した羽柴軍が東から攻め寄せた、そこには加藤清正らが加わっている
秀吉の子飼いの若武者たちは、それぞれに「良き敵」を見つけて撃ちかかり兜首を得た「一番槍は加藤清正なり~」大音声を発した、「何を言うか、一番首は福島正則が打ち取った」負けずに言う
それでも佐久間隊はじわりじわりと後退するだけで善戦している、「う~む手強い」秀長も丹羽長秀も唸った
ところが意外なところから佐久間隊が崩れた、それは佐久間盛政が、後方にいる前田隊まで下がれば8000ほどの兵力になると頼りにしていたのが、前田隊はにわかに後退を始めたという知らせが玄番盛政に伝わった
それを聞くと佐久間隊に突然臆病の虫が起こった、我先に一斉に逃げ出したのだ、佐久間玄番が止めてもそれは無理であった、仕方なく盛政も逃げ出した
だが一本の矢が盛政の太ももに命中して「どっと」落馬した、それを見た丹羽長秀は「殺すな! 殺すな! 捕えよ」と命じて捕縛した。
佐久間隊の敗走、前田隊の撤退は、その歓声と怒声で勝家本隊にも影響を与えた、早くも敗残兵が来るのが見えた、本隊の兵にも動揺が起こった、しかも街道からは秀吉の何万かの本隊が攻め寄せて来たという報も入った、勝家が各大隊に守備固めを命じた時には、それらの部隊は既に四散して逃げてしまった後であった、寵臣の毛受勝介(めんじゅ)がやって来た
「殿、ここまででござる、北の庄までお引きなされませ、その馬印、旗刺し物を某に、敵を引き付けている間に落ち延びてくだされ」
「バカを言うな、ここで秀吉の首根っこを引き抜いて見せようぞ」
「殿、バカを言っておるのは殿でござる、このような寂しき山中で雑兵に首を取られたとあっては柴田家家臣みな物笑いになりまする、引くのも戦でござる、どうせ死ぬなら信長公のようにお姿をさらさぬのも立派な最後でございますぞ、ここは拙者にも後世まで名を残す見事な死にざまをさせていただきたい」勝家は感動して震えた、そしてものも言わずに旗印を渡した
「あっぱれじゃ勝介、そなたの忠義は生きている限り人々に話しておこう、儂も数日中には会いに参る、それまでしばしの別れじゃ、あの世で先に待っておるがよい」
「ははは、お待ちしておりまする、主従の縁は永遠でござる、蓮の上でうまい酒を酌み交わしましょうぞ」
毛受勝介は堂々の大将を演じ切り、勝介の話を聞いて本隊から戻った兄、毛受茂左衛門と共に兵を指揮して時間を稼ぎ、ついにはそろって腹を切って川に身を投げた、彼らの忠義の高名は長く伝えられた

 柴田勝家は北の庄へ敗走した、途中前田利家が籠る府中城に立ち寄った
慌てて利家が迎えに出ると勝家は
「前田殿、そなたには長き間、与力として助けてもろうたが、今やこのありさまじゃ、これまでのご苦労を勝家、礼を申す
そなたは若き頃より秀吉と隣同士で仲良く付き合っておった、今より儂への義理立ては無用じゃ、親子の関係は解消するゆえ今後は秀吉の与力として領国の安堵すべし」そう言ってから馬を下りて
「利家よ、急に腹が空いたわ、急ぎ湯漬けを一杯もらえぬか」
そして、さっさと流し込むと「さらばじゃ」と言ったが、馬も早駆けだったと見え疲れている、利家はすぐに替え馬を用意して従者に渡した
勝家は府中城が見えなくなると従う武士に言った
「利家も無骨者よ、忠義の者よ、今の儂を討ち取って秀吉に首を渡そうとすれば造作もないが、それすら考えてもいないようであった、あのような清々しき武士であれば必ずや秀吉を助けて立派な片腕となるであろう」

 それから数刻たって逃げる柴田勝家を追って、秀吉は越前に入った。
越前府中城には無傷の前田利家の3000の軍が迎え撃つ構えで健在だという、一戦は免れまい
秀吉は秀長を総大将に、蜂須賀、丹羽を副将にして12000で北の庄に先行させた、自らも1万3000を率いて府中城を厳重に囲んだ
「この文を又左に渡してまいれ」秀吉は石田三成に書かせた文を城に届けさせた。

「前田又左衛門殿」

 此度の働きまことに目出度く候、秀吉、この御恩は生涯忘れ申しませぬ
この戦に勝つことができたのはひとえに又左衛門殿の友情によるものであります、つきましては我が陣中において茶を一服差し上げたく、お松殿も伴ってお出かけいただきたい、心配であれば軍装の家臣1000ほど引き連れても構いませぬが、儂と又左との旧交を温めるには大げさかと思います
手土産無用、空手にてお出掛下され           秀吉

 文を渡してから半刻の後、利家は裃(かみしも)の礼服で奥方の松を伴って門外に出た、付き従うのは長槍を持った小姓一名のみで陣中にやって来た
利家と秀吉の若き日の交友を知らぬ石田三成は長槍を見て危険を感じた「殿、前田様の槍持ちは外にて待たせてはいかがでありましょうや」
「なあに、又左は儂に得意の槍の舞を披露するつもりなのだ、又左衛門、昔は酒を飲むたびに舞い踊ったものよ」
「さあさあ、にわか仕立てじゃが野点(のだて)だと思えばよいであろう」
いつもの秀吉のままであった、「さあ、礼儀も何も無用じゃ、冷めぬうちに飲むがよい、北陸は寒いでのう、その姿で寒くはないかのう」
「ははは、敗軍の将にお気づかい無用でござる」
「何をゆうとるの、儂とおめ~えさまの仲じゃにゃーか」
「はっは、懐かしや、だが昔は昔、今や天下に一番近くなった羽柴殿でござる、儂も今後は臣として使えますゆえ過ぎたるお気遣いはいりませぬぞ」
「そうか、そうであるか、まあ今日はそれは忘れて少し昔語りをいたそうではないか、お松殿もおられる故、 
久しいのう松殿、相変わらず美しいままじゃ」
「お戯れを」「はっはは、儂はうまいことは言えぬたちでのう、わかっておられよう、そうじゃ又左殿、一服したら得意の槍の舞を久しぶりに見せてくれんか」
「おーよ、一舞、馳走いたそうぞ」











愛犬ボスさん お空へ行った

2022年12月13日 08時40分52秒 | フーテンの寅ねこ わんにゃん
12月13日朝、キャバリア・キングチャールズ・スパニエルのボスさんがお空へ行きました、14歳でした。お母さんのレモンのもとに言って甘えているかも

老衰で静かに亡くなりました
昨日は「何も食べなくなった」というので
私が昼食に作ったピザ風のトーストを与えると小さなものを5切れも食べた
夕方には、たっぷり水も飲んだ

一年くらいずっと寝たきりで
10日ほど前に信州木崎湖まで連れて行ったときは、ポカポカの良い天気で
車の中でぐっすり寝ていました
「もう一度、暖かい日に行こう」と昨日言ったが実現しなかった
やはり、こうなると寂しい われわれの年齢を考えると、もう飼えない
動物は可愛い時より、老齢期を先に考えて飼わないとお互い不幸になる
ジョンと同じ寺でお葬式して、ジョンと同じ共同廟に埋葬します

左からシルティジョン、ボス、猫のPee子
みんないなくなりました。
安らかに。