のんびりかな打ち日記  ini's blog

NikonD7100やSonyRX100M3で撮影した画像と日々の出来事を“ かな入力 ”でのんびり綴るブログです。

思いわずらうことなく愉しく生きよ

2007-07-14 21:14:49 | 通勤快読
江國香織さんの作品です。

VERYっていう女性月刊誌に連載された小説の文庫化です。
雰囲気的にはまさに女性作家の女性向きの小説かなとは思うのですが、読み進むと途中から長女の夫によるドメスティックバイオレンスをめぐって物語の展開に目が離せなくなります。

全体としても三姉妹の視点と行動が同時進行で、その分担がなかなか絶妙です。
でも登場人物像の設定をよくよく考えると単純にひと昔前の小説と男女を逆転させて描いているだけのようにも感じます。

この「三姉妹」、酒好きで性に奔放な「三兄弟」って感じだし、それぞれの相手役、まず長女の相手が問題の暴力を振るう夫ではあるが、一般的に言う常に凶暴な「男」ではなく、いつも怯えていてヒステリックな男、そして仕事第一優先の次女の相手の彼はとてもやさしく家事をする居候の男、さらに自由奔放な性格の三女の彼はやけに慎重で段階を踏むのを大事にする男・・・なんて設定になってます。

江國さんは、時代を反映して単純にこれまでの小説と男女逆にしてみたのかも知れません。
でもそれだけで、ただの話が今風になって面白くなるなんて言うと失礼かも知れませんが。
もちろん私もこの話の逆が正常だとか言うつもりはありません。

ただそう考えるとこれまで、この話のタイトルでもある「思いわずらうことなく愉しく生き」てきたのは、やはり男だったんだなって思えるんですよね。


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