「業際」を超え・「域際」を超え・「世代の際」を超えて!

理論を貫いて実践に生き! 実践を通して理論を究め! 前へ前へと進もう!

深喜毛織㈱のこと

2007年03月02日 | アパレル放談

学生の紡績からテキスタイル、染色加工の現場を知らせるために大阪市内から近いところで工場視察をする適当なところが無いかと探しました。

普通は紡績、撚糸、機屋、染色加工等は分業で工場が分かれています。

丁度、深喜毛織㈱がその工程の全てを、自社内で一貫して行なわれており、ご無理をお願いして学生を引率しました。

私は深喜毛織さんには特別の思い出があります。

仕事上の思い出ではなく、深喜毛織サンの顧客としての思い出です。

私が高校卒業し大学に入学して初めの冬に、コートを買いました。
京都の寺町に有った(有る?)石丸洋装店という店でオーダーをしました。(田舎の両親にねだったのですが・・・)

そのときのコートが「フカキ・ユニバース」というブランドのエジンバラツィードでした。
学生にしては贅沢だったと思いますが、当時としてはオシャレなコートで今でも覚えています。
長く愛用した思い出があります。

10数年前に、カシミヤのコートを買った時も、偶然、深喜サンのカシミヤコートでした。
その時は、さすが自前で買いましたが、20数万のコートをバーゲンで10数万円で買いました。
少し余裕の出来だした頃でしたが、よく言われている「清水寺の舞台から・・・」の心境でした。

当時はステータス性もあり大満足で愛用していましたが、数年後に量販店や通販の10万円を切った中国製のカシミヤ風?コートが氾濫しました。

一時期は通勤電車の中年サラリーマンの制服のように、どっちを向いても、「中国製のカシミヤコート」のオンパレードが始まりました。
今は着ているのに、気恥ずかしさを感じるほどです。

先日、深喜サンにお伺いした時に、深喜サンのカシミヤコートを着て行きました。

そのコートは10数年経っていますが、その風合いは買った当時より、益々良い風合いになり、案内していただいた方に、その話をして、そのコートをお見せしたら、たいへん喜んでおられました。

学生時代の深喜ユニバースや日本製のカシミヤと言いどちらも素晴らしい商品と思います。

今回の工場見学で、その深喜毛織の物造りの企業の姿勢は今も変わっていないようでした。

今でも燦然と光り輝いているように感じました。

一方、中国の大きな傘の厳しい日本の紡績の陰の部分も感じ取れ、複雑な心境でした。

深喜毛織の歴史は日本の紡績史の1つかも知れません。

次回は深喜毛織のサンプル資料室の話をご披露します。  
                         
                         

 


 

 

 


 

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿