「業際」を超え・「域際」を超え・「世代の際」を超えて!

理論を貫いて実践に生き! 実践を通して理論を究め! 前へ前へと進もう!

チャイナファッションフェアー(CFF)雑感 

2010年04月23日 | アパレル放談

第14回のチャイナファッションフェアーから居ながらにして中国のファッション・アパレルの現在の状況を理解し、今後を予測する事が出来る。
たいへん参考になった。
今回は、会場も広く出展企業数も多いのではないかと感じた。
出展企業の中で、特に南通地区と、威海、煙台、大連、青島などの東北地域の企業が印象に残る企業が多くある。
多く感じたのは「日本企業のビジネスにジャストフィット」すると感じたからであろう。
何のことは無い、これらの地域は日本の中小の専門商社や問屋系のOEM企業などとの取り引きが多い地域だ。
特に南通市は、名岐地区のフランチャイズと言っても過言ではない地域だ。
また、東北地区は韓中生産で韓国の企業が中心になって日本の専門店系のSPA向けに開発したところと考えられる。
両地区とも日本のヤング、キャリアの小売出身のSPAの生産を支えた地域と私は前々から分析している。
日本の大手商社や大手アパレルが利便性のある(インフラが整っている)上海地域に集中したのに反し、利便性には劣るが、中小の専門商社や問屋、零細なOEM企業が苦労して開発した地域だ。
彼らは、実に日本を研究していると感じられる。
別に高度なマーケティングを行なっているわけではない。日頃の商談や交流を通じての情報を得て、それを巧みに商売に活用している。
以前に商社、問屋やアパレルなどに勤務して海外生産担当そしていた日本人と上手に活用している。(日本人側も利用(?)しているのだろうが・・・)
「バングラディシュ生産」、「生地ストック・ノーミニマム」、「機能性」などの日本語で書かれたPOPが目に付いた。

例年との違いを感じを受けたのは、テキスタイルの出展企業が減ったのではないかとの印象を受けた。
考えてみると、日本の生産構造が空洞化した中で、テキスタイルの日本向けのビジネスは意味を持たなくなってきたと考えるべきなのかも知れない。
一階に出展している「アパレルグループ」は、私の想像するところ、欧米とのビジネスで経験を積んだところが多いのではないかと想像する。
子供服やスポーツライン、カジュアルラインなどは、かなり欧米のSPAとの取り引きが多いのではないかと感じた。
商談のスタイルもかなりスマートで洗練されているように見えた。
日本のバイヤー側がそれに対応するようなスマートさを持ち合わせているだろうかと少し気がかりだ。
5年前の「ハーフ&ハーフ」「お互いが学び会おう」とCFFの出展スタッフの講義で呼びかけたことが気恥ずかしく感じた。
日本のファッション・アパレル産業がグローバル化が叫ばれているが、今回の「CFFの覗き見」で色んな発見が出来て有意義だった。


第十三回チャイナファッションフェアー  CFF

2010年04月22日 | アパレル放談

昨日、マイドーム大阪で開催されているチャイナファッションフェアーを覗いてみた。
展示会を「覗く」と言う表現は異な感じを持たれるかも知れないが、現在の私に取っては正確な表現と思っている。
出展業者との具体的な商談をするわけではないので、視察といったほうが良いのかも知れない。
私は、このCFFに初回からアパレルのバイヤーとして商談を行って来た。
今から5年ほど前に繊研新聞社からの依頼で第六回のCFFの時に、中国側の出展業者のスタッフに「日本のアパレルやテキスタイル企業との商談の方法」について日本側の立場からアドバイスする講義を行なった。
中国側が日本に対する商売の方法について話しをして欲しいとのことだった。
難しい内容だったので、下記のような項目で講義を進行した。
1)日本と中国の繊維・アパレルの貿易の歴史
  (日本の有効商社と貿易公司による管理貿易の時代⇒香港の貿易窓口の時代  
   ⇒大手商社時代⇒暫定8条による日系工場の乱立の時代⇒OEM企業や小   
   規模商社の参入の時代⇒ユニクロをはじめとする企業内SCM?の時代の到
   来⇒今後?
2)日中の商慣習、品質基準、生産のリードタイム、小ロット多品種等の違いの認識
3)当時進行していたSPA化、OEMによるアウトソーシング化に伴う構造の変化に
  対する対応策
4)空洞化による、海外生産や貿易に不慣れな新規参入の企業や担当者に対する
  対策
5)私が期待する中国企業の今後
  などに付いて、300人ほどの参加者に講演を行なった。
  私が現役時代に感じていた事をまとめた内容で当時の日中の状況を分析し今後  
  の私心を与えられたのではないかと自画自賛している。
   後日、中国中紡集団公司からそのレジュメを社内報に掲載したいとの申し出が
     ありお引き受けした思い出がある。

その講義の結語として
?早い時期にOEM、委託加工企業から企画提案型企業を目指せ!
  (ファクトリーからマニュファクチャー、アパレルへ)  
?日本との商売はハーフ&ハーフの精神で行なおう!
  (互いに学びあう精神で)

このようなこともあり、CFFには毎年楽しみにしている。
今回の第14回CFFには、少なからずショックを受けた。
例年より広い会場で3フロアー全部を使用して、一階には、アパレル企業のすぺーすが広く取られており、子供服、カジュアル、スポーツライン、雑貨等はそのままで日本の市場に充分通用する商品内容と私には感じられた。
大きく成長した中国アパレル産業の一端を「覗いた」感じがした。
今回のアパレルの出展企業は、中国の極ごく一部でしかなく、その奥行きを創造すると大きなショックを感じた。
会場を出ようとした時に、ファッションビジネス学会の会員の先生と偶然お会いして、館内の喫茶店で日本のファッションビジネスの今後について、随分長い時間話し合ってしまった。
その先生は、私より強いショックを受けていたように見えた。



 



 


今様隠居道 

2010年04月16日 | 今様隠居道

私の最近の活動
「自由に働く!自在に遊び!自在に学ぶ!」2年目に入った“今様隠居道”を積極的に歩んでいます。
仕事一筋の生活から生活の幅を少し広げてみると、今まで見えなかったことが見えてくるように感じます。
ここで私の生活ぶりを紹介します。

《自由に働く》
■アパレル企業の新規開発部門のコンサルト
■OEM雑貨メーカーのマルティチャネル化のサポート
■台湾・韓国・中国ビジネスのコンサルト
■Web制作の若手起業家のマーケティングのサポート
■大阪産業大学のアパレルコースの客員教授
■スポットのコンサルティング
このように列挙すると多忙に見えるが、自分の勉強の意味もあり多くがボランティア的な内容で、成果が上がれば、その時にという程度で、厚生年金と、基金の年金生活を楽しんでいます。

《自在に遊ぶ》
■上方落語の笑福亭松喬師一門(http://syokyo.net/)の落語会を楽しんでいます。
ファンの方との打上げ会や呑み会が楽しみです。私が経験したことの無い生き方をされている方との交流は有益で楽しいものです。
■ご近所付き合い(町内の老若男女との新しい交流)
近所の有志と「世話人会=島泉遊友会」を結成して、笑福亭松喬一門の弟子の笑福亭遊喬の落語会・島泉ふれあい寄席を開催http://www.momoti.com/yukyo/
落語会の世話人会を通してご近所同士の新しいふれあいが生まれてきそうです。
落語会が長く続けられるようにできればと思っています。10年続ければ私は76歳になります。最低10年は続けたいと願っています。
■大学時代の友人たちとの交流再会
殆どが現役リタイヤしています。彼らとYahooグループメールで連絡を取り合ってトレッキングや美術館巡り。彼らとアウト40年以上前の学生気分に戻るのが不思議です。グループメールは皆に好評です。

《自在に学ぶ》
■ファションビジネス学会に加入し、マーケティング論研究会でファッション情報の研究
共同研究で「ファッションビジネスにおけるE・コマースの現状と今後」のテーマで産学共同の30人規模のワークショップを開設しています。
■立命館大学オフィス講座を受講
今年の秋で3年目に入りますが、楽しく受講しています。大学時代にこれほど真面目に受講していたら私の人生も少し違っていたかも知れません。自然科学や化学、スポーツ健康医学などの多岐にわたる内容で、今までとは違ったアプローチの仕方が勉強できます。
■オフィスブレーンの公開セミナー
宗 文洲氏の主宰しているセミナーを受講しています。ファッション業界以外の最近のビジネス環境を知ることが出来ます。


《現在の一番重要なこと》
■女房との老後の生活のリズム創り
■良いお祖父ちゃんになること」
昨年女房が病気入院をしました。
発見が早く、事なきを得ましたが、お互いの健康に留意が必要と痛感しています。
現役時代は「滅私奉公」、「家を出れば七人の敵」、「男子厨房に入らず」、「親は無くても子和育つ」と言った家庭や子供たちとの生活を半ば放棄した仕事中心の生活でした。
そんな生活を誇りにすら感じていました。
その反省をもとに、女房と子供、孫たちとのこれからの生活を大切にしたいと考えています。
健康には肉体が健康であることが一番ですが、精神的にも健康でなければいけない。そして「社会と関わっていると言う社会的健康」も重要と聞きました。

   健康とは=肉体的健康+精神的健康+社会的健康

大切にして行きたいと思っています。
私の「自由に働く、自在に遊び、自在に学ぶ“今様隠居道”」で得たものを、社会(アパレル業界)にメッセージとして送ることが出来ればと願っています。



 


頑張ろう日本のアパレル産業

2010年04月16日 | アパレル放談

私のブログに「アパレルの矛盾」と言うタイトルのカテゴリーがあるのをご存知だと思う。
私がアパレルの現役時代に常々矛盾と感じていた事や現在の消費者として感じた目線から感じている矛盾をまとめて投稿してきた。
「百貨店の矛盾」、「専門店の矛盾」、「アパレルの矛盾」、「量販店の矛盾」などそれぞれの構造的な問題を『矛盾』として提起してきた。
その矛盾とは、「ファッションと言う変化の激しいリスクを自らが克服し、お客様に満足を提供する」と言う本来のあり方を放棄し、リスクを互いにヘッジ結果として、お客様に転嫁してきたことである。
それらの矛盾の結果、業績の低迷と言う現実に直面している。
極論するならば、繊維・アパレルの生産、流通、小売の伝統的、古典的な構造の崩壊と言う結果を生んだと言っても過言ではない。
その矛盾の間隙を付いてユニクロ、しまむら、ポイントはじめ多くのSPAが台頭してきた。
そのSPAもF・SPA(Fake SPA=模造・フェイク⇒私の造語)と言う新たな「SPAの矛盾」を内在していると感じられる。
今後はこのFSPAの淘汰が始まりそうだ。
*註 F・SPAは投稿者の造語です。

 政治でも経済でも混乱の後に新しい秩序や新しい経済が生まれるものだ。
自然界も同様だ。
今がその時期にあたるのかも知れない。
そう思えばこんな楽しいことは無い。
新しいチャンスが生まれる可能性がある。

Blog投稿を休止していて感じたことがあります。
もう「業界矛盾」をBlog投稿することは止めよう。

「頑張ろう日本のアパレル産業」と言うカテゴリーを中心に
前向きな内容で投稿しようと考えています。                  




Blogを再開します

2010年04月15日 | アパレル放談
『そろそろ首の長さがキリンを超えそう』と長く休止している私のBlogに、再開を待ってくださっている読者からのコメントが有りました。
私のBlogを待ってていただいている方がいることを知り、感激しました。
コメントを頂いた読者の方、ありがとうございます。

実は、Blogを突然休止したのは、昨年末にUFOの谷絹子さんに関する投稿記事への反響が大きく、今後どのように進展していくか分からない微妙な時期に、私のBlogでUFOの経営に影響が及ぶのを懸念したからでした。
その後、民事再生手続きとなり、今日の繊研新聞に民事再生手続き開始の記事が報じられていました。
その記事は、案外小さな記事で少し違和感を感じましたが、民事再生決定で当事者(債務者と債権者)間の問題は、一つの方向が決まっ事になったと考えられます。
これを機会にBlogを再開することにします。
当事者間の問題は、それぞれの思惑や当該企業の社内事情もあるように思われますが、どちらにしても、魑魅魍魎の感じがして来そうですが、魑魅魍魎の部分は別として、今後のためにも、業界内の関係者による検証、総括は必要ではないかと私は感じています。
何故ならば、ファッション産業界の今後の課題となるグローバル化に関して、今回の事例検証が、大いに参考になるのではないかと考えるからです。