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イオンの反省

2009年03月19日 | アパレル放談
今日の一般紙の朝刊に興味ある全面広告が出ていました。
一つは「イオンの反省」。
もう一つはユニクロの「非常識ジャケット」。
いずれも全面広告で、目を引くものでした。
早速テレビの情報番組が、岡田社長の記者会見の模様を特集していました。
岡田社長曰く「この記者会見を、イオンの反省会に変更し、決意を述べたい」と、何時もと違った表情で決意を述べていられました。
お読みになった方も多いと思いますが、今日の広告のコピーの全文書を紹介します。

「イオンの反省」
私たちイオンは、世の中の変化に対応できず、お客さまを見失っていたことを反省します。百年に一度と言われる不況の中、イオンは、お客さまが本当に求めている商品やサービスを提供できていませんでした。
◎イオンの価格は、他店と比べて、決して安くありませんでした。
◎イオンの売場には、欲しいと思える商品が並んでいませんでした。
◎イオンは、お客様へのサービス改善を、怠っていました。
 私たちは、反省します。お客様の声に深く耳を傾け、他の優れた企業から積極的に学びます。もう一度、お客さまが求めている本当の低価格、売場、サービスを取り戻すことに全力を尽くていきます。

並々ならぬ決意の文面で、本当に「イオンの反省」の結果の5,100品の価格の引き下げであれば、消費者の一人としては喜ばしいことです。
しかし私には、何故か空々しい感じがしてしまいました。
先に発表したイトーヨーカ堂の2,600品目の価格引下げ宣言を意識しているのかもしれません。
イトーヨーカ堂が1年間の暫定的な企画であるように、単なる「円高差益還元セール」と考えてしまうのは、私のへそ曲がりな性格でしょうか。
仕入先への厳しい価格引下げ要求がまた始まりそうな予感がします。
真の反省の上に立つのであれば「業界矛盾=量販店の矛盾」を克服しての宣言であって欲しいと感じます。

一方、ユニクロの「非常識なジャケット」のキャッチコピーには、業界人の一人として”してやられた”と言う感じを受けました。

いつの間にか「一般の常識が業界の非常識」のなかで仕事している業界人にとっては、耳障りなコピーと言えます。
私は、かねがね「業界矛盾=非常識」が業界不振(不信)につながっているとこのBlogで投稿し続けて来ました。
今日のユニクロの広告は、我々の業界常識を痛烈に皮肉っているようにも思えます。
私に取っては、「イオンの反省」の空々しさより、重いものを感じました。
ユニクロの新聞広告のコピーを下記します。

「非常識なジャケット」  
ユニクロのリネンコットンジャケット 4,990
それは、1.原反の品番ロット別管理 2.検反 3.縮率テスト 4.放反 5.裏地 6.芯接着テスト 7.伸縮等の型紙調整 8.中略・・・ 
248.タグ付け 249.検針という249工程。 
■専用工場で、ジャケット作りのスペシャリスト集団が全工程を直接指導。
■フレンチリネンにコットンを組み合わせたため、さわやかでやわらかな着心地。
■着やすさを追求したレギュラー。シャープなフォルムのスリム、の2タイプ。
ユニクロを宣伝、美化するつもりはありません。
しかし、ユニクロの宣伝には、「業界矛盾=非常識」が感じられなく、ユニクロの総合力を発揮した企画のように感じられます。

ユニクロとイオンに関する下記のBlogを是非お読みください。
今日の広告への私の感想の内容がお分かりできると思います。

イオンのトップバリューブランドについて
「量販店の矛盾」に関するBlog記事
ユニクロとイオンの関連ブログ












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