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繊研新聞掲載 ㈱フィット(ザ.ファースト)鍛治猛社長のこと

2007年07月23日 | アパレル放談
先週土曜日(7月21日)の繊研新聞の1面に大阪のセレクトショップ(セレクト&SPA)・フィットの記事が大きく出ていました。
私は、Blogにも㈱フィット(ザ・ファースト)については時々投稿しています。
私の知る限りでは、最高のセレクト&SPAと前々から思っています。
社長の鍛治猛氏とは30数年来の付き合いです。
私がイトキン時代に、鍛治氏が大阪の専門店の課長時代からの関係です。
イトキン時代にクリスチャンオジャールというライセンスブランドを担当していた時の取引先として大変お世話になりました。
お世話になったと言うよりは、アパレルと専門店の立場を超えて、新しい市場作りに苦労と喜びをともにしました。
紙面の見出しに、次のようなタイトルが出ていました。
「必要な”ムダ”で振り向かせる」
「フィットの格好いい女性作り」
「原点は30年前のコンセプト」
「市場は作るもの、ブレない明解さ」
「常に進化は現場から」
この言葉は、私が鍛治社長と始めてあった頃から氏の口から常に出ていました。
当時アパレルの私には、最初は、行者の呪文のように感じられました。

鍛治氏について、繊研新聞に書かれていないインサイダー的な話を書いてみます。
私と鍛治氏との出会いは、私がクリスチャンオジャールの新規開発を担当し、大変苦労していた時でした。
今は大型のミセスブランドに成長(肥大?)しましたが、当時はハイファッションブランドの一つとして専門店の人気ブランドになりましたが、氏のアドバイスに拠るとこが多かったと感謝しています。
氏との最初の出会いは、阪急ファイブのB2の氏が店長(雇われ)をしていた店に、私が飛び込み開拓をした時からです。

当時のイトキンは量販店やナショナルチェーン店が主力で、氏のような専門店からは疎んぜられた存在でした。
その様な状態で、ハイファッションブランドを目指していたクリスチャンオジャールのブランディングに大変苦労をしました。

阪急ファイブのB2の店のウインドーディスプレィを見て飛び込みました。
リゾンボンフィスセーターと昔のラインのカステルバジャックのスカートをオシャレにデスプレィをしていました。
私の目には新しいハイファションを感じました。
少し敷居が高い感じをしましたが、駄目元で飛び込みました。

最初はイトキンの量販志向のブランド政策の苦情を聞き(どこの専門店でも同様でしたが)氏の自店のコンセプトや想いを切々と語ってくれました。

大御所プレタポルテのミセスや原宿マンションメーカーのヤングしか無かった時代に、
『日本には幼女と老女としかいなかった。つまり未成熟の子供か、出産後オシャレをあきらめたお母さんばっかりで、ええ女、おらんやん』と紙上で氏は言っていますが、当時のクリスチャンオジャールのブランディングと考え方が合い、意気投合しました。
氏の行者の呪文は、クリスチャンオジャールの成功に良い影響を与えてくれました。

その後、私のイトキン退職で直接的な商売のつながりは無くなりましたが、その後思いもよらない、また新しい出会いが始まりました。
以下次回。

KFMの小島健輔氏のメルマガ 百貨店再編・統合の死角『巨大化で忍び寄る没個性の危機』 紹介

2007年07月18日 | アパレル放談
梅雨明け前に店頭の夏のクリアランスセールは峠を越したようです。
先のブログで「狐と狸のバカし合い」と揶揄しましたが、市場の正常化への道は遠のいてしまった感があります。

視点を変えて、正常化への道を模索することが重要ではないかと思います。
百貨店を始めとするGMS、専門店、SPAなどの流通の構造的な問題点について改善・改革に取組む必要があるように思えます。

最近KFMの小島健輔氏が百貨店の長期低迷の構図について面白い分析をされています。
面白いと思うのは、百貨店の構造的な問題を指摘されている点です。
マスコミが無いと言っても過言ではない、この業界にとって、業界紙や評論家などが触れられない問題点を、氏独特の論陣を張っておられます。

アパレルウェブのポータルサイトのメルマガに「KFM小島健輔先生 最新論文」のコーナーがあります。

タイトルは【百貨店再編・統合の死角『巨大化で忍び寄る”没個性”の危機」】です。
アパレルウェブのポータルサイトからメルマガをダウンロードで読むことが出来ます。
Blogでも「プロフェッサー小島健輔の言いたい放題」で投稿しておられますが、プロフェッサーが邪魔になってか?、氏、特有の云いたい放題ではないような気がします。
メルマガの方が辛らつに論じておられるように感じます。

SCのGMSの平場についても「無用論」を力説されておられました。
百貨店とGMS双方の構造的な問題点を指摘されています。
(バックナンバーもあります)
氏の論説については、異論のあることが多いのですが、今回のメルマガでの百貨店とGMSへの苦言と提言に拍手を贈りたいと思います。
是非アパレルウェブのメルマガをお読みになっては如何でしょうか。





バーゲン 

2007年07月11日 | アパレル放談
祇園祭の鋒たてが始まり、いよいよ真夏を告げようとしています。
一方では百貨店や専門店のバーゲンは6月末から開始して、既に終盤戦の様相を呈しています。
夏の終わりを感じます。
地球温暖化は年々バーゲンセールにも影響しているのか?、私には異常に感じます。
昨年6月26日の私のBlogに「夏物バーゲンセールについて」と言うタイトルで私見を投稿をしました。
私も現役時代はそれほど抵抗感もなく、むしろ業界のスタンダード?に従ってセールを捉えていました。
その私が、消費者の立場になると、昨今のバーゲン状況に腹立たしさを感じます。
最近は腹立たしさを通り越して滑稽にさえ見えてくるものです。

失礼な喩えで恐縮ですが、さながら小売店、アパレルと、お客様との「狐と狸のバカシ合い」と言った感じに見えてきます。

最近のバーゲンの異常さに、お客様はアパレルや小売店の手の内を読み、買い控えして、早いセールを待ち」、一方、アパレルや小売側は、「特別企画のセール対策用商品?で早いセールに対応する」お互いが、しのぎを削って、騙し合い、駆け引きの様相です。
お互いが騙した(勝った)つもりが、お客様は「セール対策商品を買ってしまったり」、小売やアパレルは、「一時的な売上を確保するが、お客様に不満足を与えてしまう」ことになってしまいます。

アパレルのSPA化や在庫管理体制が進み、小売側も期中仕入れ体制が確立した結果、流通の在庫が抑制傾向にあります。

最近の生産流通の変化は、名岐地区を中心とした量販アパレルやOEM/ODMアパレルが専門店や百貨店へのチャネルを開拓しつつあります。

早く長いセールの対応のために、アパレルや小売店側はその対応策を余儀なくされています。
彼等の企画生産した「セール対策用特別企画商品」のウエイトがこの時期に多く品揃えされます。
新規参入のアパレルにとっては中国生産を上手に活用すれば充分採算が合います。
一見してそれと判る商品がセール対策用商品が山と積まれています。
小売やアパレルの年間のMD計画に組み入れられた「シーズンMD」と言えそうです。
日本版トランジット商品(企画)といえます。
組み込まれたセール対策用商品企画は、アパレルと小売に一時的な売上と利益を生むことになります。

一般的のお客様は、今のところその事に気づいていない感じですが、そろそろ気がつくのではと、お節介ではありますが懸念しています。
今、社会問題化している、牛肉や中国産の食料品や薬品などとは異なるものとは思いますが、少し後ろめたい感じがします。
お節介な事でお叱りを受けそうですが、老婆(爺)心としてお許しください。



業界紙 マスコミ

2007年07月06日 | アパレル放談
最近、繊維アパレルの業界紙の広告欄を興味深く見ています。
繊研新聞や日本繊維新聞、繊維ジャーナルなどの繊維関係の業界紙の広告欄を見ていると業界の変遷が見えてくるように感じます。
元々紡績や合繊メーカーやメリヤス(莫大小)業界を基盤にした業界紙でした。
それぞれの企業や業界団体からの広告を収入源にして経営がなされてきました。
業界地図が川上から川中、川下と変遷する中で、その広告主の変化と内容の変化が見られます。
昔は、合繊メーカーのキャンペーン広告が全紙面を飾った時代があったり、大手アパレルの展示会広告や新ブランドのデビューのカラーのイメージ広告が、新聞社が主催する広告大賞の話題になりました。
ユニクロの広告が毎週のように掲載されました。
最近は、どの業界紙も広告面が縮小し、海外企業のイベントの告知広告がやけに目に付きます。
一時は人事採用の広告を掲載する枠取りに苦労しましたが、今では空き枠が目立っています。
新流通業やサブベンダー的な業種やB-to-B・Cの企業が時々見られるのも時代の流れでしょうか。
業界紙によっては、広告収入から購読収入に主力を移し購読者の開拓を行い成果を上げているようです。
このことは業界紙の編集内容に、副次的な効果が出ることが期待できます。

これまでのように業界の企業からの広告収入に頼った取材編集内容には限界があることは自明の理です。
業界のマスコミとしての機能が充分発揮できないのはしようが無いことです。。
「提灯記事」と言わないまでも、どうしても広報の取材が中心となり積極的な取材による記事に限界があるのは当然でしょう。
広告収入から購読収入へ主力がシフトできた時に、業界紙からマスコミ(業界の)になることが出来ると思います。
自由主義国家においてのマスコミの重要性は歴史的にも痛感しています。
業界以外でも、最近の政治や社会面の事例でも理解することが出来ます。

業界紙(誌)の中から、本当のマスコミ(業界の)の誕生を期待しています。