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繊研新聞レディースバイヤーズ賞 雑感

2007年03月28日 | アパレル放談

今日の繊研新聞に先日発表されたレディースバイヤーズ賞の詳細記事が出ていました。
この授賞の傾向について昨年から気になっていたのですが、百貨店が「Jリーグ化」、「日本プロ野球化」しているような感じがします。

昨年は樫山㈱に集中したことをBlogに書きましたが、今年も少しバラツキがあるものの殆ど常連の大手アパレルに集中しています。
特に「クリェーティブ賞」、「話題賞」、「新人賞」に該当者なしというのが、まさに百貨店が「Jリーグ化・日本プロ野球化」している現状を物語っているのではないでしょうか?

話題のセレクト&SPAの経営者の方とお話しすると、彼らは百貨店ではなく、新たなチャネルに魅力を感じているのが解ります。
話題性のあるブランドやクリェーティブ力のある新人が、百貨店では無く、新たなチャネルを求め空洞化の現象が現われていると考えられます。

昔、百貨店が大手アパレルのナショナルブランド偏重で魅力をなくしたのを思い出しますが、今の百貨店の売り場を見るとそのことを思い出します。

百貨店は「クリェーティブ賞」や「話題賞」「新人賞」にノミネートがなかったことを重く受け止めるべきだと思います。

その原因を、単にバイイング力のせいと考えるのではなく、現状の百貨店の取引環境(条件)の問題として受け止めることが重要と思います。


中国紡織成衣展(チャイナファッションフェア)

2007年03月27日 | アパレル放談
第8回のチャイナファッションフェアが明日3月28日から30日まで大阪OMMで開催されます。
昨年出展企業のスタッフ研修で講義をしたこともあり、この展示会に特別の関心を持っています。

今年の案内状を見ると、タイトルが「中国から日本へ、日本から中国へ」となっています。
出展企業が日本のテキスタイルの購入の商談も行う考えのようです。

昨年の研修会で、「海外とのビジネスはハーフ&ハーフの精神で行なうべきである」と私の持論を披露しましたが、まさかその影響ではないと思いますが、
「新たな段階に突入した日中繊維ビジネス」と今回のフェアを位置付けているようです。
8回目を迎えるチャイナファッションフェアを初期の頃から見ている私には、時代の流れを感じさせます。

昨年の研修で知り合ったスタッフがきっと参加していると思います。
楽しみにして展示会に行ってみたいと思います。




大手ブランドのオフィシャルBlogのこと

2007年03月26日 | アパレル放談
大阪ライフスタイルコレクション(OLC)、神戸コレクション、東京ガールズコレクションに関するBlog記事が続きました。
最近私のBlogにアンタイトル、リステア、サマンサタバタ、UAなどの著名ブランドのオフィシャルBlogと思われるトラックバックが掛かってきます。

その他NETオークションやドロップショッピングに関係するBlogと思われる物も多くあります。

オフィシャルか巧妙にオフィシャルを装ったBlogか判然としないものがあります。
私のBlogにふさわしくないと思われるものは削除していますが、WebショップのSEO対策として行なわれているものと思います。
私が在籍していたイトキン㈱のBlogからもトラックが掛かっていたのには少し驚きで複雑な感じがしました。

最近の各コレクションのBlog記事の中で、ヤングやキャリアの著名ブランドやタレント、イベント名を書き込んだので、そのキーワードが検索に掛かったものと思われます。

たぶんWebショッピングのコンサル会社や制作会社の指導によるものだとは思いますが、大手企業ブランドのWeb重視の最近の傾向を実感しました。

大手企業のブランドはRealチャネルとの関係もあり、Webには余り積極的ではなかったようですが、Webブランド(ショップ)の台頭もあり、積極的になり出したものと思われます。

SEO対策の一つとしてBlogを取り入れているようですが、継続は意外と根気の要るものです。
時々途中で投げ出した形跡のあるオフィシャルBlogを見かけます。

Blog継続のエネルギーは、その人の「想い」「熱意」が重要と私は感じています。
(欲の部分もあるようですが・・・)

特に大手の企業の中で継続していくのは、大変苦労のいることと想います。
彼等のBlogが、担当者の方々のブランドに対する「想い」と「熱意」が伝わるようなものであって欲しいと思います。

私のBlogは、関係の無いと想われるトラックバックは削除していますが、彼等に敬意を表して、しばらくトラックバックを削除せずおきます。


大阪ライフスタイルコレクションに提案

2007年03月22日 | アパレル放談
大阪の繊維・アパレル産業会の振興(復興)を願って、OLCについてBlogしてきました。
「優れた人材の発掘・育成、街の賑わい創出を目指す」というOLCのコンセプトに賛同し、応援メッセージを書いています。
大阪コレクションが発展的解消し、OLCになって2回目の開催ですが、まだ試行錯誤の状況に感じられます。

今後のOLC主催者の中で総括が行なわれると思いますが、充分な検討を重ね、次回のイベントの継続を願いたいものです。

詳しい状況は解りませんが、来場者側の感想として、「主催者や参加団体、企業の「イベントへ参加している熱意が感じられない」事が、はなはだ残念です。

日常の草の根的な活動が不足しており、主催者側のミッションが出展企業と来場者に伝わっていない事が要因と考えられます。

次回のOLCに対する私の提案として、出展企業の開拓や来場動員体制、企画、PRなどの実務をサポートする実動隊のNPOを作ることを提案します。

OLC開催委員会の実働隊としてのNPOの設置を提案します。
NPOの実働隊による活動によって、OLCの実務をサポートすることが出来ます。
NPOへの参加者は繊維・アパレルのリタイヤ組や業界振興を願う現役の有志などが考えられます。

新しい繊維ビジョンの目指す「繊維・ファッション産業界」つくり構想とも合致し、繊維・アパレル業界や異業種との新たなネットワーク(繊維・ファッション産業界)作りに、NPOが一役担うことが出来ます。

NPO法人の設立、運営にあたっての諸問題はありますが、大阪の関連産業の復興につながる手法の一つと思います。

大阪ライフスタイルコレクション

2007年03月20日 | アパレル放談
BlogのRSSリーダーは、その時々の話題のキーワードがよく判り便利なツールです。
大阪ライフスタイルコレクションに関するBlogの書き込み状況を見ると、OLCの状況が垣間見る事が出来ます。

OLCに関するBlogが特別審査員で出演したタレントの成宮寛貴に関する書き込み記事が中心となっています。

OLCとしては、東京ガールズコレクションや神戸コレクションの盛況を意識し、イベントを盛り上げるための演出と思いますが、少し奇異な感じがしました。

東京ガールズコレクションや神戸コレクションのBlogの書き込みを見ると「藤原紀香、叶姉妹や人気モデル」に関するものが毎日多く出ています。

両コレクションは一般顧客を対象にしエンターメントショーに徹した仕掛けを重視しています。
観客もそれを期待し、ライブショーのように楽しんで、情報交換をしています。

OLCの観客を見ると、専門学生を含む業界関係者が中心で、次代を担う「人材の発掘と育成」を目的としています。
一部FM802の深夜番組とタイアップしての一般客の動員を行なおうとしたようで、成宮寛貴出演の告知で参加した観客もある程度おられたようです。

成宮クン目当ての一般客とすれば、学生さんの「ブランドプレゼンやファッションコンテスト」は苦痛であり、人材育成を目指し、貴重な就業時間中に参加している業界人にとっては「成宮君のトークショー」は時間お無駄のように感じました。
「動員促進」のためか?、「ショーの盛り上げ」のためか?、「受賞学生のプレゼンター」のためか?何を目的としたものか?私には理解が出来ませんでした。

成宮クンが出演している「華麗なる一族の最終回」のことや「封切られる映画アンフェアーの撮影の裏話」に興味がある方は楽しい時間でしょうが、私にはトイレ休憩の時間に丁度よかった程度でした。

その後のOLCに関するBlogは、当然成宮寛貴君ファンの書き込みが多く見られました。
このような私のBlogなどは、違和感のある内容に感じられたのではないでしょうか。

イベントの目的と演出・運営に、乖離があるように感じられました。
昨日も書いたようにOLC開催委員会とディレクター間の連携を強化する必要性を感じました。
組織的にはOLC開催委員会がイベントの総合プロデューサーの役割と思いますが、そのプロデュサーが不在か、充分に機能していないように見受けられます。
来年は是非とも再考を願います。

       OLCの開催後の13日(14日)のFM802の深夜放送
       (MCをした大抜卓人の番組)でイベント終了にもかかわらず
       OLCイベントの告知をしていました。




大阪ライフスタイルコレクション 

2007年03月19日 | アパレル放談
最近の業界紙には、JFW/東コレやCBF(独立行政法人中小企業基盤整備機構主催のクリエーション・ビジネス・フォーラム)などの業界向けのイベントや東京ガールズコレクションなどの消費者向けのイベントに関する記事が毎日のように紙面を飾っています。
安倍首相や森元首相、経産省繊維課長など政・官あげての繊維アパレル産業振興に取り組み出す姿勢を感じました。

CBSの視察を案内するビップの案内役に元大阪リソースセンター㈱常務(代表)の松田正夫氏の姿が写っていました。
氏は長く大阪の繊維アパレル業界の振興に尽力されてたお方ですが、現在は東京を中心として、ご活躍されているようですが、少し違和感を感じ、複雑な思いがしました。
これも時代の流れなのかも知れません。

東京に比べ、大阪ライフスタイルコレクション(以下OLC)の状況は華やかなものではありません。
動員数、動員の内容やイベントの中身などは概して大成功とは云えません。

東京を始めとして他の地域の業界が、それぞれの地域のIdentityを確立して、積極的な活動を始めだしています。
長く続いている大阪の業界の振興(復興)のためにも、どうしても次回につなげ、継続し、成功させていただきたいと願っています。

来期の継続開催を願って、OLCの運営面について感想を投稿します。
手持ちのパンフレットによりますと、下記の組織のようです。
  主催:大阪コレクション開催委員会(大阪府/大阪市/商工会議所/21世紀協会
       関西経済同友会など

  後援:近畿経済産業局/日本ファッション協会/関西テレビ
       FM802/SAVVY

  特別協賛:大阪ガス/伊藤忠商事/大阪マーチャンダイズマート
        関西ファッション連合

  協力:
    繊研新聞社/TEXSTYLEDEPOS

大阪の官民一体の強力な組織のように見えますが、其の分運営面においての問題が多いと感じられます。
厳しい環境下でのイベント開催で、資金調達が重要課題になり、資金集めのために幅広い「網掛け」が必要となるのは理解出来ますが、その分目的が散漫になり、運営面が複雑になりがちです。

大阪コレクション開催委員会が主催となっていますが、名称からしても、寄り合い所帯の組織のと想像できます。
大阪の官民あげてのイベントの運営面において強力な運営組織になっていないのではと危惧します。
ホームページの組織図を見ると、主催者・事務局・ディレクターとの連動が充分で無いように感じがあります。
ワーキンググループとディレクターと制作運営事務局との連動性に疑問が感じられます。

イベント開催の資金の調達に重点がおかれ、肝心のイベントの企画・運営の実働組織の脆弱さを感じ、実働部隊の熱気が感じられません。
(関係者の方には失礼な表現ですが、善意の批判とご理解ください・・・)

少し疑問に感じるのは、大阪の繊維アパレル業界に重要な位置付けにある、関西ファッション連合(KanFA)が特別協賛となっている事です。

KanFAは、大阪のアパレル、ニット、織商の各組合が大連合して発足した共同組合です。
その大連合の正式発足の時期と重なり、積極的な参加が出来なかったお家の事情は理解出来ますが、来年は加盟組合員数700社を超える巨大な組織になったのKanFAの積極的な参加を期待します。

次回はイベントの演出面について投稿します。

Blogの投稿200回になりました

2007年03月16日 | アパレル放談

   Blog投稿200回になりました

       ご拝読に感謝!

会社を退き、還暦を前にし、その後の自分の新しい生き方を
模索していた時に、偶然読んだ本の巻頭に

        
人間の知識や経験は年齢とともに
         古びていくものではなく、むしろ、歳を経るごとに価値が
       高まっていくもので、
そうした貴重な財産を使う機会を
      無くしてしまうことは何たる損失でしょう


        と書かれていました。   
(日経マスターズ)


「自由に働く」
「自在に遊ぶ」
「豊かなコミニュケーションをする」
の三つのキーワードに魅せられ、新しい生き方を始めるキッカケになりました。

昨年1月に、「今、起こっている業界の話題や現象を拙い経験をもとに歴史に倒叙して、未来を窺う」ことを目的に始めたBlogが、
今回で200回目を迎えました。

このBlogを通じて、お忙しい皆さんの邪魔にならずに
、コミニュケーションが出来ることに、今では、私の新しい価値観となりました。

投稿200回を迎え、「少しは社会参加している」という充実感に
浸っています。

次は300回を目標にして、遣り甲斐を求めていこうと思っています。
今後とも、宜しくお読みください。
              
                                                                          窪添道朗






 


大阪ライフスタイルコレクション観覧

2007年03月15日 | アパレル放談
プロクリエーターを目指す学生対象のファッションコンテストを通して、情報発信のプラットホームを「官・産・学」が協同(協働)して作ることを目的としたイベントが開催されました。大阪ライフスタイルコレクションHP

大阪ライフスタイルコレクション(CREATIV AWARD2007)を見た感想を書いてみたいと思います。

大阪文化服装学院・京都造形芸術大学・上田安子服飾専門学校・エスモードジャポン大阪校・マロニエファッションデザイン専門学校・神戸ファッション専門学校・バンタンデザイン研究所・大阪モード学園の8校、10チームが参加したファッションショーでした。

単なるショー形式ではなく、各チームが自分達の作品のブランディングを舞台上で自らプレゼンテーションし、其の作品をショー形式で発表し最優秀賞を競うコンテストでした。

同時に大阪のアパレル企業が、学生が発表したブランド(学生)をノミネートし、企業と学生の出会いの場を作るサプライズ(司会のMCの言葉)な仕掛けも有りました。

昔の「スター誕生」や「芸能プロダクションのタレント発掘」の番組を思い出しますが、それなりに新鮮で楽しんで見ることが出来ました。

コンテストの結果については、審査の基準を知る立場に無いので、詳しくBlogには書きませんが、私も一観客として自分でメモを取り久し振りに審査の真似事をして楽しみました。

デザイナーも一人だけ居られましたが(細川雲雪先生)、主に百貨店のバイヤーやコーディネーター、業界紙誌に関係するお歴々の方々で構成されていました。
審査員の顔ぶれを見て最優秀賞を予想して見ました。
審査結果は私の予想通りのチームでした。

クリエイティブ性とコマーシャル性(ビジネス性)という「卵と鶏」の尽きない論議が何時も行なわれていますが、今回のコンテストは、ビジネス性を貴重としたコンテストのようでした。

直接的なビジネスの立場を離れている私が密かにマークしていた「エコをテーマ」にしたチームが優秀賞に終わってしまったのは少し残念でした。

「環境に優しい素材や副資材を地場のメーカーと協力して作ったり、自ら手造りした」とプレゼンテーションで発表し、「この事を通して自分達の日常生活で地球環境を考えるようになった」と発表していました。

「歳のせいか、厳しいビジネスの世界から遠ざかっているせいか」、私は其の一言で最優秀賞とマークしてしまいました。
ファッション業界からすれば地味(アウトオブファッション的)なテーマを愚直に取組み
綺麗に優しくまとめ上げているように感じました。
素材を地元の業者と協働で作ったことも、其のプロデュース力(情熱)を感じさせるものでした。

企業と学生の出会いの場を作るサプライズな仕掛けは、存じ上げている企業の幹部の方も多いので、企業側がノミネートしたチームも、それぞれの企業のカラーが出ていて面白く拝見しました。
ショー終了後に企業と学生のお見合いの場が設けられたようですが、このお見合いが、今後の清純なお付き合いを通して、お互いに幸せな結婚に発展するよう祈っています。
一組でもこの結びが出来たら、今年のイベントが成功したといえると思います。

近い将来の吉報を待ちたいと思います。

4時間以上の長いイベントでしたが、自分なりの楽しみを作って見ると楽しく感じました。


来年も、若し(絶対!)継続してこのイベントが開催されるのであれば、来年は、学生に限定せずに、アパレル業界が近年のリストラ(廃業・事故)で離職し、フリーランスで頑張っているデザイナーやパタンナーにコンテストのチャンスを与える部門を作ってはと思いました。
近年の繊維・アパレルの大不況で、其の犠牲になったベテランのデザイナーとパタンナーにチャンスを与えるのも良い事ではないかと思います。

安倍首相の再チャレンジ政策にも合致するのではと思いました。(来年も安倍政権が続いていればの話ですが・・・・)

最近、古希のお祝いが京都であったそうですが、ビジネスで大成功されたコシノヒロコ先生がオートクチュールからプレタへの転進されたのは40歳中頃だったと記憶しています。
イトキン㈱との偶然の出会いがきっかけになりました。
在野の経験のある優秀なデザイナーのプラットホームつくりも考えてみては如何でしょう。

明日は運営面について書いてみたいと思います。








大阪ライフスタイルコレクション開催

2007年03月14日 | アパレル放談

昨日大阪ライフスタイルコレクションが開催されました。
長く続いた大阪コレクションをリニュアルして昨年開催されたイベントの2回目とです。
イベントの内容は昨年の内容を一部継承していますが、全体的には大幅な変更になっていました。
昨年はO・MIGOTOと言うタイトルで堀江やアメリカ村を中心として、ライフスタイルファッションを全面的に押し出し、大阪のファッション業界の若返りを目差したものでした。
東京一極集中で低迷する大阪のファッション業界の復活を掛けた大胆なイベントと感じましたが、構想が壮大なだけに、総花的になり、期待された効果が発揮され無かったようです。
部分的にはユニークな試みもあったのですが、所謂「楽屋受けのイベント」に終わった感がありました。(昨年の第一回の大阪ライフスタイルコレクションに関する私のBLGをご覧ください)

其の総括の元に、今年のイベントは昨年と大きく変わったイベントとなりました

昨年のO・MIGOTOのイベントは消費者を巻き込んでイベント効果を狙ったものでしたが、今年のライフスタイルコレクションは未来の大阪(日本・世界)のファッション界をになう人材の発掘と育成を目差したイベントでした。

昨年が川下志向で今年は川中を活性化させる目的のようです。
今年の大阪ライフスタイルコレクションは
「プロのクリエーターを目差す学生のためのデザイン選手権」のCREATORSAWARD2007
「新進注目企業の合同展示会のCREATIVE WAVE2007」の二本立てのイベントでした。

どちらも大阪の次代をになう若い人材と若い企業の育成を目差そうとしたものです。
原点に立ち返って、人材育成を重点策として、低迷する大阪の繊維・アパレル業界の活性化(復活)を目差すイベントです。
同時期に東京で、JFW/東京コレクションが安部首相や甘利経産相も激励に駆けつけ、大々的に開催されています。
安部首相は「日本を挙げてファッションの分野でも日本の美しさを世界に発信してほしい・・・」と挨拶したと業界紙にでていました。
それに比べると、ささやかで地味なイベントではありますが、人材育成を産・学・官が協同して取り組む意志の表明と感じました。

新しい試みのせいもあり、イベントの運営や演出などは決して満足のいくものではなかったようだが、官民共に資金的な事情も有ろうかと思いますが、継続する事が重要と考えます。
継続を前提として改善の議論を重ね、是が非でも継続し頂きたいイベントと思います。

産・学・官の協同のイベントが、産・学・官の協働のイベントになることにより、大阪(関西)の発展(復興)が可能になるものと考えます。

4時間を超える長時間のプレゼンテーションとショー形式のコンテストでしたが、若い学生さん達の情熱に触れ、最後まで見させていただきました。

会場の空席が少し気になりました。お仕事の関係でご覧になれなかった方が多いと思いますので、イベントの紹介と私の感想を、Blogで紹介したいと思います。


繊研新聞の記事から

2007年03月12日 | アパレル放談

先週の繊研新聞に繊維の生産と流通に関する二つの面白い記事が掲載されていました。

1つは「どうする?商社の繊維ビジネス 伊藤忠商事×住金物産 ・ 外されないために」で、
もう1つは「ファッション業界は08年に起きる地殻変動に備えよ」というコンサルタント?の河合拓氏のリポートです。
どちらも見出しが面白いのでスクラップしました。

「どうする?商社の繊維ビジネス」は伊藤忠商事の岡藤正広専務と住金物産の大塚隆平副社長の対談形式で5日間のシリーズでした。
商社のOEMビジネスについての現状と将来についての本音の対談でした。

商社のOEMビジネスの採算性と将来性について悲観的な見方が多いなか、両社の舞台裏や業界の本音も交えた対談でした。
他の商社が繊維ビジネスに対する現状と将来に模索しているなかで、両社の余裕の現われか、それとも、「歯に衣着せぬ」お二人のお人柄のせいか判りませんが面白く読ませていただきました。

同じ日(3月5日付け)に河合拓氏(ジェネックスパートナーズ)の「ファッション業界は08年に起きる地殻変動に備えよ」という見出しの記事が掲載されていました。
タイトルがコンサルタントの小島健輔氏がよく使われる「恫喝的」なスタイルに似通っていたので、なんとなく気になって読みました。

河合拓氏の紹介には、「15年前に商社に入社し、海外事業に従事、コンサルタントの会社?のジェネックスパートーナーズでコンサルタント」をされていると紹介されていました。

河合氏は、2008年に「生産と流通に地殻変動が起きる可能性」を予言されています。
その地殻変動を
①生産キャパシティーの不足
②M&Aによる新勢力の川下進出
③グローバルSPAの日本上陸による競争激化
と予言し、その地殻変動が業界にどのような影響を与えるかリポーしていました。

「商社が本来持つべき事業構築力が問われる時代が来た」と提言されていますが、同じ日に繊研新聞に掲載された商社で現役で陣頭指揮を執っておられるお人の臨場感のある対談に比べると、商社から転出のコンサルタントの河合氏のリポートの現状分析の時間的なズレと浅さを感じざるを得ません。

タイトルは衝撃的なものでしたが、その地殻変動は、皆が既に日常肌で感じています。
既に其の地殻変動で湧き出した新しい溶岩は、セレクト&SPAやWebショプ、TVショップなど新しい大地を築きだしている者もいます。

私はコンサルタントとは思っていませんが、いろんな方から意見を求められることがあります。
現場感覚の重要性を再認識し、大切にしていきたいと思います。

 


 

 

 


タムラ洋装さんのこと Ⅱ

2007年03月09日 | アパレル放談
タムラ洋裁の社長は一級技能士の資格を持っています。

私は昔からプレタポルテの工場を訪問した時に見るのは中間アイロンの数です。本縫いミシンの数と中間アイロンの数の割合と縫製ラインのミシン数を見れば、その工場の縫製に対する姿勢が判ります。

久し振りにタムラ洋裁さんを訪問しましたが、昔と変わらず本縫いミシン1台にアイロン1台のラインを頑固に守っていました。中国の工場のラインと比べると雲泥の差です。

昨今のジーンズや綿の後加工をした大量生産のカジュアル商品や、合繊のスポーツウェアーであれば余り重要ではないかも知れませんが、ことプレタポルテの商品となると、この中間プレスが重要となります。
歴然とその差は商品に現れます。

最近の海外の秋冬コレクションの速報記事が盛んに出ていますが、その見出しには「ラグジュアリなークラッシック」、「エレガントなドレス」、「モダンクチュール」などのタイトルが目に付きます。私は欧米のコレクションを現場で見ていませんが、紙上の情報で推察すると、本格的なパターンと縫製の裏づけが必要とされるトレンドと思われます。

大量生産型の工場ラインではトレンドに見合う商品と異質なものになるに違い有りません。

長い間日蔭で必死に耐えてきた技術力のあるプレタポルテの工場さんに、日が射して来るような予感がします。少し前に、東大阪市の金型工場団地で、日本を見捨てて中国生産に切り替えた大手メーカーや商社の担当者が、中国で出来ない特殊な技術を持っている工場のオヤジさんに、平身低頭で、加工の依頼に日参してる姿が情報番組で放映されていました。

厳しい逆境に耐えて縫製技術を磨いてこられた工場さんに、日本を捨てた大手のアパレルや商社の担当者が頭を下げてお願いにくるに違いありません。

後しばらくの辛抱と思います。今が一番厳しい時かも知れませんが、頑張ってください。


縫製工場 タムラ洋裁㈱の話

2007年03月08日 | アパレル放談

深喜毛織㈱で、糸から生地になる工程を勉強した後に、その深喜のカシミヤの生地を縫製していて、比較的近い事もあり、岸和田市のタムラ洋裁㈱の工場を学生と見学に行きました。

田村洋裁さんは、私がイトキン㈱在職中に大変お世話になった工場さんです。
25年以上前の話ですが、イトキン時代に手掛けたLANCHETTIと言うブランドがありました。
ローマのオートクチュールデザイナーのブランドで、その頃のイトキン㈱はヤングブランドやボリュームゾーンを得意とする会社で、初めてのクチュールプレタ(当時はそう表現していました)のブランドという事もあり、その生産で大変苦労しました。

私自身も量販店担当MDからプレタポルテのブランドを担当をし出した頃で、クチュールプレタと名のつくものは始めての経験でした。

そもそもLANCHETTIはオートクチュールのデザイナーで、プレタポルテといってもオートクチュールの延長で工業用のパターンは無しで、サンプルだけが無造作に送られてくる状態でした。
サンプルを前にして立ち往生の状態の時に、紹介でお世話になったのがタムラ洋裁さんでした。

若いパタンナーが作成したパターンで縫い上がってくるサンプルは、到底クチュールプレタとはほど遠いものでした。
困惑しているのを見るに見かねて、タムラ洋裁の田村元治社長が手取り、脚取り、若いパタンナーを指導してもらいました。

田村社長のキツイ泉州弁に戸惑い、最初、若いパタンナーたちは少し緊張していましたが、しばらくして見違えるような商品ができるようになりました。

LANCHETTIも、今はサブライセンス中心になったようですが、ブランドが、30年近く継続できているのも、タムラ洋裁さん始め当時の工場さん達のお蔭と感謝しています。

一級技能士の資格を持っておられる田村社長自ら、下張りアイロン作業を学生たち全員に実習をしていただき、中間プレスの重要性を教えてもらっていました。

プレタポルテの縫製の優劣を決めるといっても良い極意を学生時代体験できたのは、学生にとって良い勉強になったことでしょう。

田村元治社長は昨年に長年の技能の普及に努めた功績を称えられ黄綬褒章の栄に浴されました。
70歳を超えられたそうですが、今でも縫製の現場で、こだわりと誇りを持って頑張っておられます。
現在も一流のアパレルさんと、お取引されて元気そうでしたが、往時を知っている私は一抹の寂しさを感じました。

 

 



 

 


 


深喜毛織㈱のことⅢ  CCMI カシミヤ

2007年03月07日 | アパレル放談

カシミヤの紡績から製品までの一貫生産を行なっている深喜毛織㈱の歴史の古さに触れましたが、今日はその技術と環境対策を書きます。

私の昔の経験では、紡織、染色工場の工場視察は余り良い印象はありませんでした。
ワタ埃、湿気、熱気、臭気、騒音の中の工場見学のイメージが残っています。
学生にも講義の時に、紡織、染工の工程を講義し、労働環境は3K的であると話しておりました。

ところが深喜毛織㈱の工場は、私の教室での講義を打ち消してしまう内容でした。
ISO9001はもとより、環境ISO14001まで認証済みの、静かで、綺麗で、合理化された快適な工場でした

紡績から織り、染色、製品までの一貫工場を目指されていますが、ISO9001認証取得の工場内は新鋭機がコンピューター制御され徹底的な品質管理と省力化、ロスの軽減をシステム化して実現されています。

ISO9001は今やそれほど珍しいことではないが、環境に対する姿勢は特筆されると思います。

環境ISO14001を認証取得し太陽採光、ソーラー発電、風力発電、太陽熱温水などのエコロジーへ積極的に取り組んでいます。

説明を聞いていると、関西電力化、文科省か経産省の関連施設を訪問している錯覚を覚えました。

以前の深喜毛織㈱は紡毛を中心にしたメーカーでした。
紡毛のトップ、先染の加工の上手さは定評がありましたが、最近はカシミヤに特化されているようです。

E.ゼニヤ、アニオナ、ロロピアーナ、コロンボ、ドーソンなど欧米の著名メーカー17社が加盟しているCCMI(Cashimere&Camel Hair Manufacturers Insttitute)に東洋紡糸と共に加盟しています。

CCMIの加盟には、製品品質はもとより、企業としての格も重視される17社に限定された国際団体とのことです。

今日の繊研新聞に中国製のカシミヤ製品のリコール問題の続報記事が出ていました。その記事には、「問われる製造責任」と見出しにありましたが、パンフレットに書かれている「品質への徹底したこだわりと誇り、人に、地球に優しい事業体」の深喜毛織㈱には関係の無いことのように感じました。

私は中国始め海外生産については、その重要性を認識し、促進する立場をとっていますが、前々から安易に、闇雲に利用する姿勢は改めるべきと提唱してきました。

過去にもシルク(絹)やハンドプリント、レースなど長い間かけて培った技術や商品が瞬間的に駆逐されてしまった事を見るにつけ、いいようのない寂しさと、ブッツケようの無い憤りを感じます。
「悪価は良貨を駆逐する」という言葉を思い出されます。

今は生産していないようですが、数年前に若い子に大流行したバーバリーチェックのマフラーがこの工場で生産していた事を聞き、学生達は感激していました。
彼等の中学・高校時代の思い出の商品のようでした。

十数年前に購入した深喜毛織(㈱)のカシミヤコートを着て、帰路に着きました。
先のブログにも書きましたが、最近このコートを着ていると、周りの中年、熟年ビジネスマンのカシミヤのコート姿に出会います。
いかにも中国産の価格破壊のカシミヤらしいコートが多く、自分も気恥ずかしく感じてきる事に躊躇していましたが、その日は何故か誇りを持ってカシミヤコートを着ることが出来ました。

「私のこのカシミヤコートはCCMI加盟の歴史ある深喜毛織㈱がこだわりと誇りをもって、人と地球に優しく造ったものだぞ!」と心の中で叫んでいました。

China+・ワンが模索されています。
インド?ベトナム?
+ワンではなく+2にして、1つにJAPANも加えて考える時期に来ているかもしれません。
早くしないと、今まで必死で、頑張って耐えてこられた優秀な工場さんやメーカーさんが耐えられなくなっています。
皆で真剣に考える最後のチャンスではないでしょうか?

深喜毛織株式会社HP: http://www.fukaki.co.jp/
 


深喜毛織㈱のこと Ⅱ

2007年03月06日 | アパレル放談

専門学校の講義でお世話になった深喜毛織㈱視察研修で、驚きと感銘を受けたことがあります。

それは「深喜毛織㈱の歴史の古さ」、「技術と設備の新しさ」です

「歴史の古さ」については、深喜毛織㈱の創業が明治20年(1887年)で、規模は別にしても、明治15年創業の東洋紡らと同じく、深喜毛織の歴史は、日本の紡織の歴史と言えます。

「新しさ」については技術と環境対策に対する姿勢です。
ISO9001は言うに及ばず、環境ISO14001も取得して徹底的な環境対策を行なっています。
私の昔の紡績・機屋、染工場のイメージから程遠いものでした。

今日は深喜毛織の歴史の部分をご紹介します。

私が驚き、感銘を受けたのは本社資料室です。

パンフレットにも「日本の毛織物史を切り開き、その発展の道をともに歩んだ弊社の百十余年の成果が、貴重なサンプルファイルに収められています」と紹介されています。

説明によりますと、明治20年の創業から深喜毛織㈱が生産した生地のスワッチが全部保存されているとのことでした。

資料室には、綺麗なファイルに保存されている資料が、まるで図書館か資料館のように保存されていました。

現在はカシミヤに特化した商品多いが、昔の深喜毛織㈱は、紡毛のトップメーカー(高品質の)でもあり、その資料は貴重なものだと思います。

日本のファッション史や紡績、アパレル史だけでなく、貿易(産業史)や郷土産業史等にも、多いに役立つものと思います。
創業当時は工場の周辺は一面綿花畑だったようです。

深喜毛織㈱も創業は綿紡織からのスタートとのことです

戦前戦後の日本の基幹産業の一端を担った泉州から泉南にかけての当時の状況が窺えます。

係りの方の説明で興味を感じたのは、資料室には、太平洋戦争の「戦時統制経済」下の数年の資料が無いとのことでした。

戦時統制経済下では、軍の統制のもとに、資料用のスワッチすら流用を認められず、その期間に限って資料の作成が出来無かったとの説明でした。

私は昭和十九年生まれで、「戦後統制経済」の終わりの頃の記憶が微かに残っており、戦時下の状況について、ある程度理解は出来ますが、学生達には意味が充分理解出来ないようでした。

戦時体制下の状況が改めて認識できました。
その意味でも近代史にも貴重な資料だと感じました。
このような資料は少ない様で現存するのは他に1社ではないかとのことです。

当日は時間が無かったので、中身を詳しく見る事ができませんでしたが、後日に時間を作ってジックリ見てみたいものです。

深喜毛織㈱の歴史を改めて感じました。

帰路の車窓から、泉州地区の紡績や機屋、染工場の跡地と思われる土地に、真新しい大きなマンションや分譲住宅が建ち並んでいるのが見えました。

日本の繊維産業を支えてきた工場群が徐々に消えていく光景を目の当たりにして、現在の日本の繊維の縮図を見る思いで、云いようのない寂しさを覚えました。

土曜日の神戸コレクションの華やいだイベントに比べると、この現実に複雑な思いがします。


次回は深喜毛織㈱の「技術と環境対策の新しさ」を紹介したいと思います。

 


神戸コレクションと藤原紀香 ウンガロのドレス

2007年03月05日 | アパレル放談

深喜毛織㈱について続けて投稿する予定をしていましたが、土曜日の神戸コレクションの話題に変更して投稿しました。

内容的に芸能タレントの話題になり少し軟らかくなってしまいました。

ただ、神戸コレクションと言う無名の小さなイベントの成功の手法としてメディアミックスもブランディングに重要な要素を占めると言う事を再確認しました。

今年のサプライズモデルが藤原紀香だったことも驚きです。
私の田舎では、結婚して、最初にお里帰りするのを「初がえり」といいます。
お世話になった方へのお礼と結婚の報告の意味もあるのでしょう。
まさに神戸出身の花嫁が、神戸に「初がえり」の挨拶をしたのでしょう。
観客からの結婚を祝福する「おめでとう」の声もあり、これからワイドショーやインターネットで話題になるでしょう。

毎日放送主催なのでTBS系の独占になるかも知れませんが・・・。

参加ブランドにUngaro fuchsiaがリストアップされていたので少し違和感を感じていたのですが、新婚の藤原紀香がウンガロの高価?なパープルのロングドレスを着てフィナーレに登場して謎が解けました。

お恥ずかしい話ですが、この私もUngaro Fuchsiaのブランドは初めて知りました。
昔のemanuel ungaroしか知ら無かったのですが、これもウンガロジャパンのブランディングの一つなのでしょう。