地球族日記

ものかきサーファー浅倉彩の日記

10%のふらふら蟻。

2011年01月19日 | 読み聞き日記
前回の読み聞き日記に書いた「お金は使っても無くなりません。」
高木善之さんの著書「転生と地球~価値観の転換へのメッセージ~」には、
もうひとつ、面白いストーリーが書いてあった。

それは、蟻の話。

働き蟻は、列をつくってエサと巣の間を往復している。
後に続く蟻が迷わないように、おしりからマーキング汁を出してる、
というのはわりと有名な話。

ところが、実は「前のやつに続け!」とばかりに、
従順に隊列に参加しているのは全体の90%なのだそうだ。

あとの10%は何をしているかというと、ふらふらしている。

ふらふらして、みんなの次の仕事を探しているんだって。

たしかに、エサがそこにあるうちは、決まった仕事をきちんとこなす
隊列アリがみんなのためになる。
だけど、全員が隊列に参加して、ひとつのエサを運び尽くしたら、
巣ごと飢え死にしてしまう。

そうならないように、ふらふらアリは、自分の嗅覚だけをたよりに、
なんの保障もない放浪をしているのだ。

このくだりを読んだとき、私ははっと、ある人の言葉を思い出した。

ほかでもない、R水素のおしごとのボス「ハルさん」。
ハルさんは、「R水素モデルはビジネスとして採算がとれない」というようなことを
誰かが言うたびに、

「儲かるからやるのは普通でしょ?儲かるってわかったらみんなやるんだから。
儲かるようにするまでが大変なのよ」
と言っている。

そういえば、
今や世界を牛耳る石油ビジネスだって、
最初は儲かるかどうかわからないバクチだった。

以下、「石油の世紀」より、石油ビジネスの誕生ストーリー。


「それは526ドル8セントの行方から始まった。
エール大学の化学の有名教授だったベンジャミン・シリマン・ジュニアは
臨時収入を求めてあるプロジェクトの調査研究を請け負う。
1854年のことだ。

ニューヨークの弁護士ジョージ・ビセルと
ニューヘヴンの銀行頭取ジェームズ・タウンゼントは
ペンシルベニア州北西の丘陵地帯オイル・クリーク一帯で
噴出していた石油を大規模に採取して、
純粋な石油だけを取り出し、ランプの光源として使おうと計画した。
当時出回っていた石炭から採ったコール・オイルのかわりに。」

「タウンゼントが地元でこの掘削の
話をすると、みんなが笑って言った。
『おい、タウンゼント。油は土からにじみ出るんだ。
水を汲むようにポンプで汲むなんてできるか?
ナンセンスだ。頭がおかしくなったのか?』」

「ドレークは休職中で自由だった。
彼はビセルとタウンゼントのペンシルベニア石油に、
石油の掘削を試みるミッションで偶然雇われた。」

「最後には、株主の中でタウンゼント一人だけが、
このプロジェクトの可能性を信じるという
状況にまでなってしまった。資金も底をつく。
すると、タウンゼントは私財をはたいて請求書の支払いを始めた。
しかし、それも困難になり、タウンゼントはとうとう最後の送金をドレーク宛に振り込み、
請求書の始末をし、作業場を閉鎖してニューヘヴンに帰るように指示した。

1859年8月27日土曜日の午後、手紙はまだドレークのもとに届いていなかった。
掘削井の坑底は69フィートに達し、ビットは地下の地層の割れ目に落ち込み、ここからさらに
6インチ滑り落ちた。そこで作業が終わり、週末の休みとなった。

翌月曜日の朝、井戸を見に来てパイプの中をのぞき込むと、
水の上に黒い液体が浮いている。
彼はブリキのひしゃくを使って液体をすくい、
重い溶液を調べながら、興奮を押さえきれなかった。
・・・・」

私たちが生きているのは、
このできごとが起きたたった150年後の世界。

この150年間、石油には十分お世話になったけど、
今では海底に穴をあけたり、砂まじりのオイルサンドから搾り取らないと、
手に入らなくなった。

限られた場所にしかないために、奪い合いの原因になり、
たくさんの戦争が起きた。

燃やす時に空気中に棄てられるガスが、
気候変動を引き起こすことがわかった。

このまま、石油(を含む天然ガス・石炭・ウランという化石燃料)に頼りきった
経済に行列をつくっていると、いのちを支える生態系は破壊し尽くされ、
地球ごと、飢え死にしてしまう。

10%の蟻は、みんなの次の仕事、つまり、自然エネルギー+水素のR水素を、
もう、とっくに見つけている。


1月18日(火)のつぶやき

2011年01月19日 | お仕事日記
11:01 from Echofon
RT @kanseikei: 太陽光発電所であっても環境影響調査はしっかりやるべし、ということですね。RT @EcologyOnline: 米でも太陽光発電所に環境保護派の反対運動が!国民的、地球的議論が必要か... RT @eolinter: Reuters http: ...
13:31 from Echofon
RT @ecogroove: RT @FoEtokyo: 西日本新聞 http://bit.ly/f7H1Dt "自然エネルギー電力を一括売電、日本初の「自然エネルギー工業団地」鹿児島県いちき串木野市に続き、山口の祝島も自然エネ100%に。門出を祝おう。 #renewja ...
13:32 from Echofon
同意。RT @postoil: 日本は「ポスト成長時代」に入った、消費しない日本の若者は「ダウンサイジング運動の先頭に立っている」と加藤典洋教授(2010 米ニューヨーク・タイムズ)So-netブログ http://t.co/j59PIHh
13:37 from Echofon
「ある程度、裕福」とはどんなことでしょう?RT @surfyuzi: @ayaatagrica @postoil う~ん、ダウンサイジング運動と客観的に見られているのはある程度、裕福な視点からのでは。
16:00 from Echofon
何かにNoを言うのはあんまり好きじゃないけど、平日の昼間にモスバーガーで皇室ゴシップで盛り上がる主婦には、きっと他にやることがあるはずだと思う。
16:01 from Echofon
なるほど。若者のアイデンティティ・クライシスとダウンサイジング運動を一緒くたにすることに疑問をもっていらっしゃるのですね。RT @surfyuzi: @surfyuzi @ayaatagrica @postoil しかし、それがダウンサイジング運動というならばそうなのでしょうか?
by ayaatagrica on Twitter