「井の中の蛙大海を知らず」といえば、ご案内のとおり、自分の狭い知識や見解に囚われて、外に広い世界があることを知らずにいる人のことを、井戸の中の蛙にたとえたことわざです。
では、この蛙が知らないのは、広い世界のことだけか、と考えるとそうでもないと最近思うようになりました。
蛙は、狭い井戸の中にいて、広い世界に接したことがないから、自分の本当の性格とか、本来の能力も知らないに違いありません。試す機会すらないのだから当然ですね。
でも、面白いのは、そういう自分のことを知らない蛙に限って、「自分」に固執する傾向があります。「私は~に違いない」と根拠の希薄な決め付けをもっていたりするのです。例えば、「私はダメな人間だ。なぜなら、今まで何回も失敗してきた。」とか思い込んでたりします。でも、失敗したのが実に狭いフィールドで、ほんの数回だけだったりするわけです。全くもって根拠薄弱というほかありません。
すごく皮肉なことです。
いったんこういう風になると、本人が気づくまでは、外からはどうしようもなくなるところがあってやっかいですね。
そういう人にならないよう、気をつけることにします。このお話、特に誰か具体的な人を念頭においてるわけではないことをお断りしておきます。単なる私の想定です。