小6(12歳)の7月20日の私に電話をかけてみた。
今の私;「ずっと未来の、とっくに大人になった君なんだけど。元気にしてる?」
12歳の私;「え~~本当?そりゃあ、エラい先から来たもんだね。今、どんな仕事してるの?結婚は?子供はいるの?」
今の私;「今はね。いったん弁護士になれる資格を取ったんだけど、方針転換して、いろいろと模索するプロセスで自分で作ったイメトレ教えてんだ。プロゴルファーも教えてるんだよ。あと、最近、新しい会社を作ってすごく面白いことをしようとチャレンジしてる。多分君がとっても喜びそうなネタだ。9月には僕が発明して特許を取得した○○○○を勉強する本も発売予定だ。さて、結婚はしてない。期待に応えられなくてごめん。いろいろとやることが多すぎてその余裕がなかった。だから子供も当然いない。」
12歳の私;「ふーん。弁護士って面白くないの?どういう仕事なのか僕は良く知らないけどね。ところでイメトレって何?聞いたことないね。受験勉強にも役立つの?発明でお金儲けようとしてんだ。僕も発明の本持ってるよ。あれ面白いよね。お金は儲かってる?スーパーカーとか買えるくらい儲かってるのかなあ?僕ならランボルギーニカウンタックがいいな。300キロ出るんだよ、あれ。フェラーリBBは302キロ出るけどやっぱりカウンタックだよね。」
今の私;「弁護士が面白くないってことじゃなくて、自分に合わないって思ったんだよね。体調が悪くなっちゃうんだ、あの仕事。で、好きなことをずっとしてようって思ったんだ。12歳の、今の君の頃にさ、つまんない大人には絶対ならないって決めてたよね。それが1つの大きな原因となってその後ずっと苦労することになるんだけど、段々と好きなことを仕事にできるようになっていったんだよ。残念ながらカウンタックが買えるほど儲かってないけど、もういらないんだ。300キロで走りたいなんて思わない。第一さ、今はガソリンがすごく高いんだよ。あんな車乗ってたら頭悪いって思われかねない時代になっちゃったんだよ。」
12歳の私;「ふーーん。僕はこれから苦労するのか。どんな苦労なんだろう?なんかやる気なくなるからそんなこと聞かせないでよ。今はとにかく良い中学に入りたい。それが悩みの種だね。でもまあ、好きなことができるっていうのはいいよね。僕は、無味乾燥な勉強大嫌いなんだよ。ワクワクする気持ちでずっといたいんだ。でもさ、カウンタックとかフェラーリとかに乗れないんだ・・・つまんないな。僕の頭の中じゃ、いっつもスーパーカーが走り回ってるんだよ。」
今の私;「とにかくさ。君は今の君のそのままでいいから、ちゃんと自分を貫けばいいんだよ。全てのことは、起こるべくして起こる、大切なことなんだ。必要でないことは起きないはずだから、あんまり心配しないでのびのびとやったらいい。時代はそこからどんどん変化していくし、君自身もいろんな体験をして変わっていくから、君が好きなものはどんどん変わっていく。その中で大切にすべきは、君が時代や世間に流されないで自信をもってしっかりと生き抜いて行くことなんだ。今でも僕は、君の年だった頃に思ったあの決心、『絶対つまらない大人にはならない』を貫いたことを何も後悔してない。失った物はいっぱいあるけど、今の僕には両手を差し出し余る以上の大切な物が残っているから。」
12歳の私;「へぇー・・・なんか言葉が重いね。とにかくいろんなことあったみたいだけど、僕にはまだよく分からないよ、そういう類の話は。『絶対つまらない大人にならない。』ってのは僕もなぜだか良く分からないけど、この前決心したことだ。やっぱなんかさ、心の奥の方から活き活きした気持ちが湧いてくるのを大事にしたいんだよ。まあ僕は今日から夏休みだから、ゆったりと楽しむことにするよ。受験の結果も知りたいけど、怖いからやめにしておく。あ~、お母さんがスイカ切ったって言ってるから、もう切るね。○○兄さんが全部食べちゃうから、早く行かなきゃ。じゃあね。」