最近思うのは、人は周りにいる人間によってその能力飛躍の可能性を奪われていることがかなりあるということだ。
そういうケースでは、その人の頭の中の思考の抵抗を取り去る方法を教え、実践してもらうことができたとしても、その、もともといた周りの人たちが邪魔をしてくることが多いように思う。
とても残念なのだが、これはある意味当たり前のことだと理解しなければならないのかもしれない。
というのは、人間の能力とは、周りにいる人間と同じレベルになるのが通常だからだ。あるレベルと質の人間たちの中にいれば、「朱に交われば赤くなる」という諺どおりに、同じレベルと質を獲得する。そして、このような状態になった場合、自分だけレベルアップしようとしても、その、周りにいる人たちはそれを妨害しようとするのだ。
私のイメトレの世界の用語で説明を試みると、ある人の思考の抵抗値が急に低くなり、大量の情報信号が流れ始めた場合、周りにいる人間はその大量の情報信号の流れに耐え切れず、従来の思考秩序というべきものが揺らいでしまい混乱するので、それを皆で一斉に押さえ込もうとする傾向がある。
普通の日常用語で言えば、「1人だけ能力が上がっても、周りの人間からは理解されず、むしろつぶされる危険が出てくる。」という風に言えば分かりやすいのかもしれない。しかもこういうことは、「あなたのためだから」という例の広告で使われた言葉の下に行われるからなかなか見抜くことが難しい。
このようにして、集団における人間の個々の能力は一定程度均質化し、それによって集団が安定するのだが、個人の能力開発という観点からするととても不幸なことになる。
こういう場合には、その集団から抜け出すほか解決方法はないのかもしれないが、今後も観察を重ねていきたいと思う。