今まで、いろいろな才能を見てきました。
その中で、いつも考えるのは、どうして同じように素晴らしい才能の持ち主が、片や生き残り、片や消え去ってしまうのかということです。
だから、いつも、生き残る人と消え去る人とでどこが違うのかについて、原因を分析しています。
その中で、大きな違いの一つが、「人間不信」です。
才能がある人が同時に人間不信であることはかなり多いように思います。それはなぜでしょうか。
才能のある人は、そのすごさをなかなか理解してもらえません。偉大であればあるほどに、理解力のない人に馬鹿にされたりしやすく、そういうプロセスを経るうちにどんどん人間不信になっていくのかもしれません。
また、人からいじめられたり、馬鹿にされたせいで奮起し、努力した結果、能力が出てくることもよくあります。こういう場合はそもそもが「人間不信」でスタートしているので、能力が花開いた後も人間不信が残っていることが良くあります。
あるいは、この才能に目を付けた悪い人に騙された経験を持っていて、それ以来人間不信に陥っているケースもあります。最初の頃に出会った人がそういう悪い人であるというのは、不幸としか言いようがありません。
この、「人間不信」は、才能が世に出るための大きな障害となります。当たり前のことですが、「世」というのは人間の社会のことですから、人間が嫌いではうまくいかないのは当然です。人間不信だと、人前で緊張したりして本当の能力が出にくいし、なかなか人と協力し合うこともできません。
こういう、人間不信に陥っている才能のある人というのは、よくよく眺めていると世の中にものすごい沢山いると思うのです。
もったいないですよね。咲かない大きなつぼみを見ているような気持ちになります。