IAEA(国際原子力機関)の事務局長を2009年12月から務めていた天野之弥が7月18日に死亡したと22日に公表された。
死亡したのは健康上の理由から3月に退任すると報じられたその日。
退任の意向を伝えた時事通信の記事によると、公式発表はその次の週に発表されることになっていたという。
天野の健康状態に何らかの急変があったと考えるのが常識的だろうが、
イランのIRGC(イラン革命防衛隊)に近いと言われる通信社タスニムは
イスラエルとアメリカが共謀して暗殺した可能性があると伝えている。
天野は2015年の取り決め(JCPOA)に違反しているとイランを非難するようにイスラエルとアメリカから強く求められていたとタスニムの記事は主張、
暗殺疑惑の根拠に挙げている。
そのJCPOAからドナルド・トランプ米首相は5月8日に一方的な離脱を宣言した。
しかし、天野は事務局長へ就任する前からアメリカへの忠誠を誓っていた可能性が高い人物だ。
ウィキリークスが公表した2009年10月16日付けの外交文書によると
アメリカのIAEA大使だったグリン・デービースは天野がアメリカのIAEAに対する戦略目標を支援すると力説していたという。
つまり天野はアメリカ側の人間だった。
実際、天野が事務局長に就任してからのIAEAはイランを脅威だとしていた。
天野の前任者であるモハメド・エルバラダイや2006年12月まで国連事務総長だったコフィー・アナンはアメリカの中東侵略に抵抗していた。
そこでアメリカは国連事務総長に韓国の潘基文を、IAEA事務局長に天野をそれぞれ据えたと言われている。
東アジア出身のふたりはアメリカの傀儡というわけだ。
その天野が今回、アメリカの指示に従っていなかったとするなら、その指示は非常に危険なものだということだろう。
アメリカの支配システム内部でイランへの攻撃に反対する声は弱くないことも事実。
その代表格が軍隊の中枢である統合参謀本部だと言われている。
アメリカ主導軍が2003年にイラクを先制攻撃する前もホワイトハウスのネオコンと統合参謀本部は対立、
ジョージ・W・ブッシュ政権が想定していた開戦日は1年ほど延期されたと伝えられている。大義がなく、作戦が無謀だったからだ。
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