ロシアのエネルギー会社ロスネフトは同社が扱っている全ての製品、つまり原油、石油製品、石油化学製品、液化天然ガスの契約は基本的にユーロを使うことに決めたという。
アメリカ政府が経済的な武器として使っている
ドルで決済するリスクを考慮してのことだと見られている。
ドルを決済に使う危険性は以前から指摘されていたことで、すでにロシアや中国はドル離れを進めてきた。
ロスネフトの決定は遅かったと言えるだろう。
ロシア経済に対し、親米派、あるいは欧米信奉派はまだ大きな影響力を持っているが、その影響かもしれない。
アメリカは第2次世界大戦で戦場にならず、産業は戦争ビジネスで大儲けし、裏では支配層がドイツや日本が占領地で略奪した財宝、いわゆるナチ・ゴールドや金の百合を手にする。
そうした富は強大な私的権力へと流れていった。
大戦後にアメリカは中国の植民地化を目指すが、失敗。
1949年に中華人民共和国が出現した。
そして1950年に勃発したのが朝鮮戦争。
この戦争でアメリカは勝てず、
矛先をベトナムへ向ける。
ドワイト・アイゼンハワーが大統領だった1954年1月、国務長官のジョン・フォスター・ダレスはNSC(国家安全保障会議)でベトナムにおけるゲリラ戦の準備を提案、それを受けてCIAはSMM(サイゴン軍事派遣団)を編成した。
その
ベトナムからアメリカ軍を引き揚げるように命令したジョン・F・ケネディ大統領が1963年11月22日に暗殺された後、リンドン・ジョンソン新大統領は本格的な軍事介入を開始する。
その戦争は泥沼化してアメリカは疲弊。
リチャード・ニクソン大統領は1971年8月にドルと金との交換停止を発表した。
それによってドルが金と公定価格で交換できるとう前提で成り立つブレトン・ウッズ体制は崩壊、世界の主要国は1973年から変動相場制へ移行した。
新制度で
ドルを基軸通貨として維持するため、いくつかの仕組みを作る。
そのひとつが石油取引の決済をドルに限定させ、産油国にアメリカ国債や高額兵器を購入させることで還流させる仕組み。ペトロダラーだ。
この仕組みの中心に据えられたのがサウジアラビアだった。
この役割を果たさせるため、アメリカはサウジアラビアなど産油国の支配層に対し、
彼らの地位と資産を保証する。
エネルギー資源の取り引きがドル以外の通貨で決済されるということは、このペトロダラーの仕組みが揺らぐことを意味する。
それはドル体制を揺るがし、アメリカの支配体制を崩壊させる可能性が高い。
そうした動きの中心にあるロシアは2015年頃から中国と戦略的な同盟関係を結んだ。
2014年にネオコンがロシアと中国に対して仕掛けたクーデターは両国を警戒させ、結びつけることになったようだ。
こうした展開を懸念する人がアメリカ支配層の内部にも現れたらしく、
2016年2月3日にヘンリー・キッシンジャーがモスクワを訪問してウラジミル・プーチン大統領と会談している。
その年にアメリカでは大統領選挙があった。
2015年の段階ではヒラリー・クリントンの当選で内定したと言われていたが、ロシアとの関係修復を訴えるドナルド・トランプが当選、そのトランプを引きずり下ろすために民主党や有力メディアは
ロシアゲートなるスキャンダルをでっち上げたわけだ。
2017年1月にトランプ政権はスタートするが、大統領の側近で安全保障補佐官に就任したマイケル・フリン元DIA局長は2月に解任され、その後のトランプ政権はネオコンに引きずられていく。
トランプの娘と結婚、大統領上級顧問に就任したジャレット・クシュナーはビジネスでジョージ・ソロスと関係しているのだが、ソロスはヒラリー・クリントンに対して電子メールで指示していることもわかっている。
ネオコンのネットワークは強力だ。
ロシアや中国を屈服させるため、ネオコンはカラー革命や経済戦争を仕掛け、全面核戦争で脅してきた。
アメリカの核攻撃に対する対策をロシアは持っているが、中国にはない。
そこでロシアは中国のミサイル早期警戒システムの開発に協力しているとプーチン大統領は語った。
アメリカと中露がつばぜり合いを演じている場所のひとつが朝鮮半島。
この地域に平和を望む政権をアメリカが潰そうとすることは容易に想像がつく。
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