スクリバリ親子の出来事を口実に 米英を批判した アッサンジが逮捕される可能性
ロンドンのエクアドル大使館にいるWikiLeaksのジュリアン・アッサンジは今年(2018年)3月から外部との接触を断たれているが、ここにきてイギリスかアメリカの当局へ引き渡されるのではないかという話が流れている。
イスラエル関連の重要な情報が出てこないのは不自然だという批判もあるが、権力システムによって隠されていた情報を外へ出す手助けをしてきたことは事実だ。
だからこそ、アメリカやイギリスの政府はアッサンジが外を自由に歩けないような状況を作り出した。
そのアッサンジに避難場所を提供した
エクアドル政府だが、今では彼がインターネットへ接続できないようにし、面会だけでなく電話で外部と接触することも禁止している。
アッサンジが最後に外部へ発信したのは3月下旬だ。
その月の1日、ロシアのウラジミル・プーチン大統領は自国やロシアの友好国が国の存続を揺るがすような攻撃を受けた場合、ロシア軍は攻撃してきた拠点を含めて反撃すると宣言したが、
その3日後にイギリスで神経薬物の騒動がはじまる。
ソールズベリーで倒れているセルゲイ・スクリパリとその娘のユリアが発見され、近くの病院へ入院したのだが、テレサ・メイ英首相はその原因を「ノビチョク(初心者)」だと断定、ウラジミル・プーチン露大統領が主犯だと主張してきた。
ドナルド・トランプ米大統領などもそれに同調する。
ノビチョクとは1971年から93年にかけてソ連/ロシアで開発されていた神経物質の総称で、ロシアでこの名称が使われることはないと指摘する人もいる。
イギリス政府がこの名称を使った理由はロシアとの関係を
強調したいからだった可能性が高い。
使われた化学物質はA-234という神経物質だとも言われているが、
旧ソ連では2017年までにこうした物質や製造設備は処分された。
真相が明らかにされたとは言い難い状況なのだが、そうしたことを気にすることなく、イギリス政府は3月14日にロシアの外交官23名を国外へ追放する。
26日にはアメリカ政府がロシアの外交官60名(大使館のスタッフ48名と国連に派遣されているメンバー12名)を国外へ追放、シアトルのロシア領事館を閉鎖すると発表した。
セルゲイ・スクリパリはGRU(ロシア軍の情報機関)の元大佐だが、1990年代にイギリスの情報機関MI6に雇われた
二重スパイ。
この事実が発覚してい2004年12月にロシアで逮捕され、06年に懲役13年が言い渡されている。
2019年まで刑務所に入れられていた可能性があるのだが、10年7月にスパイ交換で釈放され、ソールズベリーで本名を使って生活を始めた。
セルゲイはロシアにとって過去の人だ。
親子が発見されたという現場から13キロメートルほど離れたポートン・ダウンには
イギリス政府のDSTL(国防科学技術研究所)があり、今でも化学兵器が製造されている。
今回のケースではここで薬物について調べられたのだが、
元ウズベキスタン駐在イギリス大使のクレイグ・マリーによると、
そこの科学者は使われた神経ガスがロシアで製造されたものだと特定できなかったと語っているとしていた。
この情報が正しいことは、DSTLのチーフ・イグゼクティブのゲイリー・エイケンヘッドがスカイ・ニューズの取材で確認している。
米英両国政府への疑惑が膨らむ中、4月9日にユリアは退院、当局の「保護下」にあるというが、ロシア大使館だけでなく、
彼女の家族や親戚も連絡が全くとれない状況にある。
ロシアに住むユリアの従姉妹ビクトリアはふたりを心配してイギリスへ行こうとしたが、ビザが下りなかった。
イギリス政府がユリアの身の危険を感じているのだとしても、安全を確保する方法はある。
そこで言われているのは、
スクリパリ親子は拉致されたのではないかという疑いだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201805140000/