欧州議会は1月31日、ベネズエラの大統領を選挙で選ばれたニコラス・マドゥロから勝手に大統領を名乗り始めたフアン・グアイドへ交代するべきだとする決議を可決、
EU加盟国は決議に従うように求めた。ベネズエラのクーデターを支援すると宣言したのだ。
欧州議会は選挙で選ばれた議員によって構成されているが、EUの政策を決定しているのは欧州連合理事会。
つまり欧州議会は民主主義を装うための飾りに近い存在だ。
堀田善衛はEUの前身であるECについて
「幹部たちのほとんどは旧貴族です。
つまり、旧貴族の子弟たちが、今ではECをすべて取り仕切っているということになります」(堀田善衛著『めぐりあいし人びと』集英社、1993年)としているが、これは欧州連合理事会の説明としても通用するだろう。
今回の決議は各国で実施された選挙の結果をEUは否定することができるという宣言であり、
EU加盟国に対しても適用できる。
自分たちがアメリカと同じ世界帝国になったということなのか、アメリカ支配層の決定に従うという従属宣言だということなのだろう。
アメリカやEUの支配層によるベネズエラの体制転覆工作には大きな問題がある。
経済戦争を仕掛けてきたが、ロシアや中国は支えてきた。NATO加盟国のトルコもマドゥロ政権を支持している。
昨年12月12日に2機のTu-160戦略爆撃機をベネズエラへ派遣し、同国軍のSu-30戦闘機とF-16戦闘機とカリブ海上空を約10時間にわたって飛行させたロシア政府が軍事介入するかどうか不明だが、
ベネズエラ軍はアメリカ政府の命令に従うようには見えない。
特に特殊部隊は侵略軍に対するレジスタンスの準備をしていると言われている。
国民の大多数もマドゥロを支持している。
つまり、グアイドを支持しているのはベネズエラの富豪たちや欧米の支配層にすぎない。
石油の埋蔵量はサウジアラビアを上回ると言われているベネズエラをアメリカの支配層は支配したいのだろうが、容易ではない。
ベネズエラがイラク、シリア、リビアのような状態になった場合、アメリカ自体が不安定化する。
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