ベネズエラの白人優越主義がトランプ・クーデターの鍵
2019年2月8日
グレッグ・パラスト
1月23日、ドナルド・トランプからの電話のすぐ後、前ベネズエラ国民議会議長フアン・グアイドが、自ら大統領だと宣言した。
投票なしで。ドナルドから公式に承認される時、誰が選挙を必要とするだろう?
はぁ?
ベネズエラで何が起こっているか、私は3枚の写真で説明することができる。
一枚目、ニューヨーク・タイムズに堂々と掲載された、妻と子供と一緒のベネズエラの自称(そしてトランプも宣言した)大統領フアン・グアイドの写真がある。
二枚目、国民議会、グアイドの党の集合写真、雪のように白い議員たち
特に、彼らと政治的に反対の、当選したニコラス・マドゥロ大統領を支援する議員たちの3枚目と比較すれば
マドゥロ支援者、ほぼ全員、肌の色がもっと濃い。
これがニューヨーク・タイムズ記事が、アメリカの他の体制派マスコミも語らない、
ベネズエラの黒と白の物語だ。
今年のいわゆる大衆反乱には、その核心に、貧しい(混血の)より多数派のメスティーソが、彼らに置き換わっていることに対する、より白い(そしてより裕福な)ベネズエラ人の激怒の反発があるのだ。
自分の祖先はヨーロッパ人だと考える人々による4世紀にわたる
ベネズエラの白人優越主義は、
過半数のメスティーソによる圧倒的支持で勝った
ウゴ・チャベスの1998年の当選で終わった。
白人優越主義からのこの転換は選挙で選ばれたチャベス後継者マドゥロの下で続いている。
2002年に始まったBBCのチャベスと私のインタビューで、彼が堂々と誇らしげに身につけているレッテルである見るからに
「ニグロでインディオ」の肌色が濃い人間に追い出されるのを目にした白人支配階級の激怒についてユーモアたっぷりに語った。
貧しい人々はなぜチャベスを愛したのだろう? (愛は余り強い言葉ではないが。)
驚くほど誠実なアメリカCIAのワールド・ファクトブックさえこう述べている。
「チャベス政権時代のベネズエラに対する社会的投資が、1999年のほぼ50%から、2011年の約27%まで貧困を減らし、就学率を高め、幼児、子供の死亡率を大きく減少し、社会的投資を通して、飲料に適した水の利用と公衆衛生を改善した。」
加えるべきは、アメリカより、更に人種と貧困が結びついていることだ。
だが2013年に、マドゥロが大統領に就任すると、石油価格は崩壊を始め、石油で支払っていた膨大な社会福祉プログラムは、借金と札の印刷で支払わなければならず、途方もないインフレーションを起こしている。
経済的衰退は、今ベネズエラのための国連報告者が「中世の包囲攻撃」になぞらえたものにより、もっと極端に悪くされる。
トランプ政権は、ベネズエラを、最大顧客アメリカからの石油輸出収益から切り離した。
皆が経済的に傷ついているが、特権階級の銀行預金口座はほぼ無価値になった。
混血の人々の大多数は、彼らの偉大な白人の希望グアイドを選ばないことを知っている腹を立てた白人の金持ちは街頭に繰り出した -
しばしば武装して。(そう双方が武装している。)
私はこの映画を前に見ている。
ベネズエラ左翼政府のいわゆる「独裁」に反対する大規模デモの現在のニュース報道を見ると、BBCテレビ用報道で、私が初めてカラカスに入った2002年に酷似している。
当時、ニューヨーク・タイムズやNPRやアメリカの他の主流マスコミが、何万というベネズエラ人がチャベス辞任を要求しているのを見せ、チャベス政府に反対する行進と報じた。
だが私がBBC写真班を引き連れて、これら抗議参加者と一緒に行進した際、彼らは明らかに
色白の少数人種だった。
彼らは裕福な人たちでもあり、彼らは人がそれを知るよう望んでいた。
女性の多くがハイヒールで行進し、男性は彼らの特権階級のユニフォーム、ビジネススーツを誇らしげに見せびらかしていた。
チャベス支持者は愛国的な黄、青、そして赤のTシャツ、スニーカー、ジーンズを身につけていた。
人種は政治哲学と同じぐらい極めて重要だ。
私が反政府デモ参加者と一緒に行進した時、彼らは「チャベス、猿!」やら、もっと酷いことを叫んでいた。
この偏見は継続している。
ニューヨーク・タイムズは、これまでの一週間、マドゥロ支持派デモの写真を掲載しなかった。
だが見つけにくい写真や現地の同僚からの報道では、チャベス主義派のデモはより大きく、カラカスの高級住宅地だけでなく、いくつかの都市でも多数が参加している。
いくつの欧米報道機関が今日
アメリカが支援するクーデターに抗議するベネズエラでの大規模行進を報じただろう-
我々は、これがアメリカ政府がベネズエラで選出された政府を打倒しようとした初めてのことではないことを想起しなくてはならない。
グアイドは、大統領選出馬を、ベネズエラ国民からは得られないトランプと同盟者による「承認」で置き換え、
選挙という考えを完全に省略したのだ。
そう石油。常に石油だ。ベネズエラには差し押さえるべきものが多いにある。世界最大の石油埋蔵。
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