タカちゃんの絵日記

何気ない日々の感動を、スケッチと好きな音楽と、そして野鳥写真を。。。

~忘却とは忘れ去ることなり。 忘れ得ずして忘却を誓う心の悲しさよ。~

2015-11-20 | その他

毎回、『忘却とは忘れ去ることなり。 忘れ得ずして忘却を誓う心の悲しさよ』の有名なナレーションで始まる

ラジオドラマ『君の名は』、は1952年に始まったNHKラジオドラマですが、翌年には主演:佐田啓二、ヒロイ

ン:岸恵子で、松竹映画社が制作しています。

ラジオも映画も公開当時、私は大人のドラマが何たるかも分かるはずもなく、聞いたことはなかったのに、妙

に記憶に鮮明なのは、年長の兄や姉からの刷り込みなのか、それとも、後年映画を見た際の、印象なのか

定かではありませんが、確かに「ラジオドラマが始まる時間帯になると、女湯が空になる。」と言われ、ヒロイ

ン:真知子の ‘真知子巻き‘ (マフー)が大変な人気であったことはよく覚えています。

さて、昨日レンタル店で映画を物色中、目に留まったのがこの映画「君の名は」で、「懐かしいな~」りて見

ようかと、思い立った次第です。

主演の佐田啓二が後宮春樹を、ヒロインの岸恵子が氏家真知子を演じるメロドラマです。

純な愛の物語なのですが、男女のすれ違いを巧みに描き、「ドラマは、これから一体どうなっていくのだろうか

?」との、視聴者心理を巧みに突いた筋立てとなっています。(たしかに戦後、娯楽の少なかった時代のラジオ

ドラとしては、出色の脚本によるドラマかと・・・)

~あらすじは~

昭和20年5月24日の空襲の中で、偶然に出会った若い男女が、戦火の中を手に手をとって逃げ惑い、防空壕

で一夜を明かします。

そして別れる際に、銀座の数寄屋橋の上で、春樹が「もし生きていたら、半年後の24日にここでお逢いしませ

か。」と聞き、女性も「ええ、もし生きていたら・・・」と応えて去っていく。

女性の後ろ姿に『君の名は・・・?』と尋ねるのだが、空襲のサイレンが鳴り響き、慌ただしい喧騒の中で、お互

いに名乗れないまま別れて行きます

・・・半年後の再会の日、真知子は空襲で親を亡くし、親戚の叔父を頼って佐渡へ渡る船上から、遠い東京を

詰めていました。

一方、春樹は約束の数寄屋橋へ行き、真知子をひたすら待ち続けるのですが、真知子は遂に現れません。

映画は、北海道から九州まで西に東に舞台を移しながら、男女それぞれの人生の紆余曲折を経ながら、展開し

て行く。

1日違いで約束の場所へ行けなかったり・・・やっと会えた時には、真知子が結婚式を明日に控えていたり・・・次

に再開する時には身ごもっていたり、夫の策略で遠ざけられたり・・・

ストーリーは至って単純なのだが、徹底した「すれ違い」を軸にストーリーは展開される。

いかにも戦後間もない恋愛映画らしく、この時代の、真っ正直で純朴な日本人の‘愛‘が描かれた映画である。

ただこの映画、一部作から三部作まで観賞するには、相当の時間を要するので、その点はご承知置きを

主演の佐田啓二は、『喜びも悲しみも幾歳月』など、当代随一の売れっ子スターであったが、事故で38歳とい

う若さで世を去っている。

ちなみに中井貴一、貴恵の父君でもある。(当然のことながら中井貴一は、父親そっくりになって来た。)

今日も、良い一日であります様に

「君の名は」~森昌子

 


 

 


最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは^^ (kao)
2015-11-20 15:01:34
真知子巻と岸恵子さんは
私も存じています。
岸恵子さんの「ベラルーシのリンゴ」という
えっせいが実家にありました。
母がファンだったようです。
私もよんで、美しい文章を書く方だなと
思い、横溝せいしの映画での岸恵子さんを
拝見し、あの文章に似つかわしい美しい方だな
と思いました。ドラマは見たことないのですが・・・
最高の娯楽でしたでしょうね^^
いつかチャンスがあったら拝見したいものです。
返信する
「真知子巻き」 (ゴマメのばーば)
2015-11-20 17:30:36
「君の名は」懐かしいドラマです。
姉が買った、けっこう値段の張るマフラーを、そっと持ち出して、「真知子巻き」にして街へ出かけたところ、風にあおられて、飛ばしてしまいました。
運悪く、ドブに落ちてしまい、姉から大目玉を。
佐田啓二は いい男でしたし、岸恵子は、悔しいばかりの美人でした。
返信する
こんばんは。 (sakurabana)
2015-11-20 20:36:23
忘却とは。。。有名ですよね
残念な事に映画もラジオ放送も知りません
テレビや雑誌などで「君の名は」の事はぼんやりと知ってます
岸恵子さんの知的な美しさ なんともいえない美しさですね^^
レースのストールもとってもいい感じで。。
忘却を使う心の。。。切ないですね~。
返信する
kao さん、こんばんは~ (takaちゃん)
2015-11-20 22:08:07
ベラルーシの林檎 ですか、そのェッセイ
今度図書館で読んで見たいと思います。
真知子巻き は、岸恵子がこの映画撮影時、
寒くて巻いていたストールスタイルを、映
画でも使った様です!
マフラー一つでも、女性の方はファッショ
ンとして、上手く取り入れますね。
オードリーヘップバーンの使い方も優雅な
ものでした。
菊田一夫の脚本が良かったですね。
返信する
ば~ばさん、いらっしゃいませ! (takaちゃん)
2015-11-20 22:22:18
「君の名は」の真知子巻き、真似て、、、大失敗でしたか。でもそんなおちゃめなば~ばさん、是非、是非見てみたかったですねー。
きっと、よく似合っていたことでしょう!
佐田啓二はキリッとしたいい男で、岸恵子は、
ほんとうに綺麗な女優さんでした。
返信する
sakurabanaさん、映画見られませんでしたか、 (takaちゃん)
2015-11-20 22:54:22
私も随分後になってから、映画を観ました。
他に、佐田啓二さんは、「喜びも悲しみも幾歳月」は、印象深い映画でした。
岸恵子さんは、知的な感じの正統派の女優さん
でね。
返信する

コメントを投稿