固定資産税

固定資産税について、実務経験を基に具体的にわかりやすく説明。

境界未確定(筆界未定地)

2023-06-05 | 固定資産税

境界未確定(筆界未定地)

 土地と土地の境界には、筆界所有権界の二つの概念が有ります。

 ① 筆界:登記所の土地の登記簿に記載されている土地同士の境界(不動産登記法・第123条第1号)です。
 ② 所有権界:互いに接する土地において、その土地所有者同士のそれぞれの所有権同士の境界(民法・第206条)です。
   その土地所有者同士の合意が有れば、変更は可能です。


湯沢町と十日町市との未確定境界線、新潟地裁判決

新潟地方裁判所は、6月5日(月)に、新潟県南魚沼郡湯沢町が、湯沢町と新潟県十日町市との未確定境界線の修正を求めていた裁判について、湯沢町と十日町市のそれぞれの主張の一部を認める判決を言い渡しました。

この裁判の訴状に拠ると、新潟県南魚沼郡湯沢町は、湯沢町の北部の高津倉山(標高1,180.9m)と高石山(標高1,525m)の間の十日町市との未確定境界線の約5㎞を確定することと、高津倉山(標高1,180.9m)の北側約1.5㎞の既存の境界線を、現在の十日町市に当たる西側に移動する修正を求めていました。

新潟地方裁判所の島村典男裁判長は、高津倉山(標高1,180.9m)の南側については十日町市の主張する境界線を確定し、高津倉山(標高1,180.9m)の北側については湯沢町の主張する境界線を確定する判決を言い渡しました。

なお、この裁判の判決が確定すると『ガーラ湯沢スキー場』のリフトの一部が新潟県南魚沼郡湯沢町に立地していることとなり、これに係る固定資産税(地方税法・第341条)課税権が十日町市から湯沢町に移動することとなります。

因みに、この裁判の係争地は、元々新潟県南魚沼郡湯沢町と旧新潟県中魚沼郡中里村(2005年(H17年)4月1日に十日町市と合併)との間で協議されていたもので、2020年(R2年)4月に湯沢町が新潟地方裁判所に訴えを提起していました。
不動産登記法(平成16年6月18日・法律第123号/改正令和4年6月17日・法律第68号)

  第6章 筆界特定
   第1節 総則
 (定義)
第123条 この章において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
 一 筆界 表題登記がある一筆の土地(以下単に『一筆の土地』という。)とこれに隣接する他の土地(表題登記がない土地を含む。以下同じ。)との間において、当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた2以上の点及びこれらを結ぶ直線をいう。
 二 筆界特定 一筆の土地及びこれに隣接する他の土地について、この章の定めるところにより、筆界の現地における位置を特定すること(その位置を特定することができないときは、その位置の範囲を特定すること)をいう。
 三 対象土地 筆界特定の対象となる筆界で相互に隣接する一筆の土地及び他の土地をいう。
 四 関係土地 対象土地以外の土地(表題登記がない土地を含む。)であって、筆界特定の対象となる筆界上の点を含む他の筆界で対象土地の一方又は双方と接するものをいう。
 五 所有権登記名義人等 所有権の登記がある一筆の土地にあっては所有権の登記名義人、所有権の登記がない一筆の土地にあっては表題部所有者、表題登記がない土地にあっては所有者をいい、所有権の登記名義人又は表題部所有者の相続人その他の一般承継人を含む。
 ---以降、省略---

民法(明治29年4月27日・法律第89号/改正令和4年12月16日・法律第102号)

  第3三章 所有権
   第1節 所有権の限界
    第1款 所有権の内容及び範囲
 (所有権の内容)
第206条 所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。
 ---以降、省略---

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