固定資産税

固定資産税について、実務経験を基に具体的にわかりやすく説明。

抵当権と差押

2010-10-29 | 固定資産税
■ 抵当権
 抵当権とは、債権者が債務者に対する自己の債権を確保するために、債務者の不動産や権利(地上権及び永小作権)に対して、引渡しを要しない担保物権です。(⇒民法第369条)
 すなわち、抵当権は、質権とは異なり、占有の移転が伴わないため、債務者(所有者)は、抵当権成立後も引き続き使用したり、収益をすることが出来ます。
 また、抵当権は、同一のものに対して重ねて設定することが出来、この場合の抵当権の優劣は登記の順序によります。
債権者 抵当権者
債務者 抵当権設定者
 なお、抵当権は、抵当権設定者(債務者)と抵当権者(債権者)との間で締結される抵当権設定契約によって設定され、登記されます。
 この場合、抵当権設定者(債務者)によって『抵当権設定登記』を行い、抵当権は登記簿の乙区に記録されます。
 (登録免許税=(債権額・極度額)×0.4%)
 また、抵当権の消滅は、被担保債権の全部について、弁済があった場合です。

■ 差押え
 差押えとは、抵当権者(債権者)の権利の実現の為に、国が抵当権設定者(債務者)に財産(不動産、動産及び債権)の処分を禁止することです。
 差押えは、原則として強制競売開始が決定された時に、裁判所書記官によって差押えの嘱託登記されます。(⇒民事執行法第48条)
 この場合、差押えは登記簿の甲区に記録されます。
 また、差押えには、時効の中断効果があります。(⇒民法第147条)

 更に、公租公課の滞納に拠る国、都道府県及び市町村などの滞納処分としての差押えがあります。
 これは、国税徴収法第47条に基づいて行われるもので、公租公課には自力執行権が認められているからです。
 なお、抵当権などの担保権が設定されている場合は、公租公課の法定納期限と担保権の登記受付日を比較して早い方が優先されます。
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