ICANまにらブログ~第二巻~

日本のNGOアイキャンまにら事務所の日記。

マグロ問題と子どもたちの関係

2010年06月23日 | ジェネラルサントスの子どもたち
たくや@ミンダナオ


【ジェネラルサントスの中心部に位置するマグロ公園】

前回の記事 『大学入学おめでとう!』 では高校を卒業して大学に入学することが出来たアイキャン奨学生アルジュン君を紹介しました。しかし、ジェネラルサントスには進級や卒業を迎えることの出来ない子どもが多くおり、その数は上昇傾向にあると言われています。

例えばアルジュン君の友達、ブライアン君は昨年まで高校2年生として学校に通えていました。成績優秀でスポーツ万能、そして何よりも5人の弟妹のことを第一に想う、頼もしいお兄さんです。お父さんはマグロを専門とする遠洋漁業の漁師で、一度漁に出ると2ヶ月は家に戻ってきません。父親の漁が長引き、家にお金がなくなると家族のために働くのはブライアン君です。これまでは土日など学校がない日に建設現場で働いて父親の留守を守ってきました。

しかしここ数年、世界的にマグロ漁を規制する動きに伴い、ブライアン君の父親の漁業地域や漁獲量は制限され続けています。

その結果、昨年頃からブライアン君の父親は海に出ている期間が長くなると同時に漁獲量が減り収入も減っていきました。ブライアン君は次第に学校を休んで仕事を優先せざるを得ない状況になり、ついに昨年10月に学校を中退しなければならなくなりました。


【漁師が休業し、多くの船が停泊している漁村】

ジェネラルサントス市の漁港は日本のODAによって建設されるなどして、その経済はマグロ漁に大きく依存させられてきました。そのため、マグロを守ろうとする世界的な動きと同様に、ジェネラルサントスの人々もマグロ保護には賛成です。しかし国レベルで決められた「漁獲量制限」や「漁業地域制限」という「規制」は、ジェネラルサントスの漁師のように元々立場の弱い生産者の更なる犠牲のもとに成り立っているのが現状です。


【ジェネラルサントスの漁港。水揚量の減少により今は一部しか機能していない】

アイキャンは子どもたちをはじめとする弱い立場におかれている人々の声に耳を傾け、その声を会報誌『子どもの声』やこのブログなどを通じて広く発信しています。彼らの声なき声が聞き入れらてはじめて皆にとって住みやすい社会が実現可能となるとアイキャンは信じています。

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