ICANまにらブログ~第二巻~

日本のNGOアイキャンまにら事務所の日記。

サバイタヨ・ユース 応急処置トレーニング ~スグレモノ三角巾!~

2008年03月12日 | ごみ処分場の子どもたち
ゆきも@まにら



先日3月7日にサバイタヨ(パヤタスの青少年活動)のユース(年長組)のメンバー12名が、応急処置トレーニングに参加しました。フィリピン赤十字の専門家を招いて1泊2日で行われた訓練の1日目は、三角巾による応急処置の方法を講義と実技を交えて行いました。



「三角巾」と聞くと、家庭科の授業や給食のおばちゃんを思い浮かべますが、このただの布は、身体のどの部分の負傷(傷の大きさや種類にも捉われない)にも対応できるかなりのスグレモノです。子どもたちは、2人1組になり、布の結び方、傷の覆い方、身体部分の固定の仕方、腕の吊り方などを、パートナーが負傷した設定で、何度も繰り返し練習していました。

  

ただ傷部分を覆って布を巻けばいいのでは、と思いきや、鎖骨に負傷した場合は、脇の下に三角巾をくぐらせ、骨への圧迫を避けるなど、ひとつひとつの行為に、意味があります。子どもたちは、なんで?なんで?とトレーナーのお兄さんに聞きながら納得して実技に真剣に励んでいました。この2日間のトレーニングは、最後に実技試験に合格すると、赤十字の発行する修了書が授与されるので、みんな必死です。



このような保健・医療に関するトレーニングに参加してきたのは、これまでCHV(コミュニティヘルスボランティア)の女性たちが主でした。しかし、今回、子どもたちが応急処置のスキルを覚えたい、と言いだした裏には、予期せぬ事故による仲間の死がありました。



子どもたちの中には、お母さんがCHVの子もいます。ケアセンターに行けば、いつも看護師のマデットや、週2回は医師だっています。でも、やはり、遊び仲間に何かあった時、「自分たちにできること」があったはず、という悔しい共通した体験を持つ子どもたちにとって、応急処置の知識を身につけることは、優先順位が高いものになったのでしょう。



ごみ山の周辺は、子どもがいとも簡単に命を落とす危険に満ち溢れています。それでも、子どもたちにとっては、貴重な遊び場であり、生活の場です。ICANでは、今後も、子どもたち自身の「できること」を増やす活動を応援していきます。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
悲しいですね。 (toyo)
2008-03-15 07:33:57
ゆきもさん。子ども達のこと、教えてくださって、ありがとうございます。自分達の仲間を喪って、何とかできなかったかって、応急処置を学びたいって、悲しいですね。悲しい現実の中で生きていかなければならない子ども達。その中で必死で生きている子ども達。そして、それを支えているゆきもさんや皆さん。
悲しくって、泣きたくなって、でも、自分には何もできなくて。。。でも、子ども達が自分で何とかしようと思ってくれて。。。。ありがとうございます。
返信する
こんにちはtoyoさん。 (ゆきも@まにら)
2008-03-17 18:53:51
toyoさん、はじめまして。わたしたちが子どもと接していて、「あ~、この子たち、悲しい現実の中に生きてるな」というのは、日ごろ接している中で感じることはありません。それは、わたしたちが、顔の見えるところで子どもたちと信頼関係を築ける位置で活動しているからかもしれません。子どもたちは、仲間を亡くした時でも、涙を流すスタッフを慰めてくれるほど強くて元気いっぱいでエネルギーに満ち溢れています。toyoさんも、そんな子どもたちからパワーをもらいながら、わたしたちと「ともに」活動しませんか?
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。