ICANまにらブログ~第二巻~

日本のNGOアイキャンまにら事務所の日記。

アイキャン日本人スタッフ研修

2010年09月20日 | 路上の子どもたち
さえ@まにら

アイキャン名古屋事務所、マニラ事務所、ジェネラルサントス事務所の日本人スタッフ、インターンが一同に集まり、ここマニラにおいてスタッフ研修が行われました。日本とフィリピンで4つの事務所に分かれて働いているため、こうやって合同研修を定期的に行います。

【アイキャン日本人スタッフ一同】

研修の目的は、フィリピンの他NGOの事業や、開発への知識と理解を深め、それぞれの役割の中で、アイキャンの事業に活かしていくことです。

①フィリピンのNGO A
 高齢者のための、高齢者による活動を実施しているNGOです。この団体が活動している1つのグループを訪問させてもらいました。このグループでは、高齢者グループのメンバーが地域の高齢者の健康管理を行ったり、病気やお葬式の時の補助、団体のための資金調達活動を兼ねたバレンタインパーティーなどを行っています。1人の女性のメンバーは、「参加する前は、家でとても孤独だっかけど、このグループに参加するようになって、人生がもう一度楽しくなった」と話してくれました。

 

②フィリピンのNGO B
 1995年、ケソン市のある地域において、住んでいる土地から立ち退きを命ぜられた住民たちが、土地の権利を買うために作ったグループです。グループとなることで、一定の広さの土地を買い取る交渉がし易くなり、土地を所有するオーナーとの交渉のテーブルに着くことが出来ます。
 この住民グループは、1ヶ月に1,000ペソずつ貯金し、土地購入資金を貯めることから始めました。そして、土地を所有するオーナーの家に雨の日も嵐の日も通い、長い年月をかけた値段交渉の末、土地売買の合意に至りました。
 
 
【土地の権利を買取り、区画整備後、貯蓄したお金で家を建てました。】

 マニラの3割の人が住む権利を持たないままに暮らしていると言われており、「立ち退き」は、とても大きな問題です。鉄道や道路、大きなデパートを作る等の理由によって、再定住地先へ移住させられます。

この日、改めて感じたことは、人々が集まり、協調行動を取ったときに生まれる「力」です。日本でも、地域の助け合いが大切だと叫ばれますが、フィリピンでは、もともと地域社会が密接で、助け合う風土があるため、人々が地域で何か変化を起こそうとしたとき、機能しやすい土壌があります。その地域の力を信じるアプローチ、それが私たちアイキャンのようなNGOが重視する地域開発の「組織(グループ)化」というものです。

地域住民はグループを作り、そのグループが自分たちの問題を認識し、それに対してどのように行動していくかを決め、実行する、それをファシリテートするのが私たちの役割です。アイキャンのパヤタス事業では、先日アイキャンから独立した、薬局とクリニックを運営する協同組合がそのグループにあたり、路上の子どもたちの事業においては、マニラ各地の路上の子どものリーダーから成るジャストワーカー(Junior Street Workers)が、それに当たります。

 路上の子どもたちのグループ、ジャストワーカー(Junior Street Workers)も、力を付けて自分たちの問題を認識し、それに対して行動し、社会に変化をもたらすようなグループとなるように、大切に育てていかなければ。自分たちの事業を離れ、客観的にアイキャンの事業を見つめなおすことができた日でした。


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