ICANまにらブログ~第二巻~

日本のNGOアイキャンまにら事務所の日記。

路上担当ソーシャルワーカー メアン

2009年08月28日 | 路上の子どもたち
さえ@まにら

今回は、路上の子どもたちのソーシャルワーカーとして、路上の子どもたちから絶大な信頼を得ているメアンの紹介です。メアンの担当する事業地3ヶ所の子どもたちは合計約100人。1人1人の状態にいつも気を配り、家族や勉強、人生のこと、いろいろな話をし、アドバイスをしてきました。路上担当になって6ヶ月を振り返っていろいろ聞いてみました。



さえ:「6ヶ月の路上の子どもたちとの仕事を振り返って、感想を聞かせてください。」

メアン:「この仕事は、毎日外を歩き回って、大勢の子どもたちに声が届くように大声を出して、子どもたちがケンカを始めたりと、毎日とても消耗するけれど、子どもたちは、いつも私たちにありがとうって言ってくれる。それが、何より嬉しいです。それから、子どもたちの笑顔は、本当にきれいなの。だからすぐに、疲れなんて飛んでいきます。」

さえ:「仕事の中で一番辛かったことは、何ですか?」

メアン:「5月に路上の女の子が交通事故で亡くなったのですが、そのときが一番辛かったです。いつも物売りをしている路上で、他の子どもたちと遊んでいる時に事故にあってしまいました。病院に行っても、もう手の施しようがない状態で、私たちはただ側についていることしか出来なかった。その時、そして今まで、彼女に対して何をしてあげられたのか、私はベストを尽くしかってすごく自問しました。」

さえ:「一番嬉しかったことは、何ですか?」

メアン:「私が、本当に子どもたちに対して役に立てたと思える仕事をした時です。その女の子が亡くなって、家族は精神的、経済的に落ち込みました。女の子も路上で物売りをしていたので、その子の分の収入の減少と家族の精神的なダメージの影響による収入の減少、亡くなった女の子の妹は、学校を続けていけるかいけないかという、とても厳しい状況に置かれました。

ICANは、子どもたちに対して学費や学用品の提供による通学支援もしています。その制度を利用して、彼女の通学支援を決めました。家族から、その子からとても感謝され、私自身も本当に役に立てる仕事が出来たととても嬉しかったです。」

さえ:「最後にメアンの目標は何?」

メアン:「No more children in street(路上から子どもたちがいなくなることです)」。



メアンは、路上活動の後に、「今日の活動はどうだった?」と他の路上の担当スタッフにいつも尋ねます。改善すべき点、よく出来た点を確認し次回の活動に活かしています。その前向きな姿勢は、子どもを亡くして辛い思いをした経験から来ているようです。

路上で生活する子ども、路上で物売りや物乞いをする子どもたちがいなくなる、その日が早く来るように、今日もメアンは自分に問いかけます。「私は、子どもたちのためにベストを尽くしたかしら」と。

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