ICANまにらブログ~第二巻~

日本のNGOアイキャンまにら事務所の日記。

ミンダナオ平和使節団@大統領府での約束。

2008年09月13日 | 紛争地の子どもたち
ゆきも@まにら

昨日、マラカニアン宮殿での大統領との面会を控えた午前中、ミンダナオ平和使節団の一員でBantay Ceasefire:「市民の停戦監視団」のメンバーでもあるBapa Jose Akmadさんに出逢いました。以下、Akmadさんからミンダナオの外で生きる私たちへのメッセージをお届けましす。

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「わたしたちは、避難民の声を届けるためにここ(首都)に来た。実際に空襲やいつ起こるか分からない焼き討ちや、銃撃戦に身を震わせて暮らしている人々の気持ちでは、そこに生きる人にしか分からない。フィリピンの外から来たあなたたち(日本人)には、わたしたちの住むミンダナオ島の紛争がどのように伝えられているのか私には分からない。でも、ミンダナオ島の人々すべてが戦いを望んでいる訳ではないし、私たちのような大多数は、毎朝、安心して自分の家で目を覚ます平和が来ることを望んでいることを知ってほしい。外国の政府にも、フィリピン国内で何が起きているのか監視し続けてほしい。そして、これ以上自国の政府により殺されるフィリピン人が増えることに歯止めをかけるように協力してほしい。」

最後にAkmadさんは、「でも、今わたしが一番恐れていることは、爆撃よりも、子どもや母親を殺されたモロの人々が政府や罪のないキリスト教徒への怒りや憎悪を自制することができなくなり、同じ過ちを繰り返して、怒りの油に火を注ぐことだ。理性を完全に失い感情が爆発してコントロールが効かなることがもっとも恐ろしいことだ。わたしも感情的にならないように必至なんだ。」と付け加えました。



昨日の午後2時間半に及ぶミンダナオ平和使節団とアロヨ大統領の対談の中で、同大統領は、「ラマダン(断食月)が明けるまでは、空爆は繰り返さない」、と約束を交わしました。

「平和を望む大多数の人々が避難民となり、少数の戦闘の継続に火を付けた人びとは、安全な水を飲めるだけでなく、冷たく冷えたサンミグ(フィリピンのビール)を飲んでいる。(避難所では安全な飲み水がない。)」との言葉が印象に残りました。

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ICANはこの度のミンダナオ島北コタバト州での紛争再開において、現地カウンターパート団体バライとともに緊急人道支援事業(ピキット避難民、集落への帰還民と「ともに」行う平和構築活動)を実施することを決定いたしました。
現在、避難民・帰還民の現状調査と治安状況を見極めながら、事業開始の準備にとりかかっています。

事業内容の詳細はこちらを。
http://blog.goo.ne.jp/icanmanilaoffice/e/4a0725d4279ee56821a8347cb16889b6


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http://www.mindanews.com/index.php?option=com_content&task=view&id=5153&Itemid=50