ICANまにらブログ~第二巻~

日本のNGOアイキャンまにら事務所の日記。

ジェンサン給食事業 ~給食ではお腹いっぱい食べれるの~

2008年09月05日 | 先住民ブラアンの子どもたち
まい@まにら。

先日お伝えしたように、着々と菜園が進んでいるダアン・バンワン小学校ですが、今日はそこで給食に参加している一年生の女の子、クリスティーンちゃんのストーリーをご紹介します。


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クリスティーンちゃんは細身で恥ずかしがり屋の女の子。6人きょうだいの5番目です。また、現在お母さんは妊娠していて、家で家事と育児をしています。お父さんは小作人として他の雇い主の畑で農業をしており、とうもろこしなどの野菜を作っています。

クリスティーンちゃんの家は竹で編んだ壁と床でできています。部屋は一部屋しかなく、この部屋が家族の寝食、遊びの場となります。家にトイレはなく、器に用を足したら近くの湖に流します。水浴びも、洗濯も、食器を洗うのも同じ湖で行っていますが、飲み水は他の湧き水を汲んできます。

普段はお母さんの手伝いをするために、家の周りの掃き掃除や水汲み、週末、学校がないときにはきょうだいの面倒を見ます。彼女も、きょうだいも自分の服というものはなく、下着も、ズボンもスカートもブラウスも全てきょうだいと共有しているそうです。そして、学校や教会に行くときだけきれいな服を着ます。

家では、たまに一日に二食お米を食べることもありますが、ほとんどは一日に一食朝か夜かどちらかしかお米を食べません。そしてお昼は大体バナナやサツマイモを蒸してお米の代わりに食べます。


クリスティーンちゃんは朝7時、学校の先生達が来る前に学校に到着します。質問されたらちゃんとみんなの前で発表をしたり、簡単なアルファベットの読み書きもできます。担任の先生によると、彼女は覚えるのに多少時間がかかりますが、全ての授業で一生懸命取り組んでいます。授業には毎日出席していますが、これまでに2度ほど家で食べるものがなく学校を欠席しました。




『鶏肉が食べれるのは給食だけだし、その他のおかずもおいしいので毎日給食があったらいいなぁと思います。そして何より給食ではいつもお腹いっぱい食べられるので嬉しいです。』


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このダアン・バワン小学校を含め、ICANが給食事業を行っているミンダナオの小学校では、クリスティーンちゃんのように家でも食べるものがなくて学校に行っても元気がなく、授業に集中できない子ども達も多くいます。また、それが原因で学校を休みがちになったり、辞めてしまう子もいます。ICANでは、給食授業を通して、子ども達の通学意欲を高め、ひとりでも多くの子どもたちが落第することなく卒業の日を迎えられるように目指しています。