Takekida's log

千里の道も一歩から

天才の叡智を武器に

2020-05-30 22:01:47 | Books
天才科学者はこう考える―ジョン・ブロックマン (著), 夏目 大 (翻訳), 花塚 恵 (翻訳)
 進化は突然変異(もしくは遺伝子のコピーエラー)からおこるという観点からすると人間社会におけるある意味異質な「天才」の存在は特異点を作り出し、進化する一助になっているのは間違いないことだと思います。この本は各分野における天才or第一人者と言われる人達の思考のに触れることのできる本でなんと151もの視点がカバーされています。もちろ専門分野に深く切り込ん●だ本ではないのであくまでさわりだけということにはなりますが第1戦で働く人たちのこれだけの多様な視点を集めた本というのはなかなか見たことがなく各人のエッセイは2p-6p程度なので興味を持った項目をさっと読めるところも好印象です。(本は分厚いですが)
 
〇微生物が世界を動かす:人間の進化の遺伝子の組み換えが起こったのは微生物のいたずら。約100万もの細菌がいる単一の菌種のゲノムを個々に解析するのではなく、大量の細菌集団のゲノムを検証する必要あり。
〇失敗を許される環境があることで成功する確率が上がる。:挑戦する数自体も増える+成功する可能性が増える確率的な問題。
〇なぜアメリカ人は幽霊を信じているか:二重盲検対照実験 が普及していない懸念、擬似薬有無の実験+完全擬似薬与えを一緒に実験して効果確認すべき。
〇小さく分けてもわからないものがある:BtmUpで出来ている機械は良いが脳のようにここのふるまいだけを追いかけてっていても意味が見いだせず確率論や統計解析が功を奏する分野もある。
〇別世界を想像できると謙虚になれる:個々の生物だけが感じている環境を環世界というが蜜蜂が紫外線を見ることが出来たり蛇が赤外線を見ることが出来るというのを考えれば自身の感覚で感じることが出来ないことが認識できればあまりにも人間の感覚で感じる小野が限られているという観点から謙虚になることが出来る。
〇10のべき乗が地球、宇宙のサイズ感を作っている。脳の白質と灰白質の割合。また人間の一生は10の19乗。太陽が輝いてられるのは10の17乗
〇科学者が「美」を学ぶべき理由は再帰構造。 海岸線でも同じようなパターンが繰り返されたりしているが人間の建築物にもこの再帰構造はみられている(ゴシック様式でのトレーサリーなど
〇なぜタクシー選手の脳は成長し続けるのか:特定の領域を日常生活で鍛えれば何歳からでも脳は大きくなるしその刺激は脳内でのシミュレーションでもOK。
〇世界の2面性:光の粒子と波としての性質の融合はデュアリティと言われる。量子効果はすでにフラッシュメモリなどでも用いられている。ともあれ一つの物理現象は1つの原理では説明が十分でない場合もあることを意識する必要あり。
〇人間がデータレコーダー化している:SNSなどの投稿は自己のアイデンティティをWeb上で消える刻んでいることに等しい。
〇スケールが変わると直感が働かなくなる:人間の脳は不連続なモノには弱い。(相転移が例)
〇制約があると創造性が向上する
〇高品質でなく低品質が求められる可能性:カコノミクスという言葉で表される。あえて取引が低品質で行われることで両者が満足する状況。
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