Takekida's log

千里の道も一歩から

生成AIは神か悪魔か?

2024-04-20 21:38:06 | Books
 

生成AIで世界はこう変わる (SB新書)  今井 翔太 (著) 

 ここ数年での生成AIの台頭は新たな歴史の潮流を感じられるものでした。生成AIに関して松尾研究室の今井さんが23年11月時点での情報でまとめられた本ですが現状を俯瞰し、未来を予測した内容となっていて非常にわかりやすい内容です。 特にChatGPTも含め生成AIが台頭してくるまではどちらかというとAIは単純作業を置き換えるツールの一つというとらえ方がされていましたが2023年にまとめられた論文ではブルーカラーのような手足を動かす仕事こそAIが置き換えにくいとされていて学者の一部も含めた知的労働者の方が職を失う方向に分類されています。これはAI自体が非定型作業や創造性を発揮するような仕事に対しても対応可能という見込みが現時点の生成AIの進化で見えてきたからこそと言えそうです。まだまだ不自由な部分はあるものの進化のスピードは加速的な勢いがあります。まさかAIでイラストや音楽、動画、資料作成なども一般的にできるようになってしまうとは予測出来てませんでした。特に今は補完的な役割でより仕事の完成度を上げたり、カバー範囲を増やしたり、手が届かなかった調査を任せたりと第3の手的な効率化ツールとしての役割が大きくここら辺は科学技術などを通じた社会の発展には大きな武器となりそうです。実際に創作の定義という観点では紆余曲折があるのですが個人的には禁止するのでは無くうまく使っていく仕組みを作って活用していくしかないのかとは思います。 創造といっても今人間が行っているものも今までのベースからの発展や組み合わせというものが大多数を占めるわけなので芥川賞を受賞した九段理江さんも執筆に生成AIを使用したことを告白していることもあり、どこまでが人間独自のものなのかを考える時期で今後はAIと人間が協力して創作するのが普通になっていくのかと思います。 今こそ重要なのは使いこなす命令力とどこがキーとなるのかを見極める深堀力ということになるのでしょう。

第1章 「生成AI革命」という歴史の転換点――生成AIは人類の脅威か? 救世主か?
第2章 生成AIの背後にある技術――塗り替わるテクノロジーの現在地とは?
第3章 AIによって消える仕事・残る仕事――生成AIを労働の味方にするには?
第4章 AIが問い直す「創作」の価値――生成AIは創作ツールか? 創作者か?
第5章 生成AIとともに歩む人類の未来――「言語の獲得」以来の革新になるか?
特別対談 松尾豊×今井翔太 生成AI時代に求められるスキルとマインドとは?
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