Takekida's log

千里の道も一歩から

応仁の乱の魅力

2017-07-08 22:52:14 | Books
応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書)
クリエーター情報なし
中央公論新社


歴史本としてまさかのヒットを記録した応仁の乱。そもそもダラダラ続いた戦なのであまり人気のないイベントだったのですが書籍では奇跡的なヒットとなりました。イベントというと長くても1年ぐらいかと思ってしまいますが応仁の乱はなんと11年も続いており、正に室町末期の応仁時代と言っても良いくらいの長さです。ほとんどの日本人が実態を知らないこの大乱を、最新の研究成果をふまえながら実証的に検証、同時代に生きた興福寺の2人の高僧(経覚と尋尊)が遺した日記を通じて、やや客観的に戦乱に巻きこまれた人々の生態を描いているというのが特徴ですが実際に読んでみてやはりわかりにくい戦乱だったということがいえると思います。

細川・畠山の両派の大名対決から始まり細川氏が提携した山名と畠山の2大派閥対決に発展していきます。ただkの2大勢力だけだったらよかったもののほかの数多くの武士を巻き込んだ結果泥沼化していきます。これをきっかけに室町幕府は勢いを失い特に在京守護の原則が失われ大名は分国に戻るようになり、幕府の力が弱体化しまいます。その後、戦国時代に突入するわけですがその戦乱を争った両家はすっかり力を落としてしまい幕府政治では日蔭に居た守護代層や遠国の守護が主役になっていくというのは面白いところです。守護在京制の崩壊は京文化の地方への波及をもたらしました。いわゆる「小京都」が代表的なものでも越後、周防などで見られるようになります。自分は日本史を高校で選択しなかったので歴史の知識は中学どまりではありますが改めて歴史の面白さを感じました。
まだ気づかない魅力が日本史にも隠れていそうです。
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