Takekida's log

千里の道も一歩から

捜査力は抑止力

2024-06-15 22:08:12 | Books
刑事捜査の最前線 (講談社+α新書) 甲斐竜一朗 (著)
30年を超える刑事事件関連の記者生活を基に刑事捜査の進化を歴史を揺るがしたサリン事件、和歌山カレー事件、神戸連続児童殺傷事件、広域特殊詐欺事件などの実例も交えながら記された本です。内側の人がなかなか内情を表立って書けない事情もあるかとは思うのであくまで詳細な取材で知りうる範囲でまとまっている内容となっています。昨今の進化としては監視カメラによる初動捜査が相当有効になってきたこと、DNA鑑定の精度が上がり、565京人に1人 とほぼ個人を特定できるレベルまで来たことなどが取り上げられている一方で根強い重要度があるのは聞き込み、指紋そして取り調べ術だというのが本を読むとわかります。特に定型化しにくく技術として伝えにくいのが取り調べ技術。物証を固めても本人の心を開くことが出来なければ動機を含む深層に迫るのが難しくなります。この本でも取り調べ力の低下は課題となっていて警察大学校内に研修センターが設置されるなどの取り組みが紹介されています。日本は世界の中でも治安が良い評価があることは言わずもがなですが背景にあるのは警察の捜査力があり、それが抑止力に繋がっているのもあるのだと思います。

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