学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

趣味に音楽でも

2009-08-17 19:50:55 | その他
本日で私のお盆休みは終わりです。

まだ体のだるさは取れませんが、昨日よりはだいぶ具合もいいので、今日ぐっすり寝れば体調も万全となることでしょう。

さて、今年になって心身ともに良くなり、ちょっとずつ自分の幅を広げられたら、と思いまして趣味に音楽でもやってみようかと思いました。楽器はサックス。サックスを聴くと、ついついウイスキーを飲みたくなる(笑)そんな一個人的な感想はどうでも良いとして、楽器を弾けたら毎日が楽しくなりそうですし、音楽を通して、色々な人とも知り合いになれると思うのです。

近いうちに、サックスを求めてお店に行ってきます。買う前からすでに楽しみな私なのでした。
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病床にて

2009-08-16 16:27:11 | その他
お盆休みも終盤、今日は美術館へ出かけようかと思いましたが、どうも体がだるいので家でゆっくり寝ていました。晴天にも関わらず、家で寝込むほどつらいものはない(泣)戸外を恨めしく想いながら、先日古本屋で買い求めた雑誌『民藝』357号(昭和57)を読みました。

「師・父 濱田庄司を語る」と題して、陶芸家島岡達三氏、濱田の四男でガラス工芸家の濱田能生氏の対談が掲載されています。濱田庄司の身近に居たお二人ですから、とても興味深い話をされており、読み進めていくと濱田庄司の人間性がくっきりと浮かび上がってくるような内容です。なかでも、中学生時代の能生氏が父からの一言について回想していますので、要約してご紹介します。


人生には人と競り合って勝っていく生き方と、誰もやったことのないものを見つけて自分の道を作る生き方があるが、どちらを選ぶ?というもの。


能生氏は後者を選択したそうです。父の濱田庄司も後者を選んだ方でしょう。人の性質によって、生き方は当然異なりますが、中学生にそうした問いを投げかけるあたり、濱田は独りの大人として接していたのですね。

あなたでしたら、どちらの道を選びますか?

ちなみに私も後者。私は誰も知らない道を、自分で探して歩くのが楽しくて好きですね!
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読み方を変える

2009-08-15 07:46:37 | 読書感想
お盆休み、実家でのんびりしているところです。

先日、仙台へ遊びに出たのですが、電車の中で青空を眺めながら、ふと思いつるは高校時代のこと。高校時代の夏、部活に明け暮れ、高校野球を見て、友達とぶらぶらと遊びに出かけた毎日。勉強はあんまりしなかった(笑)高校2年生の夏。立ち寄った書店で、わたせせいぞうさんが表紙を手がけた角川文庫の「こころ」を買いました。この夏の読書感想文はこれ。色々考えさせられる本でした。

車内で清々しい夏空を見て、そんなことを思い出したわけですが、あの「こころ」、ミステリー小説として読んでも面白いかもしれないと何気なく思ったのです。第一章の「先生と私」で、「私」はどうもわけありの「先生」と出会います。墓参りの姿を見られてぎょっとしたり、金は人を変えるだとか、恋は残酷だとかいうのが「先生」。「私」は先生の過去に何があったのかを考え、奥さんに聞いてみたりもするが、どうもよくわからない。ただ同級生が自殺したことだけは何とか突き止める。同級生の死が「先生」とどう絡んでくるのか…。うん、読者に謎をかけるわけですね。そうして第三章の「先生と遺書」で「先生」の告白、つまり謎解きが始まるわけです。謎解きといったって、相当ひっぱりますから、合点が行くのは後半。謎の正体は…まだ「こころ」を読んだことがない人のために書くのはやめておきます。

夏目漱石はイギリス文学の影響を受けたと言われているから、もしかして「こころ」も…と思いました。仮説を立てて、考えてみるのはとても面白いですね。あの高校2年生の夏にこんな仮説を読書感想文に書けたら面白かったかもしれない(笑)いい加減なこと書くなと先生に怒られそうですけれども(笑)この夏、また「こころ」が読みたくなった私なのでした。




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資料集めの一日

2009-08-12 20:45:06 | 仕事
今朝、この時期にしては気味が悪いくらい涼しい風が吹いていました。日差しはあるのですが、湿気があまりなく、過ごしやすいといえばそうなのですが、夏はやはり暑くないと…と何だか季節感をあまり感じない朝でした。

一日、来年度展覧会の準備のため資料集めに徹していました。紀要、図録、新聞記事等…果てしない作業ですが、これを集めて材料にし、新しい視点の展覧会を作るのです。この仕事をしていてよく思うのは、定説を鵜呑みにしないこと。自分で考えた末の結論が定説と同じであれば、それはそれで意義のあることだと思いますが、常に疑問の気持ちをもって定説にぶつからないと発展がありえない。物事、何事もそうだと思いますが、常に「考える」ということを忘れずに過ごしたいものです。

明日からお盆休みで帰省します。休暇中は…岩手県立美術館で楽しんでくる予定です。それでは今日は早めにおやすみなさい。
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帰り道の出来事

2009-08-11 21:08:49 | その他
ようやく仕事を終えて、今こうしてパソコンの前にいるのですが、ついさきほど不思議な体験をしました。

夜遅くなって、いつもの帰り道を通っていたのですが、ふと後ろから声をかけられたのです。女性の声で「こんばんは。」と。私が振り返ると同時に、彼女は私を追い抜いて行きました。彼女は自転車に乗っていたのです。髪を後ろで結っていて、上下とも白い服。年は20代前半でしょうか。顔はまったく見えませんでした。

見ず知らずの人に、しかも夜中に挨拶するなんて変わっているなあ、と思った私。私を追い抜く彼女の後姿が自然と目に入っていたのですが…突然消えたのです。ちょっと背筋が冷たくなった私…。私はいわゆる霊感というものが少しあるようで、ときどき見たりするのです。ですから、別段驚きもしなかったのですが、ずいぶん礼儀正しい人?もあったものだなあ、とのんきに思った次第です。

彼女、私に何を言いたかったのでしょう。ただ挨拶したかっただけなのかしらん?何だか不思議な夜の話でした。
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ゾラ『ボヌール・デ・ダム百貨店』を読む

2009-08-10 18:50:36 | 読書感想
著者エミール・ゾラ(1840~1902)は、19世紀後半に活躍したフランスの作家です。

『ボヌール・デ・ダム百貨店』は、ゾラが43歳のときに発表した百貨店を舞台にした小説。ごく簡単なあらすじを紹介しますと、主人公ドゥニーズ(女性です)は両親を亡くし、二人の弟たちを連れてラシャ商の叔父の下へ身を寄せます。ところが、その町は「ボヌール・デ・ダム百貨店」が大勢力をはっており、どの個人商店も勢いに押されて破産寸前。叔父も苦しい経営を余儀なくされており、ドゥニーズはそんな叔父に同情しながらも、百貨店に魅せられて…。商業、恋愛、欲望など様々な要素を込めた読み応えのある小説です。

百貨店の登場によって、個人商店が苦戦を強いられるようになる構図は、消費社会である日本とて同じこと。それが120年前、すでにフランスで書かれていたことに驚かされました。ゾラは倒産していく個人商店に対し、百貨店の登場は果たして我々にとって本当に良いことなのかと疑問を投げかけているかのように思えます。しかし、一方で百貨店の登場を否定してもいません。ドゥニーズが、百貨店を恨む個人商店の経営者に向かって「百貨店は商業形態が発展した新しいかたちであり、全否定することはできないでしょう」と冷静な言葉を述べている点が印象的でした。

そうして現在に目を移すとどうでしょう。私は商業の素人ですが、ニュースを見る限り昨今百貨店はかなりの苦戦を強いられているようです。日本全体が不景気で、人々が消費より貯蓄を優先しているという背景があるのだと思いますが、これをゾラが見たらどう小説に書きますでしょうか。かつて無敵を誇った百貨店がしだいに苦戦していく、ということはドゥニーズの述べた言葉を借りれば、今まさに何か百貨店に代わる新しい商業形態が生まれんとしているのでしょうか。はたまた、今はただ100年近い戦いのせいで休息をしているに過ぎないのでしょうか。どちらにしろ、時代の先を読むのは難しいものがあります。

この小説は、切り口次第で様々な読み方が出来そうです。長編小説ですが、読者を小説にぐいぐいと引き込む魅力を持った本です。この夏、ぜひオススメの一冊です。

●『ボヌール・デ・ダム百貨店』(伊藤桂子訳 論創社 2002年)
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お盆休み

2009-08-09 20:57:16 | 仕事
来週から私はお盆休み。ただ…この時期実家へ帰省すると大変混みそうですけれども…。

休み中の計画でも、と先ほどから考えてはいるのですが、あまり思い浮かばない(笑)たぶん…久しぶりに仙台の街をぶらりとして、普通に本を読んで終わりそうです。ただの休みと何ら変わりませんね。

お盆はのんびり過ごして、平成21年後半戦の英気を養ってきたいと思います。

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夜風を楽しむ

2009-08-07 20:15:09 | その他
日中は雨が降ったものの、今は雨も止み、北風がとても気持ちの良い夜です。窓から空を見上げると、星がきらめいて見えます。夏はなかなか星が見えないものですが、今日はなんだか綺麗。

つれづれなるままに『徒然草』を読んでいるのですが、「第92段」、「第93段」は兼好法師のいい言葉が記されています。それぞれ要約しますと、「第92段」は余裕はなおざりの心を生むこと、「第93段」は世に生きることを愛し、楽しむことを解く。日暮らし硯に向かって…などと「序段」には書いてあるけれど、そんな軽い気持ちで筆を取っていたわけではないようです。もちろん、なかには「これは必要なのかなあ」と思うのもちらほらありますけれど(笑)

めまぐるしく過ぎる毎日、生きることを楽しむには難しい現実がありますが、せめて綺麗な夜空でも見て、興にひたるは楽しいひと時かな、と思った夏の夜の話でした。
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印章の研究

2009-08-06 20:10:13 | 仕事
近頃の私は、もっぱらある作家の印章を研究しています。正確に言えば、研究するための材料を集めていると申しましょうか。

その作家は生涯30点近くの印章を用いています。それを1点ずつデジタルカメラで撮影して、いつ頃、どの作品に、どんな印章を用いているのかをデータで入力していきます。作家本人の言葉からあまり印章を押すことにこだわりのなかったようなイメージをもっていましたが、なかなかどうして、そこから分析すると色々わかってきます。まだ途中ですが、データが集積されれば、もっと鮮明にわかってくることがあるかもしれません。

データの入力は大変ですが、実に調査しがいがあります。そして…デジタルカメラの登場ですぐにパソコンに取り入れられるわけですから、ずいぶん便利な世の中になったなあ…と今更ながら実感しているのでした。
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美味しいお酒

2009-08-05 20:37:06 | その他
昨夜、急遽上司と飲むことになりまして、居酒屋へ行ってきました。私はお酒は好きだけれど、あまり飲めないたち。でも、昨日はすいすい飲めた(笑)

こんな暑い日が続く時は、ビールですね。昨日もビール。途中から熱燗。ついだりつがれたり。熱燗はコミュニケーションも取れます。焼き鳥をつまみにして、「人生っていろいろあるんだよ!」と上司からの〆の言葉。いろいろありますよね、本当に。

久しぶりに美味しいお酒でした。美味しいお酒とは、銘柄云々ではなく、笑いながら楽しく飲めること、と帰り道に悟りました(笑)月夜の晩、川岸をほろ酔い気分で歩きましたが、川面に月が浮かんで、きらきらしているのですよね。月夜、牛が川を渡りて、水しぶきのはね上がるをみて、あれは水晶のようだ、言ったのは清少納言。平安朝の気分に浸りながら(相当無理やりですけれど)ああ、きれいだなあ、と思った夏夜の出来事でした。


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