学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

9年前の日記

2011-05-31 18:38:57 | その他
今日で5月が終わります。あっという間の一ヶ月でした。数日前にいよいよ私の住む地域も梅雨入り。これから湿気の高い時期になりますね。体調の管理には気をつけたいものです。

今朝、ちょっとした余震がありました。おそらく震度2、3ぐらいだったと思うのですが、その衝撃で部屋の片隅に積んでおいたノート類が崩壊…。片付けるのの面倒くささに朝はほっておいたのですが、帰宅してから見てみると、私の2002年の日記が出てきました。ついつい読んでしまう日記(笑)今から9年前の今日、私は何をしていたのか。


「今日は、W杯開幕の日。フランス対セネガル。なんとセネガルが勝ちました!どうしたフランス!ジダンがいないとだめなのかい。でも、おもしろそうな展開で、楽しみだ。日本は4日。ベルギー戦。でも私はポルトガルも応援中。」

9年目の今日はサッカーW杯、日韓ワールドカップの開幕戦だったようです。ついこの間のような気がするけれど、もう9年も経つんですね。日記に「ポルトガルも応援中」と書いてありますが、これ以降の日記にポルトガルについての記述が一切無いのが我ながら可笑しい(笑)

ちなみに6月18日、日本が決勝トーナメントに進んで、トルコと対決。結果、1-0で日本は敗れる。このときの日記。

「日本、宮城にて死す。トルシエ、謎の采配にて惜敗なり。しかし、これを責むるは無意味なり。」

雨降りしきる宮城県のスタジアムで日本は敗れた。監督のトルシエが「謎の采配」は、具体的にもう良く覚えていません。でも、くやしかったのは覚えている…!


偶然発見された私の日記。読み返すことも無いと思って取っておいたものですが、時間が経ってから読むと結構面白いものですね(笑)

休日

2011-05-30 20:17:17 | その他
今日は風の強い一日でした。外へ出るのも億劫で、ひたすら部屋の掃除。思い切って、色々なものを捨ててしまいました。ずっと取っておいたものをいざ捨てようとすると、どうしてもためらわれますが、ものをゴミ袋へ入れてしまうと意外とすっきりするものですね。ほんの少しだけ部屋が綺麗になりました(苦笑)

お昼に喜多方ラーメンを食べました。以前、高速道路のサービスエリアで買って来た喜多方ラーメンの麺に、チャーシューや味付け卵などをトッピングして作ってみました。ラーメンはいくら食べても食べ飽きることがありません。美味しくいただけました。福島県の喜多方市もきっと今回の震災では被害を受けていることでしょう…。蔵の街並みがどうなったのか、気になります。

夕方まで、あとはゴロ寝です。何もしたくない日。ありますよね。もうカーペットに横になって、窓から雲の流れをただただ眺めていました。上空でも風が強いようで、雲がどんどん移動していきます。また一日が終わるんだなあと。

しっかり休めたところで、明日からまた頑張ります!

ラジオドラマを聴く

2011-05-29 20:28:17 | 仕事
昨夜、寝床のなかでうつらうつらとしながらNHK・FMを聞いていましたら、たまたまラジオドラマを聞くことができました。午後10時くらいであったでしょうか。「水電」というタイトルだったように記憶しています。

話の内容は主人公の女性が、弟が入院したとの知らせを受けて実家へ帰ってくる。女性がまだ子供だった頃に弟と一緒に海の中に潜って「水電」を見た思い出が絡み合う。「水電」とは、もう古くなった電車を海のなかに沈めて魚の住処とするものなのだとか。そして余命少ない弟と女性の同級生の子供とが触れ合って、その録音した声をいつまでも大切にするという話。すみません、うまくあらすじが書けず…。

ラジオドラマ、私は好きです。土曜夜10時という時間帯もいい(笑)また来週も放送するのかはわかりませんが、とても楽しみにしています。

ちなみに…昨夜はラジオドラマを聞き終え、その余韻に浸っていたときに、緊急地震速報が鳴り、一気に目が冴えてしまいました。幸い、強い地震はなかったものの…今だに余震が続くことにやはり怖さというものがあります。地震から三ヶ月近くが経過するというのに…。

吉村昭『三陸海岸大津波』

2011-05-26 18:05:33 | 仕事
今日は仕事がお休み。掃除の続きをして、一日を過ごしました。

書店に行ったら、見かけた本。吉村昭氏の『三陸海岸大津波』です。いま、これを読まなくては、と買ってきました。これは吉村氏が岩手県、宮城県へ取材に出かけ、そこでの聞き取りや資料を元に書いたルポ。明治29年、昭和8年、昭和35年チリ地震津波について書かれています。読んでいて、津波の怖さに恐ろしくなる…。

明治29年の大津波。異常なほどの豊漁、井戸水の濁り、海面に浮ぶ謎の炎、大砲を撃つような轟音。津波の前兆にはそんなことがあったそうです。夜中に突如襲ってきた津波で、2万6千人が亡くなりました。

私が印象的だったのは、ある町長の案内で、吉村氏が明治大津波の生き残った古老にインタビューした場面。インタビューに、その古老は家の2階まで水が来た、と話します。吉村氏と町長は外へ出て、高台にあるこの家を見て絶句する。なんと平地から50メートルも高い位置に、その家があったから…。「今の防波堤は8メートルしかない。一体、大津波がきたらどうするんだ?」と町長は恐怖に慄くのです。

ルポには、三陸海岸に住む人たちは、これらの歴史を生かして、常に万全の避難体制をとっていることを記して、締めくくっています。これだけ避難体制をとっていても、あれだけの犠牲者を出したのだから、いかに東日本大震災の津波がものすごいものであったかを物語ります。

この本、手元に置かなければならない一冊だと思います。


●吉村昭『三陸海岸大津波』中公文庫 2004年

シンプルな生活と掃除

2011-05-25 20:17:18 | その他
今日は左目の奥が痛し。頭痛の前兆なので、これは用心しなくてはならないかも。

もう時刻は夜の7時を周っていますが、これから部屋の掃除をする予定です。わざわざ夜にすることはないんじゃないか、という話ですが、あまりにも部屋が汚くなりすぎてしまったので(苦笑)キッチン、テーブル、ソファ。この3つが汚れていて、特にテーブルとソファには画集がたくさん投げ出してある…。これらを元に戻すことから開始です。

近頃、書店へ行くと「生活をシンプルにする」をテーマにした本をよく見かけます。不必要なものは買わない、買い込まない、少ないモノのなかでシンプルな生活を送ろう、という内容なのでしょう。

司馬遼太郎の『坂の上の雲』には秋山好古という人物が出てきます。明治期の陸軍の軍人ですね。彼は身辺を質素倹約、単純明快にすることをしきりに説きます。彼の場合は、火急時に混乱しないように普段の生活からそうしたことを心がけていたのだろうと思いますが、これもやはりある意味ではシンプルな生活の1つですね。

私はどうしても職業柄、本を買い込んでしまうのですが、こうしたシンプルな生活には憧れます。モノがないと、部屋もとても綺麗に見えますしね。

さあ、これからしっかり掃除をしなくては!途中で眠くならないように頑張ります(笑)


鳥のさえずり

2011-05-24 22:40:21 | その他
休日の過ごし方。私はよく散歩に出かけます。散歩に出かけると、よく鳥のさえずりを耳にします。心地よいものですよね。しかも、さらに楽しいことには、さえずりだけではなくて、芝生で遊ぶ鳥も見かけることです。ああ、のどか!

私は散歩に出るたびに良い心持になるのですが、残念なことにあまり鳥のことは詳しくないのです。鳥のさえずりでわかるのは、ウグイスとメジロぐらい。あとは鳥の名前は知らないけれど、ああいい声だな、と思って聞いて楽しむだけなのです。

鳥のことが分かれば、もっと散歩が楽しくなるのではないか、と思い立ち、早速図書館で私が住む街の動植物図鑑を借りてきました。図鑑を見るなんて小学生以来かもしれない…。でも、見かけたことのある鳥の名前がわかると結構うれしい(笑)残念ながら、というよりも当たり前のことですが、鳥の鳴き声は文字で表記してあります。これだとやっぱりわからない。本の限界といったところでしょうか。でも、今は便利な時代。インターネットで探せば、きっと鳥の鳴き声も聞くことができるはず。それは今度試してみることにします。

周りの自然のことがわかると、生活が楽しくなりますね!

お酒で締めくくる一日

2011-05-23 19:01:31 | その他
昨夜は、無事に一週間が終わったことを祝おうと麦酒を飲みました。淡いライトの下で飲む麦酒は格別!アルコールが身体中に染みていくようでした。この感動を独りで味わっている自分。ええ、人間は孤独なものです(笑)

以前はちょっとのお酒を飲んでも全然平気だったのですが、ここ1、2年はお酒を飲むとやたらに眠くなります。お店で飲んでいればまだ大丈夫ですが、自宅は危険。ちょっと目をつぶって考え事でもしようかと、ソファに横になったが最後。もう朝まで起きません…。昨日は絶対に寝てたまるかと本棚の下にあぐらをかいて(この時点ですでに酔っ払い)、手当たり次第に画集を眺めていたのですが、やはりだめでした。眠気を覚まそうと河鍋暁斎の画集も見ましたが効果はなし。お酒を飲んだら、小説や画集の類は読まないほうがいいことを改めて感じます…。

今日は奮発してカマンベールチーズとワインを買ってきました。一日の締めくくりに、ワインで乾杯!独りですけれどね。ええ、やはり人間は孤独なものです(笑)


長かった一週間

2011-05-22 20:24:49 | 仕事
またパソコンが壊れてしまいました…どうも私のパソコンは5年おきに壊れます(泣)

大震災から二ヶ月が経過。余震が落ち着いてきたかと思いきや、ここ数日は体感する余震が増えてきたので、少し警戒しています。大震災ほどの揺れは起こらないだろうとは思いますが、余震自体もかなり強いので、常に意識していなければなりませんね。

この一週間は、他館へ展示替えの立会いに行ってきました。立会い、といっても、実際に私も加わって展示作業に従事。立会い兼作業、という仕事でした。何事も仕事は段取りが勝負です。段取り八分、の言葉もありますしね。作業計画通り、テキパキと動いて、作品を扱うときは丁寧に…その結果、予定よりも2時間早く終わりました!!安堵したわけではないのですが、帰りの車ではもうヘトヘト。何とか無事に帰ってきたような感じでした。

長かった一週間、パソコンも回復したことですし、もう明日は寝て過します。ああ、休みがこんなに嬉しいなんて!(笑)

仕事を追わずに追うこと

2011-05-18 20:56:03 | 仕事
もうスーツの上着なしに外出できるくらいの暖かさになりました。まだ湿気もないですし、今が最も過しやすい季節かもしれません。

この頃の私は展覧会の準備に追われる日々です。パンフレットを作ったり、出品交渉をしたり、展示のレイアウトを考えたり…行う仕事の項目は毎年同じことの繰り返しなのですが、その内容は展覧会によって異なるので、どうやったら作品をうまく引き立てることができるのかを考えながら仕事を進めていきます。

仕事は追われるのではなく、追っていなければならない。

これは私の最初の上司が教えてくれたこと。とても身に染みます。仕事に追われると余裕がなくなって、ミスが多くなる。でも、追っていれば、見直す余裕もあるし、なにより心にゆとりが持てるということ。ゆとりがあると良いアイディアも生まれますしね。仕事を続けていくうえで、忘れられない言葉です。

準備も大詰め。あと少しで落ち着きそうです。落ち着いたら、旅行にでも出かけたい!それまで頑張ります!

ラディゲ『肉体の悪魔』

2011-05-16 10:26:56 | 読書感想
過しやすい毎日が続いています。今日も天気は一日晴れのよう。嬉しいですね。今朝、川べりを散歩していたら、鮎の稚魚が元気良く泳いでいる様子を見かけました。近所のおじさんたちも集まってきて「いい季節になったね。」と。透き通る透明な水のなかで、それはもう楽しそうに泳いでいて、私もあのなかに混じって泳ぎたい…そんな妄想もしていました(笑)

昨夜、フランスの作家レイモン・ラディゲ『肉体の悪魔』を読みました。小説の内容は「僕」が人妻マルトとの不倫関係を告白するというもの。ただ、一般的に「不倫」につきまとう、どこかいやらしい感じ、というものは感じない小説です。作者のラディゲは早世した天才などと言われますが、この小説を16歳から18歳の時期に書いたそう。今の日本でいえばちょうど高校生の時期ですね。私自身、高校生だった自分を思い返してみるに、こういう類の小説はラディゲのように自分で書くものではなくて、他人が書いたものを読んで楽しむものだった(笑)

20歳のラディゲが書いた『ドルジェル伯の舞踏会』も読みましたが、両方を比較すると私は『肉体の悪魔』のほうが良く書けていると思いました。『肉体の悪魔』は登場人物に感情移入がしやすいですし(第一人称で書かれているせいかもしれません)、男女の営みを盗み聞きする夫婦に一計を案じる場面など笑える要素もある。また、マルトが妊娠した子供が誰の子供だったか最後までぼかされているところなどに上手さを感じます。『ドルジェル伯の舞踏会』はどうも中途半端で終わっている印象が否めなくて、まだまだ続きがあったんじゃないのかな、と思ってしまいます。小説を読みながら、苦しい表情で筆を取るラディゲの影が見えるようで…。(ラディゲは『ドルジェル伯の舞踏会』を書いてすぐに亡くなっている)『肉体の悪魔』と『ドルジェル伯の舞踏会』を比較して読むと、また面白いかもしれません。

今日は日向ででも、ラディゲの戯曲『ペリカン家の人々』でも読み、のんびり一日を過したいと思います。


●ラディゲ『肉体の悪魔』新庄嘉章訳 1954年 新潮文庫
●ラディゲ『ドルジェル伯の舞踏会』生島遼一訳 1953年 新潮文庫