学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

ほっと一息

2009-02-28 20:12:48 | 仕事
今日は美術館のビッグイベント。私は担当者だったので、朝から動きまわっていました。イベントには作家や他の美術館の館長などが多数いらしたので、失礼のないように且つ、問題なくイベントが進行するようにと気を使い、私は精神的にも肉体的にも今はもうへとへとです。

私が担当して6回目になるこのイベント。今までこんなに疲れたことはなかったのだけれど…。ただ無事に終了して、ほっと一息です。

今日は早めに休みたいと思います。おやすみなさい。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

藤島武二の版画など

2009-02-27 09:14:11 | 仕事
今日は休日なので、家でのんびりしています。戸外は雪。滅多に雪の降らないこの地方では珍しいことです。ぱらぱらと降っているので、積もらずに、すぐ解けてしまうでしょう。

さて、唐突ではありますが、私は藤島武二の版画がとても好きです。藤島は明治から昭和にかけて活躍した洋画家ですが、なかなかどうして版画にも良いものがあります。若いころ、藤島はアールヌーヴォーの影響を受けていますが、版画においても植物を画面に取り入れながら、女性の姿を美しく描いています。(女性と蝶との組み合わせもとても好きだったようです)

水彩でも、音楽六題(ひろしま美術館蔵)があり、これは絵葉書の図案として描かれたようですが、これもまた良く、快活で屈託のない笑顔を見せる女性たちが楽器を奏でる姿を描いています。もらう人が喜ぶような、という絵葉書の制約があったのかもしれませんが、これだけ素敵な女性の笑顔を描ける画家はそういなかったのではないかと思っています。

藤島の油絵を見る機会はあっても、なかなか版画や水彩を見る機会はありません。私もお目にかかったのはたった2度だけです。けれども2度だけでも、出会えて良かった、と思うのです。またどこかで藤島作品で出会えることを祈って、今日は筆を休めることにいたしましょう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

古書目録

2009-02-25 20:54:55 | 仕事
帰宅すると、ある古書店の美術書目録が届いていました。私個人では、なかなか高額な作品を買うことができませんが、市場価格など、色々な情報を知っておきたいので、目録の発送をお願いしていたのでした。

こうした目録を眺めていると、私は夢中になって時を過ぎるのも忘れてしまいます。掘り出し物がないか、面白そうな本はないか、こんな本が出版されていたのかという新しい発見。もちろん、市場価格などもじっくり見てみます。古書店も見やすい様に工夫して本を作ってくれているので、とても楽しめます。

とても欲しいと思った本。「没後100年高橋由一展」の図録でした。先日、高橋由一についてブログで書いたばかりですから、こうした図版の多い図録を1冊持っておきたいな、と。図録ですから、手の出せる値段。ちょっと迷っているところです(笑)なかなか贅沢な悩みですよね!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

仮説をたてるということ

2009-02-24 06:21:09 | 仕事
ある作家なり、作品についての文章を書く場合、「仮説」の柱を立てて、地盤を「根拠」で固めていく。すると「仮説」が「事実」らしくなる。それが作家や作品の新しい姿になってゆく。

そう書くと、いかにも簡単なように見えるけれども、「仮説」を立てるには相応の度胸と自信がなくてはなりません。気の弱い私は「仮説」を立て「根拠」で固めていても、他人からおかしいと指摘されると言葉に詰まることが多く、まだまだ自信が足りない、と何度も思います。(結局は根拠が弱いのが反省点なのです)

今は論文を3つ抱えており、少しずつ進めているところです。この量は、気の遠くなるような話ではあるのですが、学芸員にとって論文は大切な仕事の1つ。しっかり、頑張らなくては!そう決意を新たにして、週初め、今日からまた仕事に取り組みます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高橋由一

2009-02-23 08:39:03 | 仕事
休日、とりたてて何の用事もないため、朝から高橋由一の画集を眺めています。

高橋由一といえば《鮭》、《美人(花魁)》(共に東京藝術大学蔵)。教科書にも出てきますし、日本美術史でも近代を扱ったテーマとなると、必ずといっていいほどふれられます。

由一が描いた最初の油絵《丁髷姿の自画像》は慶応2、3年の頃の作と考えられており、すでに40歳近い年齢です。今の尺度で考えるとまだ働き盛りですが、この頃は人生50年の時代ですから、かなり高い年齢になります。画集を眺めていると、ふわふわせず、しっかり落ち着いた感じがするのは、年を重ねているせいなのかもしれません。

《鮭》(明治10)が描かれた頃は、《豆腐》や《鱈梅花》(共に金刀比羅宮博物館蔵)など、力のある静物を描き続けています。この時代の作品は、モチーフの選び方も面白いと思いますし、真に迫ろうとする由一の目が画面を通して強く伝わってくるので、私はとても興味があります。翌年にはパリ万博にも作品を出品しています。高橋由一とパリ万博、なんだかうまくつなげ難いイメージですが、これもまた面白いことですね。

ところが、少し時代を経た明治14年頃になると、どこかおかしくなってくる。同年、山形県令三島通庸の委嘱で制作した風景画数点は《鮭》を描いた人とは思えないほど何だか力のない絵になってしまっています。立体感が消え、平面的な絵になっているのは一目でわかります。由一54歳、年齢的なこともあったのか、委嘱による制約が彼の画力を閉じ込めてしまったのか。明治27年に高橋由一は67歳で生涯を終えます。

高橋由一が残した数多くの作品は、現在香川県の金刀比羅宮に保存、展示されています。私も一度行ってみたいとは思うのですが、何分遠いため、いつになったら行けるのやら。ただ香川県まで行って見る価値が十分にある、と私はそう思うのです。近いうちに、ぜひ行ってみたいですね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

パソコンの動作

2009-02-22 21:11:30 | 仕事
私は元来パソコンについて詳しくないのですが、なぜか職場ではパソコンの使い方についてよく質問されます。特に多いのが…パソコンの動作を早くして欲しいとの要望です。

だいたいは作品画像の取り込み過ぎが原因ですので、Dドライブに移したり、USBメモリやCDに移すことをすすめるのですが、それでも早くならない時はお手上げ。ホームページを開いて、動作を早くする方法を学ばなくてはなりません。

そうこうしているうちに、職場ではなく、自宅にある私個人のパソコン動作が近頃遅くてたまらず。メモリが不足しているようで…また出費がかさむようです。

明日は休日。少しパソコンの調整をしてみたいと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

作品寄贈

2009-02-21 21:47:15 | 仕事
美術館が作品を収蔵するパターンとして、購入、寄贈などがありますが、作品購入費が削られる今日、当館では寄贈による作品収蔵が非常に多いところです。

先日も80点近い作品寄贈があり、大変に感謝申し上げる次第です。今日は作品寄贈のリストを作成して、一日が終わりました。

作品の寄贈については、寄贈者の作品に対する思い入れも強く、思い出も一緒にお預かりするわけです。学芸員として、寄贈者の強い想いを裏切らないよう、今後の調査研究、また作品保存に努めていきたいと決意を新たにしました。

明日は展示替え作業。体力勝負ですが、頑張っていきます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

倉敷市立美術館

2009-02-20 22:02:43 | 仕事
私の机上に雑誌「Cultivate」が乗っていましたので、お昼休みに読んで見ました。特集は「公立ミュージアムは誰のものか」。「誰のもの」?その問いかけの答えは明解ですが、手段となると美術館は試行錯誤です。

ぱらぱらとめくると、倉敷市立美術館での活動が掲載されていました。倉敷といえば私立の大原美術館があり、ビッグネームのすぐそばにある市立美術館は経営が随分やりにくいのではないかと思うのですが、岸野裕人館長は「市民との関係、要望をふまえた自在さ」の特長を生かして、美術館経営に取り組んでおられるのだそうです。

その1つに「倉敷っ子美術展」があり、子供たちが制作した作品の展覧会を開催しているとのこと。この展覧会だけで1万人の来場者があるとか。当館も同じような作品展示を行っていますが、ここまでの来場者数までは到達しません。写真で見ると、まるでお祭りのようににぎやかに展示されているようですので、そうしたイベントの要素を強めると、当館でも多くの方々に見ていただけるのかな、と思いました。

他館の情報を取り入れて、自館の経営に生かす。私も常に学ぶ姿勢を忘れずに、日々業務に取り組んで参りたいと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

写真撮影

2009-02-20 00:24:40 | 仕事
昨日、確かに私は相当酔っていたのです。朝、ブログを見たら、同じ文章が2回も更新されていました。どうやら、私、ボタンを2度押してしまっていたようで…お恥ずかしい限りです。

今日は作品の写真撮影です。ポジフィルムとデジカメによるデータ撮影。デジカメによる撮影に慣れてしまった私は、画面の確認できないポジが苦手になってしまいました。ポジとデジカメ、どちらも長短があるので、使い分けが必要になってきますが、市場の流れを見ると、今後はやはりデジカメが優勢になってくるのかな、と思います。とりあえず…デジカメは綺麗に撮影できました。平面はまだしも、立体作品はなかなか大変です。

明日は撮影した写真をまとめて、書類作りに取り掛かります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

申し訳ないほど…

2009-02-18 23:40:55 | その他
今日も酔っています。いつもは独りで飲んでしまうのですが、今日はお付き合いです。ただ楽しいお酒だったので、同じ酔い方でも良い酔い方なのかな、と少し奇麗事を言ってみたりします。

目をつぶると眠ってしまいそう。温かい布団で眠ることほど幸せなことはないですよね。これからゆっくりと休みます。おやすみなさい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする