学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

作品購入と太宰の手紙

2008-07-31 23:18:05 | 仕事
美術館宛に届いた古書店からのカタログを見ていたら、なかなか良い作品が掲載されていました。良い、というのは個人的に、ではなくて、美術館として収蔵するのに良いと思われる作品のことです。もちろん図版ですから、本物を見ないことには話になりませんが、情報として見逃すことはできないものです。

しかし、価格を見てびっくり。とても美術館の予算では買うことは出来ない値段でした。どの美術館でもそうだと思いますが、作品購入費は年々削られ、もはやゼロのところもあるとか。当館はゼロではありませんが、やはり年々削られているのも事実…。

次ページをめくると、そこには佐藤春夫宛太宰治の葉書が販売されていました。内容は私(太宰)にぜひ芥川賞を取らせてください!という生々しいもの。いいのかな…こういうのが出回って。太宰の字は初めて見ましたが、結構綺麗な字を書きますね。いや、佐藤宛に依頼の文章を書いているから丁寧なのかしらん。

今日は古書カタログについてのお話でした。

習作A

2008-07-30 22:35:11 | その他
曇天。

烏のがあがあ鳴く声で目が覚める。

何が苦しくて、そんなに悲しく鳴くのだ。

両翼は静かに閉じられている。

があがあ。

私も泣いてみたい。

せめて小雨が降ってくれたのなら。

孤独は悲しい。

南洋の君も、そう思ったことがあったのだろうか。

そうして、やはり疑心暗鬼を生じていたのだろうか。

もう誰にもわからない。

ただ、己さえも信ぜられなくなるばかりだ。

時代

2008-07-27 22:28:41 | その他
中島みゆきさんの「時代」

悩んだり、つらかったりするときは、この曲を聴きます。

詩。素朴だけど、なんていい詩。

気持ちがすぐに切り替わります。

苦情。

返ってこないメール。

人間関係のぎこちなさ。

全てを流れ落としてくれますように。

そうして今日も「時代」を聞くのです。

読書熱衰退?

2008-07-25 20:53:53 | その他
今夜は雨が降っているせいで、とても涼しくて快適です。こんな日にこそ、読書をせねば!と思いつるわけですが、何だか読書熱にかげりが!『嵐が丘』で達成感を強く感じすぎたのが原因かもしれません。

昨夜は涼しいにも関わらず、久しぶりにやけ酒(これはいけません!)をしてしまい、一日中頭痛に悩まされました。自業自得。懲りては繰り返し、また飲んで、二日酔いになってそうして懲りる。ちっとも人間として進歩がありませんね。

こんな涼しい日は…早く寝るに限りますか(笑)寝ることほど幸せなことはない、と最近痛切に感じ始めているので、今日は早めに寝ます。

おやすみなさい。

エミリー・ブロンテ『嵐が丘』を読む

2008-07-23 20:08:13 | 読書感想
夕方に俄か雨が降りて、いささか涼しくなった由。団扇をせずとも、今は快適なり。

昨夜『枕草子』を音読する試みをブログで紹介しましたが、その後『源氏物語』の代わりに書店で購入した『嵐が丘』を読み出したら止まらなくなり、結局寝たのは午前2時過ぎ。おかげで今朝は眠くてしょうがありませんでした。眠気も吹き飛ぶほど引き込まれたのは横溝正史『夜歩く』以来、久しぶりな体験です。

物語は19世紀初頭のイギリス。アーンショー、リントン家に仕えた家政婦が「嵐が丘」を訪れたロックウッドにたんたんと話をするというもの。あらすじを書き出すと止まらなくなりますのでやめておきますが、とにかく物語にぐっと引き寄せられて、止まらなくなってしまいました。すさまじい復讐劇でありながら、どこか滑稽でもあり、悲しくもあり…。登場人物たちに自分を置き換えて読むと、もっと人間の深い内面がわかってくるのかもしれません。

詳しくはブックマークにある私のホームページでのちほど感想を書きたいと思いますので、よろしければ後日ご覧になってみてください。

音読

2008-07-22 18:50:12 | 読書感想
暑いですね…。

さて、こんな暑い日なのに『枕草子』を音読してました。一体、何をやっているのでしょうね(笑)なぜ『枕草子』を音読することになったかというと…。

今朝の新聞に『源氏物語』の最も古い写本が再発見されたとの記事。

『源氏物語』は日本人として読んでおかねばなるまい、けれど、私は一度とて読んだことがない。これは恥ずかしいことだ。

書店へ行って『源氏物語』の本を手に取るが、いとかなし。古文が完全に理解できない。

そういえば、家に『枕草子』があった。あれは読みやすいから少し古文の練習をしてから『源氏物語』へ行こう!

『枕草子』の音読開始。

そんなつまらない流れがありました。しょうがないですね。でも音読すると、とても楽しいです。頭の中にすいすい入ってくる感覚。たまの音読も良いのかな、と思いました。




夏は夜

2008-07-21 20:39:01 | その他
「夏は夜…」枕草子のほんの一節。清少納言は、蛍のほのかな光が飛び交うさまを美しいといい、雨の日はさらに良い(涼むからでしょうね)と述べています。想像するだけでも涼むような心地がします。

それに比べて今は…と何かと過去と現在を比較して考えてしまうのが悪いくせですが、情緒がなさ過ぎるのかな…と。蛍は市街地にはいませんし、雨の日は余計に湿気がまして不愉快極まりなし。昔はあまり湿気はなかったのでしょうか。そんなことはないでしょうね。

今日の日中もあまり気温は上がらず、さっぱりとした天気。夜になった今でも涼しい風が流れます。今日は熟睡できそう。

新聞で夏は茄子漬に芥子をつけて食べると良いと書いてあったので、さっそくためしてみました。ひりりとする辛さがなんとも言えませんが、なんとなく体によさそう。冷やしたお茶を飲みながら食べると、なんとも良い心地。

今日はやっぱり熟睡できそうです(笑)

カフカ『城』を読む

2008-07-20 16:58:18 | 読書感想
今日は休日でしたので、朝から読書三昧。一週間ほど前から読んでいたカフカの『城』が読み終わりました。己の選択とはいえ、この暑い毎日に『城』を読むのはちょっと大変。

『城』は6年ほど前に一度読んだことがありました。あのときは随分長い話だな、と思ったものですが、今回再読してみると、あれ?こんなものだっけ?とすらすらと読めました。ある程度のあらすじを知っていたからでしょうか。

『城』について、「城」は何を象徴したものか、作者は物語を通して主張したいのか、これらについて書き出すとまったくきりがないものですから、その辺の深いところは私は書きません。というより書けそうもありません。

「ああ、終わった…。それも未完で…。」

というのが、読み終えたあとの正直な感想(笑)

主人公Kが測量士として城を目指していたにも関わらず、なんだか最初の趣旨を大きく逸れていって、舞台はくるくる回る感じ。物事が解決しそうで、解決しない。進みそうで、進まない。この何というか、作者カフカの手のなかでいいようにまわされてしまったような。堂々巡り。ロールプレイングゲームで淡々と物語が進んでいったのに、途中でいきなりリセットを押されたような気分。でも、くやしくない。

何を言いたいのか自分でもわからなくなりました(笑)気になるところを再読して、今度の長篇はブルガーコフの『巨匠とマルガリータ』を読んで見ます。

夏の一日

2008-07-19 20:06:05 | 仕事
近頃、暑い暑いとばかり書いて、一向にブログの話題にはならないですね。しかし、実際にこう暑いと頭の中で文章がまとらまなくて、何を書いたらいいのかわからなくなってくる始末。

世間では3連休ですが、美術館は関係なし。昨日から学生たちが休みになったこともあって、戸外からはにぎやかな子供たちの声が聞こえてきます。子供は元気だな、と思ってみたり。

今日は暑いところ、以前美術館へ作品を寄贈してくださった方がご夫婦でお見えになりました。近頃体を悪くされており、なかなか外出することができなくなってしまったとのこと。私が館内をご案内しますと、奥様が夕暮れ時の風景が描かれている絵の前で目をつぶっていらっしゃいます。私がそばに行きますと、「私は夕日、落日がとても好きなんです。」とだけ、おっしゃって、その目は絵ではなく、どこか遠くを見ているようでした。

その方はどこを見ていたんでしょう。夕日は一日の終わりであり、どこか郷愁の念を誘うものです。昔の思い出を懐かしんでいたのでしょうか。それは私には到底わからないことです。

「また、まいりますから」と言って、ご夫婦はお帰りになりました。夏の一日。またどうぞいらして下さい、と私は心から思うのでした。

夏休み

2008-07-18 22:32:11 | その他
明日から小中学生は夏休みなんですね。私も夏休みが欲しいです(笑)

私が小学生だったときの夏休み。宿題が沢山出されました。今もそうかもしれません。日記、ラジオ体操、ドリル、ポスター、郵便局の貯金箱作り、自由工作などなど。こんなに出されては遊べない!でも遊んでしまうのですよね!毎日外で遊んでいた記憶があります。

甲子園での高校野球が終わると、夏休みも終わりだな~と実感。そして、まだ宿題の残りを見て、ああ全然終わってないと。(苦笑)

社会人では一ヶ月の休みを取ることは不可能ですが、この時期になるといつも子供の頃の夏休みを思い出してみるのでした。