学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

馬事博物館

2009-12-31 16:11:28 | その他
アップロード後、画面が小さすぎることに気づいたので、改めて拡大の写真です。なかなかおしゃれなデザインですよね!
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大晦日、よいお年を!

2009-12-31 16:05:15 | その他


旅館の窓から眺めた松島の朝です。昨夜は温泉につかり、美味しいカキを食べ、初めて足ツボマッサージをしてもらい、とてものんびりとした一日を過ごすことが出来ました。




松島から戻ってのち、少し足を伸ばして宮城県岩沼市の竹駒神社へ行ってきました。竹駒神社の初詣は、毎年何万人もの人であふれかえります。境内はすでに出店がずらりと並び、あとは初詣を待つのみの様子。ここは昔、大規模な馬市が開かれたところでもあり、それにちなんで馬事博物館が建てられています。確か毎年元日のみの開館であったような…。写真は馬事博物館の入り口です。建築は昭和14年。いわゆる洋風建築ですね。




建物には入れませんでしたが、面白いものを見つけました。建物のてっぺんに注目すると、これは明らかに「馬」をデザイン化したものですね。たてがみ、がきちんと付いています。日本の洋風建築は、なにも西欧のものをそのまま持ってきたのではなく、日本の風土や用途に沿ったものとして建てられています。まさに馬事博物館のために建築された建物であることがわかりますね。意外な発見でした。


さあ、泣いても笑っても、あと数時間で今年も終わりです。とてもブログでは言い尽くせないほど、本当に色々なことがあった一年でした。


みなさま、今年1年、ブログをご覧いただきましてありがとうございました。来年も引き続き更新していきたいと思います。それではよいお年をお迎え下さいませ。
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帰省雑感

2009-12-30 12:07:18 | その他
今年もあと2日です。昨日、久しぶりに実家へ帰省しました。仙台は相変わらずの人の多さ。年末年始は、平日とはまた別な活気があって、とてもにぎやかで良いですね!

美術館に勤めていると長期休暇は年末年始のみなわけで、この貴重な休み、いろいろとやりたいことを計画立ててきたものの、やっぱり実家にきますと、実家の空気に飲まれます…(苦笑)

今日はこれから宮城県の松島へ行く家族旅行です。温泉につかって、おいしいものと食べて、のんびりとしてきたいと思います。のんびりしすぎるのも、私の性に少し合わないのですけれども(笑)
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この悔しさは来年こそ

2009-12-27 20:41:56 | その他
いよいよ今年最後の仕事。館内の大掃除、来年の仕事の段取りをしました。今日はバタバタとした一日でしたが、私の知り合いの方がたくさん美術館にいらしていただきまして、とても嬉しい心地です。閉館時間になって、展示室の扉を閉めるとき、少し感慨深くなりました。年末年始はゆっくり休んで、と心の中で作品たちへ。

そうして家に帰り、待っていたのは悔しい出来事!悔しくてしょうがない!でも、これが今の自分の実力である、と割り切って、この悔しさ、来年こそは!と奮起するのみ。かえって実力がわかってよかったのかもしれない、そうプラス思考で、反省するところは反省して。日々研鑽して、一日一日、着実に進むことを常に意識して毎日を送りたい、と思いました。

でも、やっぱり今日はくやしいのでふて寝します(苦笑)
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写真を整理していて

2009-12-26 21:53:57 | その他
4、5年前になりましょうか。ちょうど今頃の時期に岡山県の倉敷へ行きました。日中は大原美術館、倉敷民藝館をじっくりと見、備前焼に心躍らせ、夜は美観地区の裏通りを歩いて、ありし日の倉敷を偲んだものでした。

大掃除、というわけではないですけれど、データを含めて古い写真を整理しているところです。そこで見つかった倉敷の写真。画像はロダンの《カレーの市民》。大原美術館の入口に展示してあります。写真を見ると、記憶が蘇りますね。写真を見て、改めて旅はいいものだな、と思いました。

旅と言えば、今年は色々行きました。岩手、秋田、北陸…行ったのは比較的暖かい時期でしたけれど、振り返れば雪国ばかりですね(笑)旅先で見た景色、地元の人たちとの出会い、そして美味しい郷土料理(笑)はいつまでも忘れることはないでしょう。行った先々、とても楽しいことばかりでした。

来年も楽しいたびが出来ますように!
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歌田眞介氏『油絵を解剖する』

2009-12-25 17:23:44 | 読書感想
明治初期の洋画家高橋由一(1828~1894)を絵画修復の視点から論じたのは、私が知る限り、この1冊だけでしょう。著者の歌田眞介氏は長年にわたり絵画修復にたずさわってこられ、現場サイドから書かれた類まれな評論です。また、文章も明快で歯切れが良く、パッと切るようなリズムを感じさせてくれます。

油絵は本当に丈夫なのか?そうした問いかけから、本書は始まります。高橋由一が油絵を描き始めた頃、日本にはまだ描くための材料自体がほとんどなく、制作には相当苦心しました。由一は苦労を重ねながらも、信念を持って絵画制作に取り組んでいきます。修復によって、由一の使った材料や絵の制作方法(背景、つまり遠いほうから先に描き始めたこと)などがわかるのだそうです。歌田氏は、修復をしながら、そこに由一の息遣いを感じていたのでしょう。

また、歌田氏は浅井忠、小山正太郎、松岡寿ら(旧派)と黒田清輝、久米桂一郎、和田英作ら(新派)の油絵の技法、絵具、画布などの相違点からも切り込みます。旧派と新派、比較した場合にどうなのか、それはぜひ本書をご覧いただきたいのですが、非常に興味深く、人によっては絵の見方ががらりと変わるのではないでしょうか。

修復から画家の制作姿勢も見えてくる。ぜひオススメ、というよりも美術が好きな人はぜひ読んでおくべき1冊です。

●『油絵を解剖する』歌田眞介著 NHKブックス 2002年
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オー・ヘンリー『賢者の贈りもの』

2009-12-24 08:41:42 | 読書感想
クリスマス・イヴ。一般的に今宵は街中のイルミネーションを見に行ったり、クリスマスケーキを食したり、しかも子どもにとってはサンタクロースからプレゼントをもらえるという大変贅沢な一日でもある(笑)私は、せめて心温まる小説を読みたいと思い、オー・ヘンリーの『賢者の贈りもの』を手に取りました。

ジムとデラの若い夫婦は、決して金銭的に豊かではないものの、お互いに愛し合っていて幸せな家庭を築いています。クリスマス・イヴ、お互いはそれぞれとっておきのプレゼントを購入します。自分の宝物を引き換えにして。そして夜、プレゼントを開けると…。この小説は、相手を思い遣る心こそが美しく尊いものであることを教えてくれます。イヴは心の内面と向き合い、お互いに感謝し合う一日。そのうえでイベントを楽しめば、ちょっと違う味わいになるではないかな、と思います。

私なりの静かなクリスマス・イヴの過ごし方でした。
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旧東京音楽学校奏楽堂

2009-12-23 21:55:21 | その他
東京は上野公園を歩いていましたら、旧東京音楽学校奏楽堂が一般公開されているようでしたので、初めて中へ入ってみました。私は明治、大正、昭和初期の近代建築が好きで、この建物も前から気にはなっていたものの、なかなかタイミングが合わず、ただ外から眺めるだけであったのです。

建物に一歩足を踏み入れると、直ちに姿勢を律しなければならないような歴史の重みを感じさせます。なかでも二階ホールは圧巻でした。小さなステージにパイプオルガンがあるのですが、あの存在感だけで音が迫ってくるかのような印象です。誰も居ないステージを見て、震えるような心持になったのは初めての経験でした。

旧東京音楽学校奏楽堂が建てられたのは明治23年。文明開化の時代です。当時の日本は西欧の文物を忙しく摂取していた時代で、和洋折衷の新しい文化が生まれた時期でもあります。この建物も例外でなく、建物の外側には琴とハープが一緒にデザインされているんですね。意外な組み合わせに驚きましたが、和洋の楽器を問わず、音楽を愛する設計者の精神が伝わって来るようです。いつかここでコンサートを聴いてみたいな、と思いました。


●旧東京音楽学校奏楽堂(明治23年)東京都台東区上野公園
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フォークナー『サンクチュアリ』

2009-12-21 18:59:18 | 読書感想
今日は寒くて、風の強い一日でしたが、部屋のなかに入ってくる陽気はとても暖かく気持ちが良かったです。掃除をして、買い物へ出かけて、本を読んで、のんびりとした休日でした。

さて、読み終えた本はアメリカの作家フォークナー(1897~1962)の『サンクチュアリ』です。あらすじは次の通り。酒に酔ったガヴァン(男性)は、女学生テンプルと共にウイスキー密造所へやってきます。ここにいるのは、一癖も二癖もありそうな人間たちばかり。そのなかでウイスキー密売人であるグッドウィンの内縁の妻で、唯一の女性ルービーは、同性のテンプルへ「夜になる前に逃げろ」と盛んに警告します。しかし、一人では逃げる勇気のないテンプル。しかも、一緒に来たガヴァンは、案の定酒に溺れて動けず。そして夜となって悲劇が…。

物語前半、ウイスキー密造所を舞台にしたミステリーは、読者をぐいぐい本の世界へ引き込んできます。後半はやや落ち着く調子でしょうか。(話の内容は決して大人しくはないのですが)また、だいたいの物語には主人公というのがいますが、『サンクチュアリ』は登場人物の全員が主人公の可能性を持った小説であるように感じました。これは、登場人物が個性的であるうえ、小説の流れや書き方に特徴があるせいだと思います。

あと…極めて感覚的なことなのですが、フランスの画家アンリ・ルソーの世界観と近いものが何かあるんではないかなと。登場人物たちの姿や物語の舞台など、頭の中でルソーの絵を思い浮かべていくと、かなり私のなかでしっくり来ます。ポパイは《サン・クルー橋近くの野辺の捨て子》に出てくる男性、ポパイと弁護士ベンボウの出合った泉付近は《ライオンを狩る人》のような場所だったのではないか…など、勝手なイメージがわいてきます。全く論理的ではありませんが、直感を書いてみました。『フォークナーとルソー、世界観の同一性』なんて論文は世界で誰も発表していないでしょう。いっそ書いてみようか…無理ですね(笑)

次はフォークナーの『響きと怒り』を読んでみたいと思います。

●『サンクチュアリ』フォークナー 加島祥造訳 新潮文庫 1973年
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アートのインパクト

2009-12-20 22:09:53 | 仕事
何だかここ数日、妙に寒いです。朝、布団から出るのがかなり億劫…(苦笑)。風邪はだいぶ良くなったけれど、ぶり返さないよう用心が肝要!

こんな寒い日ではありますが、戸外での仕事です。この時期、当館では外に地元中学生の作品展示をしています。木や石、ボトルを使った現代アート!どういう想いを持って作ったのかを聞くと、環境問題や世界の平和を願うものなどなど、発想がとてもグローバルなことにも驚かされます。とても多くの方に見ていただいたのですが、この展示も今日で終わりとなりました。それで私たちスタッフは片付けの作業となったのです。

今までインパクトのあるものが、広場一面に広がっていたのに、それをさげてしまうと、なんだかちょっとさびしい感じ。広場にアートがあるだけで、広場が楽しくなったり、面白くなったりするんですね。で、あれば、これを街中でやれば、もっと…。

一日中、力仕事でしたので、もうへとへとです。明日から久しぶりに連休!ゆっくり休みます!
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