学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

病床にて

2009-08-16 16:27:11 | その他
お盆休みも終盤、今日は美術館へ出かけようかと思いましたが、どうも体がだるいので家でゆっくり寝ていました。晴天にも関わらず、家で寝込むほどつらいものはない(泣)戸外を恨めしく想いながら、先日古本屋で買い求めた雑誌『民藝』357号(昭和57)を読みました。

「師・父 濱田庄司を語る」と題して、陶芸家島岡達三氏、濱田の四男でガラス工芸家の濱田能生氏の対談が掲載されています。濱田庄司の身近に居たお二人ですから、とても興味深い話をされており、読み進めていくと濱田庄司の人間性がくっきりと浮かび上がってくるような内容です。なかでも、中学生時代の能生氏が父からの一言について回想していますので、要約してご紹介します。


人生には人と競り合って勝っていく生き方と、誰もやったことのないものを見つけて自分の道を作る生き方があるが、どちらを選ぶ?というもの。


能生氏は後者を選択したそうです。父の濱田庄司も後者を選んだ方でしょう。人の性質によって、生き方は当然異なりますが、中学生にそうした問いを投げかけるあたり、濱田は独りの大人として接していたのですね。

あなたでしたら、どちらの道を選びますか?

ちなみに私も後者。私は誰も知らない道を、自分で探して歩くのが楽しくて好きですね!