廃れた涙の灰色を
君の膝元に添えよう
僕はそこそこに祈る信者になり
都合のいいときだけ君に忠誠を誓おう
空に踊りすぎる春の雲
急に翳りすぎる夕刻の落度
幸せなんて本当は
これっぽっちも信じられなかった
真実よりも
気持ちいいお遊びだってあるさ
そんなものに溺れて
僕らは阿呆になったんだ
廃れた灰色の涙
廃れた灰色の涙は
受け止めてもらえることがない
季節外れのスコールに濡れる潰れたキャンディストアの軒先みたいに
胸の中で長いこと色を変えてしまったから
それは
抱きしめられるには少々饒舌すぎるんだ
コントラストの狂ったテレビで
大好きな映画を見る奴はいない
だから僕は
廃れた灰色の涙を
君の膝元に添えよう
君の拒絶が
例え破壊するに困難を極めるものだとしても
ずっと後になって
あのときのあれは心情だったのだと
知ってもらえる程度の材料にはきっとなるから
信じる、信じないなんて
本当は
口にしないでも良かったんだ
僕たちが僕たちでいられる
ささやかな決意がそこにあったなら
誰も裏切らなかった
だけど
誰もが傷ついてしまったんだ
そんなことだってあるんだ
僕らが僕らであることは
そんなに
困難なことなのさ
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