それはきっと初めから出来上がっている
それはどこかにあるのか、それともどこにもなかったのか、違うやり方をすれば手に入れられたのか、近くにあったけれど見落としていただけなのか、要因なんて探せばいくつだって見つかるものさ、...
地の塩に乾杯しよう
そんなもんだよ、なんて分かったような顔したって、飽きもせず生きていくことなんて出来るわ...
水が絶えなければ循環は続いていく
本当に恐ろしいのは自身の存在とその周辺のすべてが本来あるべきはずの意味を失ってしまうこ...
バキューム・パック
テーブルに散らばったいくつかの破片と手紙の束、破片がなんだったのか思い出せないし手紙を開いてみる気も無い、わざわざやって来る知らせが重要なものだった試しはない、最終的に返信を希望す...
スピードスター・スリーパー
木偶の坊古びて肥溜めの中失笑、糞の臭い骨まで染みて夜通し風呂何度も入れ替えて浸かりふや...
結果や結論に付着物など無いものだ
越えてはいけない線の先の方がずっと生き易い世界だった、厳しさが両手を広げて迎え入れてく...
誰かの為に鳴らされる音はすべて歪んでいる
チャコールグレーの夜、ローヒールの足音が窓の下を通り過ぎる時、インスタントコーヒーが少...
革命なんか笑い飛ばすんだよ、実際の話
現代そのものを浴びるほど飲んで酩酊し続けている、根幹の抜け落ちた人間どもが俺を不愉快にする、そこで生きざるを得ない以上仕方のないことだとはわかっちゃいるけれど釈然としないよね、ぶっ...
指先の足跡
瞳孔に刻まれた光景は必ず陽の当たらない場所だった、建物に張り付くように生え広がった羊歯、身を屈めで様子を窺う野良猫、酔っ払いの小便の臭い、行場を失くして蓄積する湿気、誰かが捨てて行...
傘は要らない
曇天には俺が出しそびれた悲鳴が充満していた、古いダウン・ブルースのリズムで年老いた魚の...