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不定形な文字が空を這う路地裏

プラネタリウム






プラネタリウムの一番後ろで
滅茶苦茶にキスをしたね
それはもう、呆然として
ふたりして、名前を忘れるくらい


きみはいつだって最強のラブリーで
ミニスカートの端っこから世界を見せてくれた
きみがくれるものにぼくはぶらさがって
世界一のナマケモノみたいに暮らしていたんだぜ


デリバリーのピザの豪華なトッピングが
ふたりに出来る最高の贅沢だった
安物のシャンパンで乾杯するとき
ラジオから聞こえるロックンロールも少しだけピッチを上げたものだ


だけどもきみは突然どこかへ消えてしまった
そんな暮らしに興味をなくしたみたいに
たったひとりのベッドに横になって自分まで
きみが残したくぼみになってしまったような気がしていた


眠れなくなって目の玉だけが
あっちこっち真夜中を彷徨って
48時間みたいになっちまった24時間
寝返りを打つたびに身体を見失った


新しいピザの宣伝がドアからやってくるんだ
玄関のところで雪みたいになってる
きみがやってきてくれなきゃどんな味だかわからないぜ
きみだと思うものがぜんぶ違うものなんだ


プラネタリウムの一番後ろで
滅茶苦茶にキスをしたね
それはもう、呆然として
ふたりして、躍起になって
バカになって、名前を忘れるくらい


帰ってきてくれって言ってるんじゃない
ただこの空っぽを埋めて欲しいだけなのさ
やりなおそうって思ってるんじゃない
消えた火をもう一度
灯してほしいだけなのさ


プラネタリウムじゃまだ星が輝いてるよ
うっとりとさせるピアノの曲が流れているよ
それはそれはとてもロマンチックで
それはもうきっとまたすごくキスが出来るに違いないのさ


だけどこんな話をどんなふうに話しかければいいんだい
きみだと思うものがぜんぶ違うものなんだ

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