ちょボラ日記

ほんのちょっぴりだけど、ボランティアに携わったことを綴っていきます。

少年審判体験

2009-09-11 20:53:44 | 豊田市BBS会(更生保護ボランティア)
9月11日(金)

今回、とても貴重な体験をすることができました。
豊田市BBS(big brothers and sisters movmentの略)会という、更生保護ボランティアの主催で名古屋家裁での模擬少年審判体験をしてきました。
家庭裁判所とは、家庭内の紛争や非行を犯してしまった少年の事件を専門に取り扱う裁判所です。

初めて行く名古屋家裁。
普通の役所と変わりませんが、ちょっとした配慮がガラス張りの壁にしてあったりリラックスして話せる環境にするために緑や絵画などが飾ってあったりました。

今回の模擬少年審判体験はシナリオがあり、それにそって配役を決め話を進めていきますが、その前に職員の方によるあいさつと説明がありました。

即席で作られた席に、
少年と両親の正面には裁判長、そして右サイドに調査官、左サイドに書記官と事務官が座ります。
書記官役のわたしは特にセリフもなく座っているだけではありましたが、見学者役のひともおり緊張しました。

台本に従って坦々と進められていき、終わった後にどのような処遇を少年に対してするのかををひとりひとりで考えました。
検察官送致
少年院送致
保護観察
試験観察
不処分
説明をしてくださった職員の方から、正解はないので、自由に考えて意見を書いてもらえばいいです、と言われました。ですが、正直この模擬裁判だけで判断するのは難しくいろいろ考えてしまいました。
(実際は裁判だけでなく、調査をしたのちにさまざまなことを考慮して処遇を考えるとのことです)
参加された方の意見には、検察官送致から試験観察までさまざまでしたが、それぞれの意見を聞いてなるほどなぁと思われることがありました。
やはり被害者の方の気持ちをくんだり、少年が裁判所で発言した言葉を信じることができるかできないか、反省の気持ちがあるかないか、そして両親の態度などで、処遇が軽くなったり重くなったりと参加者のみなさん判断されたようです。
しかし職員の方が、少年裁判は、少年たちが立ち直るためにどうすることがいいのかを考える裁判であり、処罰をするということとは違うということを最後に言われていたので、それがやはり刑事裁判との大きな違いになるのではないかと思いました。
参加者の方の意見を聞いたのちに、3人の調査官の方がみえ、わたしたちの質問に対して丁寧にわかりやすく応えてくださいました。本当に一生懸命少年たちが立ち直ることを考えているのだというのがよくわかりましたし、ひとつひとつの事件に対して判例というか基準がないため、ケースバイケースでしっかり調査をして処遇を決めているということでした。
話をいろいろ伺う中で、今と昔では非行にはしってしまった少年の親の態度が変わってきているということから、少年の非行問題を考える前に、あらためなくてはならないのは、むしろ子どもたちの見本となるべき大人たちがどうなのか?ということを思いました。

興味深い話が終わったあと、実際の裁判所の部屋などを見学をしたのち、10分ほど離れた場所にある名古屋保護観察所に、参加された方といまの社会や、ひととのつながりについておしゃべりしながら歩いて移動しました。

保護観察所では、観察所の役割をもうちょっと深く説明してもらいたかったのですが、主にBBSの活動宣伝となってしまい半分嬉しいような困るような…そんな感じでした。
ですが、H19年より被害被害者の方への相談支援が行われていることがわかったので、これがきちんと機能して充実してほしいと思いました。やはり被害者の方の悲しみや怒りのケアをするというのは本当に大切なことなので。

3時間ちょっとの長い講座が終了し、名古屋城のしゃちほこを遠くにみながら地下鉄に乗込みました。
地下鉄に乗る時はまだ明るかったのに、降りたころにはすっかりあたりが暗くなっていました。

加害者も被害者もつくらないようにするにはいったいどうしたらいいんだろう?
何が必要なんだろう。

そう思いながら、なんだかちょっとこころが重い帰宅となりました。

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