『1丁目1番地1号』その8回目はまずは八丁堀から。以前の経験からも1丁目1番地1号は必ずしも中心に近いところにはない。八丁堀も同様で八丁堀交差点からは随分と離れている。
『八丁堀1丁目1番地1号』は高速道路の宝町ランプから久安橋を渡り、すぐに左に曲がったあたりのビルである。
久安橋は元は楓川にかかっていた橋であるが、現在、川は暗渠となり、その上に高速道路が走る、つまり高速道路に架かる橋なのである。
今度は『京橋1丁目1番地1号』を目指す。鍛冶橋通りを渡り、久安橋を越えて、東京駅方向に歩く。中央通も越えて、少し行ったあたりにあるダイビルが京橋1丁目1番地にあたる。
その前には尾台榕堂という江戸時代の漢方医の銅像がある。銅像は医師が子供達を診察している様子だが、徳川家茂にも御目通りが叶い、この地で開業した名医であった、と案内板には書かれている。
次に『銀座1丁目1番地』を探すべく中央通を歩く。高速道路を越えたあたりには京橋の親柱が残されている。交番の前にある地図を見るとここが銀座1丁目2番地、それならば1番地はこの地番に隣接しているはずと高速道路に沿って歩く。
しかし、茨城県のアンテナショップがある外堀通りまで行き、ぐるっ回って元の場所まで帰っても1番地はない。おかしいなと思いつつネットで調べると何と銀座1丁目〜3丁目、6丁目〜8丁目には1番地がないのである。
というのは東京高速道路(株)になっている場所は元は汐留川で長年にわたり、埋め立てたこの土地が中央区と千代田区のいずれの所在になるかが確定できていない。このため、銀座1丁目は2番地から振り始めた。というのも、区境が決定した際に1番地を降る予定なのだが、その状態が変わらないので1番地がないのである。そんなことも知らずにぐるぐると高速道路の下を回るとは思わなかった。
こうして1丁目1番地1号を探してみると新たな発見があってそれなりに楽しいものである。