hokutoのきまぐれ散歩

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お盆雑考

2014-07-20 07:59:17 | 日記

お盆というと8月中旬の旧盆を連想するが、東京などは新盆で行うことが多い。先週の週末、家の近所を歩いていたら玄関に岐阜提燈が飾られていた。

そもそもお盆を正式に言うと『盂蘭盆会』で7月15日を中心として行われる先祖供養の儀式で、先祖の霊があの世から戻ってきて、また、天に登っていく日本古来の信仰と仏教行事がむすびついたものである。

元は盂蘭盆会はサンスクリット『ウラバンナ』の音訳で『逆さに吊るされた苦しみ』の意味。釈迦の弟子である目蓮が釈迦の教えに沿って僧侶に食べ物を施し、供養することで死んで地獄に落ちた母を救ったと言う言い伝えによるらしい。

東京などは先週末がお盆だったが、通常は精霊棚を設け、位牌を出し、果物や野菜、ご飯や餅、水などを供える。その際に『キュウリで作った馬』や『ナスで作った牛』を飾る。馬は『足の速い馬で早くあの世から帰るように』、牛は『足が遅く、力の強い牛はゆっくりあの世に戻り、この世から供物を多くもって帰れるように』との願いがこめられている。

そして、13日の夕刻には盆提燈を灯し、庭先で麻幹を迎え火としてたく。また、16日の夕刻には精霊送りの火として麻幹をたく、というのかわ一般的。特に亡くなってから始めて迎えるお盆のことを新盆と呼び、盛大に行うことが多い。

実は夏の行事はお盆に纏わるものが多く、京都の大文字焼きはお盆の送り火であり、長崎の精霊流しは先祖がこれに乗って帰る風習。


また、盆踊りを行なうのも平安時代に空也上人が始めたもので歴史がある。全国には郡上踊り(岐阜県)、おわら風の盆(富山県)、阿波踊り(徳島県)、デカンショ祭り(兵庫県)など数多く、名が知られていないものも含めるとその数は無数にある。また、沖縄のエイサーも盆踊りの一つだとか。

夏の暑い時期に先祖を思うのも日本人らしくて良い習慣だとしみじみ思う。こんなことを考えるようになったのも年をとった証拠かも知れない。