放菴日記抄(ブログ)

これまでの放菴特集・日記抄から「日記」を独立。
流動的な日常のあれこれを書き綴ります。

時計台と運河紀行3

2022年11月06日 01時30分12秒 | あんなこと、こんなこと、やっちゃいました
 明るいところに出ると、緑の照り返しが眩しい。
 見れば、外壁のメロン色が夏の日差しを柔らかく受け止めている。これがエナメル質の白い塗装ならば、陽の光もひときわ鋭く感じただろう。森の中にある博物館は、その存在自体が奇跡的なのは言うまでもないが、その美しさにおいても奇跡的だと思う。
 美しさの要素として、この洋館が木造であることも特筆すべきである。外壁は横板が重なって段々畑のようになっている(横板の下の部分がせり出すようにして、その下にさらに横板を滑り込ませるように嵌められている)いわゆる「下見板張」と言う工法。かと思うと横板をフラットに嵌めている部分もある。なんか目的が違うのかな?それとも装飾的な意味?

 素朴なギモン。
 どのくらいの厚みのある板なのかわからないが、よく北海道の厳しい風雪に耐えるものだ。なぜ石やモルタルではなく木材で建物を造ったのだろう?
 このギモンは、旅の後もしばらく頭の片隅にくすぶることになる。

 博物館の背後にも歴史的建造物が控えている。いずれも木造建築。ゆっくりと歩をすすめ、一棟ずつ見て回る。中に入れないのが残念。

 足元に見たことないような大きなマツボックリが落ちている。エゾマツだろうか。エゾマツったって3種類くらいあるようだが、申し訳ない、マツボックリでは標札がないから見分けがつかない。とにかく大きい。クリスマスの飾りみたい(ってか、そのまんま)。
 お、木の根本で何か動いた?
 建物群の後では緑が密集していて陽も差さない。奥からせせらぎの音がする。
 その陽が差すか差さないかの境界をするするっと動くものがいる。

 エゾリス?

 尻尾にやや硬そうな黒い毛が混じって見える。
 エゾリスだ。写真でしか見たことないけど内地のリスとは明らかに違う。
 次の瞬間、小さく芝草を揺らして森の奥へ消えていった。

 ホントにここは2百万人都市なのかい?大自然そのまんまだよ?
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