放菴日記抄(ブログ)

これまでの放菴特集・日記抄から「日記」を独立。
流動的な日常のあれこれを書き綴ります。

鳴子~鬼首の旅6

2011年09月05日 23時39分58秒 | Weblog
 はあ、こういう連載をダラダラ書いていると、「遅筆」であることがバレバレでんなぁ。

 
 さて、お宿でチェックアウト(ブルーベリーと温泉玉子もらっちゃいました!ごちそうさまでした)を済ませたものの、なんだか名残惜しくなり、結局ロビーでコーヒーを頂いた。被災地から来た方々も、ソファでゆっくり寛いでいる。そうね、これからまた忙しくなるもんね。みなさんにとって、これが充電に至る最上のひとときでありますように。

 奥にはタペストリーが飾られている。いろいろなそれは人たちが書き残して言ったメッセージだった。自分に対して書いているものもあるし、誰かを励ましているものもある。
ほっこりするメッセージ、ちょっとドキっとするメッセージ、そしてパワーをもらえるようなメッセージ。みんなすごいな。

 何気に見ていたら、ちょっとしたことを発見。
 タペストリーの中央に書かれている文字は「夢」という字に見えていたが、よく見るとひらがなで「ありがとう」とかかれていることを発見。おもしろいね。まるで文字が柔軟体操しているみたい・・・。

 
 お宿に別れを告げて、中山平温泉に別れを告げて、鳴子の市街地まで下ってきた。

 そこに大きな橋が架かっている。このあたりでは江合川を渡れるのはここだけ。
 つまりここが鳴子路と鬼首(おにこうべ)路との分岐路というわけ。

 橋を渡ると向こう正面の巨大な岩肌に、太い送水管のようなものが設置されているのが見える。この辺からなんだかすこし雰囲気が異様だ。

 なぜだろう、川を隔てただけなのに、やけに岩肌がごつごつしたエリアが続く。緑したたるようなさっきまでの風景と全然違う。

 気のせいか、マグマ溜りのような地熱が、タイヤを伝ってお尻のほうまで焙られるような熱気を感じる。それもそのはず。ここら一帯は地熱がすごいので、そのエネルギーを利用した発電所までが設置されている。

 やがて道は大きく分岐し、やや高原めいた方へとクルマは走る。すこしホッとする。
 ゆるやかなアップダウンがつづく。左右に拓けた敷地があって、そのほとんどが牧草地のようだ。あっちの草原で牛が草を食ん出んでいるのがノドカで良い。
 
 この先はオニコウベスキー場だ。夏の間は雪がないからなんかもっと楽しいことをしているようだ。

 さっそくスキー場のロッジに入館。ゴンドラ券を買い、乗り場へと階段をあがる。

 実はコレ、BELAちゃんのサプライズ企画。
 このあとどこへ行くかはBELAちゃんのみぞ知る。

 ごんごんと歯車がまわり、つぎつぎとアプローチするゴンドラ。あっちを見ると、そのゴンドラがまたどんどんと山頂へと送り出されてゆく。
 これ狭いんだよな。高所恐怖症と閉所恐怖症のひと最悪だろうな・・・。

 キュウキュウ乗り込み、ハッチを閉める。とたんにグーンと押されるように前へ進んだ。ちょっとプラットホームにボディをこすったりして(ゴリッ)、そこで一旦タメが入る。このタメがやけに心拍数を煽りつける。再びグーンと押されて、ゴンドラは空へと引っ張られていった。ちょっと「スターウォーズ」の気分。

 眼下にはゆるやかな傾斜の草原(冬にはゲレンデになるところ)、そして濃い緑色の森林。高いところはほとんど原生林に近いのではないだろうか。高度が上がるにつれて見晴らしもよくなり、オニコウベスキー場なみならず、広大なリゾートパークがまるまる見えるようになってくる。そうなると山の森林はだんだん背が低くなり、やがて地を這うような松などが見えてくる。高山植物だ。
 ゴンドラはぐんぐん登ってゆく。びっくりするくらい高くなってきた。
 やがて着いたのは、ホントの頂上。禿岳の支峰・小柴山。このへんの尾根はぜんぶ宮城県と山形県の県境。
 木々の切れ間から覗くと、大パノラマが夏の日照のなか
 高度があるから下界よりは少し涼しい。

 ときどき大きなリュックを背負った人が追い越してゆく。
 何処へいくのかは不明。荷物がやけにデカい。

 と、目の前に大きな小屋組みの建物が見えた。
 壁がみんなザイル生地の網になっている・・・。お? これってもしかして?

 「カブトムシだっ!」
 次男が叫んだ。
 
 狂喜の声をあげて小屋に飛び込んでゆく。BELAちゃんサプライズ大成功。

 子供たちは遊びの天才。だれとでもすぐに仲良しになれる。
 カブトムシ片手に誰かれなく声をかけては「勝負しよう!」と遊んでまわった。
 そしてそのまましばらく小屋から出ようとしなかった。

 成功したけど、成功しすぎ・・・?

 なんとか小屋から次男を引き剥がし、今度は下界のカート乗り場へ。
 こっちはガソリンエンジンが爆音を立てる本格的なヤツ。
 「僕が運転する!」
 男の子だねぇ。BELAちゃんのサプライズはこっちも大当たり。

 しかし長男は優雅にサイクリングタイプのコースを選択。
 次男はアクセルガンガン踏みまくってカートコースを攻める(フォローが大変・・・)

 ほどほどのところで、長男をむりやりカートコースに引っ張り込んだ。
 案の定、パニクる長男。アクセルを思いっきり踏んでロケットの様に突っ込んでいった。
 「足に力入れるからスピード出過ぎるんだろーが。」
 と足をきゅっとつねると、やっとスピードが落ちた。

 長男は頭でっかち。次男は感覚本意。
 だから長男はコーナリングの基本をゆっくり語って聞かせる。
 次男はとりあえずハンドル握らせて、横から強制的に修正していく。
 兄弟でこうも性格が違うものか。

 やれやれ、で午前中めいっぱい遊んだら、最後にあるのは、やっぱ「温泉」でしょ。

 リゾートパークに別れを告げて、さきほどの岩山の方へ進む。やっぱこっちのほうがジリジリ来る。
 山沿いを登ってゆくと途中からは民家が一軒もなくなる。
 それぞれの温泉は営業しているようだが、地熱やら何やらで人が住むには向かないのだろうか。

 鬼首の市街というと、川を隔てて西の方というイメージがある。そこから橋を渡って鬼首温泉に勤めにくるのだろう。

 鬼首の共同浴場に到着。
 ここのお湯も熱かった。鳴子ほど硫黄臭はないものの、やっぱり熱い。なんか、ここらの温泉は上級者向けなんじゃないかしらね。

 鬼首の大地がジリジリビリビリくるのもそれはそれで自然の恵みなんだけど、ときおり見かける「○○地獄」なんて看板から想像するのは、どうしても火の山のイメージ。ハンパない、すごいところだね。

 てなわけで、温泉三昧の旅でした。うまいモン食って、寝て、お風呂入って、リラックスできました。
 被災者との交流はどうも遠慮してしまったけど、どこかで何か約にたてることをまた探しましょ。また行こうね。こんどはこんなに猛暑でないと助かるんだけどね。

 帰り際の収穫は「鳴子ビール」。
 おいしかったー。 新商品:パイナップルビールはオススメ!
   
 


 
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