その日その時 写真で見る歳時記

気ままに写した写真に気ままな言葉たちの集まり

末摘花(すえつむはな)

2007年07月18日 | Weblog

末摘花(すえつむはな)

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わけもなく 流れる涙が

教えてくれることがある

たとえば

それは

こんなに

あなたを 好きだということ

・・・

 

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棘のない紅花

末摘花(すえつむはな)

紅花(べにばな)のことです

今でも、良質の油が取れることで有名です

この花からとれる紅の色は

口紅や衣装の染料として使われます

花は 黄色からだんだん赤味を帯びてゆきます

染料にするには

咲き始めの花を

外側からこまめに摘む必要があることから

末摘花(すえつむはな)と

呼ばれるようになりました

紅花には

棘があり 摘むのは大変なのだそうです

「源氏物語」にも 

末摘花という名の姫が登場します

彼女は

鼻の赤い、あまり美しくない姫として

描かれていますが

本物の末摘花と違って

棘がありませんでした

光源氏は

がっかりしながらも

結局

彼女を引き取り

最後まで面倒を見ています

落ちぶれた皇族として

貧しい暮らしを余儀なくされながらも

真っ直ぐな心を失わなかった彼女

やはり

幸せをつかむことが出来たようです

 

 

 


心化粧(こころげしょう)

2007年07月17日 | Weblog

心化粧(こころげしょう)

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嘘をつかないこと

欲張らないこと

最初の気持ちを忘れないこと

それが

私の恋の三原則

~~~

 

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愛する人に会うための心の準備

心化粧(こころげしょう)

心に化粧する

つまり

相手に好意を持ってもらいたくて

あの人の好きな話題は何だろうとか

こんなことを言うと嫌われてしまうかも

などと、いろいろ心の準備をしてゆくことです

「心づくろい」ともいいます

「源氏物語」の中にも

何度も「心化粧」という言葉が出てきますが

平安時代に

すでに使われていた言葉だとわかります

化粧というのは

本来神事などで

神様をお迎えする

特別な日にするものでした

ですから

今日はあの人に会える特別な日というときに

顔だけでなく

心に化粧するというのも

かわいい女心が表れている気がします

 

 

 


遣らずの雨

2007年07月15日 | Weblog

遣らずの雨

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わたしのことを 雨女だと

あなたはいつも 笑うけど

ねぇえ~知ってる?

この雨が

あなたと逢うときにしか

降らないことを・・

・・・

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行かせたくない人を引き止める雨

遣らずの雨

恋する男女が久しぶりに会えました

けれど男はすぐ出立しなければなりません

短い時間を惜しむ二人

男が「さあ行かなければ・・・」と

立ちあがったとたん

まるでそれに合わせたかのように

激しく降り出す雨

このように行ってほしくないのに

行かなくてはならない人を引き止める雨が

「遣らずの雨」です

「遣る」とは

人を行かせること

同じ意味で

「遣らずの風」という言葉もあります

一時でも長く

好きな人を引き止めておきたい

そんな切ないいじらしい

女心を表す恋の言葉ですが・・

今の時代・・やや心が離れているかも?

 

 


願いの糸

2007年07月14日 | Weblog

願いの糸

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あなたを好きだと思うときの 赤

近くにいられないときの 青

一緒にはしゃいでいるときの 黄

幸福でいてほしいと祈るときの 白

いろんな色を 紡ぎ合わせて

わたしは想いの機を織る

最後は 紫

神様に 願いが届きますように

***

 

七夕の竿先にかける五色の糸

願いの糸

旧暦七月七日は七夕祭り

幼稚園の庭先に

七夕飾りが雨にぬれている

竹の竿の先につけて

織女星に

手向ける五色の糸を

「願いの糸」といいます

五色の糸を飾って星に祈ると

三年の間に必ず

願いが叶うと言われました

いつの時代も

ひそかに恋の願掛けがなされてきたようです

七夕は

古くは宮中の行事でした

江戸の頃にはすっかり

庶民の行事として定着しました

江戸初期には

竹に五色の願いの糸をたらすだけでしたが

元禄の頃には

色紙や短冊に

古歌や自作の和歌を書いて

吊るすようになり

現代へと続いてゆきます

恋しい人の名前を書いたり

字や裁縫が上手になりたいと

願ったりした七夕の

この風習を詠んだ歌があります

「七夕のまつるこころはひとつにて

願いの糸はおのがすぢすぢ」

(源 頼政)

 


白雨(はくう)

2007年07月13日 | Weblog

白雨(はくう)

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白く煙るはげしい雨

きみの気持ちが わからなくなる

私は どこにゆけばいいの

手風琴のピアソラが

遠くで響く・・

・・・

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はげしい雨に白く煙る夕立

白雨(はくう)

見る見る空が暗くなり

大粒の雨が地面をたたきつける

水しぶきであたり一面

もうもうと白く煙ることから

夕立のことを「白雨」といいます

やや文学的な表現ですが

雨を色でとらえた

美しい言葉としてよく使われます

時には、雷鳴を伴って激しく降り

再び日が射し

蝉の声などや人通りも元に戻る

この夕立の豪華さ、潔さ

炎暑をうそのように拭い去って

涼気をもたらす爽快さが愛されて

夏には欠かせない風物詩になっています

暑い夏は・・もうすぐそこ。

 

 


天使の梯子(はしご)

2007年07月12日 | Weblog

天使の梯子(はしご)

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たくさんの天使が迎えに来ていたね

空へと続く その階段を

きみはゆっくり 登っていった

耳の奥でかすかに聞こえる

ラ・カンパネラ

最後にきみは振り向いて

ふりむいて 笑顔で言った

「バイバ」と・・・

・・・・

***

 

雲間からさーっと射し込む陽のひかり・・

天使の梯子(はしご)

雲の切れ間から幾筋もの太陽の光が

さっと射し込むことがある

なんだか神々しさを感じます

あたかも

天と地の間に

掛けた梯子のように見えます

この梯子を

天使が行き交う姿を想像して

西欧では

Angel's Ladder(天使の梯子)と名づけました

別名「ヤコブの梯子」ともいいますが

その由来は

「旧約聖書」に出てくる

ヤコブの夢からきています

「ヤコブはハランに向かう途中で

日が沈んだので

そこで一夜を過ごすことにし

その場にあった石を枕にして

横たわりました

すると

ヤコブは夢を見ました

天から地に向かって

さーっと光の梯子が伸びてきて

神の御使いたちが

それを上がったり下りたりしてさざめいていました」

ヤコブの夢に出てきた天の梯子だから

「ヤコブの梯子」

日本だったら・・

さしずめ神話の神々が

登場するのでしょうか?

 

 

 


蓮っ葉(はすっぱ)

2007年07月11日 | Weblog

蓮っ葉(はすっぱ)

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あなたのしぐさは

ふと 驚くほど女っぽい

まだまだ 幼な子なのに

あどけない仕草の中に

すでに女性として

確立されてゆくものがあるのだろう

しだいしだいに

私との距離が出来てくるのは

仕方がないことなのだが

まだまだ

パパ・・ぱぁぱあ~と

甘えていてくれる

きみがそばにいてほしい気がする

***

聖女を悪女

蓮っ葉(はすっぱ)

ちょっと軽薄で、浮気っぽい女性のことを言います

これは

お盆のお供え物を

蓮の葉で包んだことが始まりです

やがてお供え用の蓮の葉を売る人が出てきました

それを蓮葉売(はすはあきない)と呼び

次第にきわもの商売を意味するようになったそうです

蓮葉物(はすはもの)といえば

間に合わせのよくない品物

それが 女性にまで

当てはめられるようになってしまいました

~蓮葉(はすば)の 濁りに染(し)まぬ心もて

なにかは露を 玉とあざむく~

(「古今和歌集」僧正遍昭)

意味は・・・

~濁りに染まらない清らかな心を持っていながら

どうして 露を宝石と見せて 欺こうとするのだろう~

まるで

聖女と悪女

二つの顔を併せ持った魔性の女性のようです

最近あちこちに・・いるとか~(爆)

 

 

 

 

 


蓮華(れんげ)

2007年07月10日 | Weblog

蓮華(れんげ)

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ひ~らいた ひ~らいた

何の花がひ~らいた

れんげの花が

ひ~らいた~

あなたが歌うと・・

つい一緒に歌ってしまう

あなたの好きな歌

花といわず

開くものを見つけると

歌詞を変えてこの歌が出る

そういえば最近

あまり歌わないね・・

ある時期までは作詞作曲家だった

あなたが・・歌わなくなったことは

成長したって言うことらしい

何かを捨て去る分新しく成長するんだとか

子どもの成長の知識人が話していた

成長おめでとう!!

・・・

泥より出でて 泥に染まらず

蓮華(れんげ)は

「蓮(はす)」のことです

わらべ歌に歌われるれんげは

この蓮のことだそうです

春に咲くレンゲソウは

もともと・・ゲンゲと呼ばれていました

蓮の花に似ていることから

蓮華草と呼ばれるようになったそうです

鍋物などに使う散り蓮華も

形が蓮の花びらに似ていることから

こう呼ばれています

「泥より出でて 泥に染まらず」

濁った泥の中で育ったにもかかわらず

信じられないほど清らかで美しい花を

咲かせる蓮の花

自分の不遇を嘆きたくなったときには

思い出してみるといいかもしれませんね

こんな花もあることを・・・

 

 

 


咲初小藤(さきぞめこふじ)

2007年07月09日 | Weblog

咲初小藤(さきぞめこふじ)

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きみの つぶらな瞳を見ていると

きらきらと・・

明日への輝きに 満ち溢れているね

いつまでも いつまでも

輝いていてね

・・・

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小さな明日を用意して

七月の誕生色は

梅雨明けの夏の光りに輝いた

紫露草の淡い紫です

昔からある露草は

藍色の小さな花を咲かせますが

紫露草は藤色の花で

明治の初め頃入って来た露草の

園芸種が野生化したものだそうです

どちらも

花の命は一日

散るのではなくて

まるで溶けるようにしぼんでしまいます

そして、その養分は

次の花を咲かせるために使われるそうです

かといって

弱く、はかない花ではありません

強い生命力を持った

たくましい花です

一日でしぼんで

小さな蕾をたくさん用意して

次々に咲かせます

いつも

明日の蕾を持っている・・・

それが輝いて見える秘訣なのでしょう

今日も藤色の花が咲き始めました

 

 

 

 


愛逢月(めであいづき)

2007年07月06日 | Weblog

愛逢月(めであいづき)

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ことしは どんな願いを書こう

幸せいっぱいの日々

ただ あなたに感謝の気持ちを

そして

あなたの 元気を~

願いはあなたのことだけ・・

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愛に逢う月

七夕月(たなばたづき)

七夜月(ななよづき、たなやづき)

そして

この、愛逢月(めであいづき)

どれも

七夕にちなんだ七月の異称

文月の語源も諸説ありますが

一説には

短冊に歌や字を書いた七夕の行事から

文披月(ふみひろげづき)または(ふみひらきづき)

それが転じて文月となったといわれています

七月といえば七夕だったのですね

また

この月に咲く花の名前から

蘭月(らんげつ)、女郎花月(おみなえしづき)・・

稲穂のふくらみを見る月でもあったので

穂見月(ほみづき)

そして

旧暦では秋の始まりの

秋初月(あきはつづき)

現代版愛逢月(めであいづき)は

これからが夏本番

ロマンティックな出会いを予感させるこの言葉・・

さぁあ・・あなたは

どんな愛に逢えるでしょう?