夏野(なつの)
***
力を付けて輝く太陽
むくむく膨らむ白い雲
野菜を積んだトラックが
風に幌をなびかせて
走ってゆく
さぁあ~ ぼくたちも
アクセルを踏み込もう
加速する夏の香りを
胸いっぱいに吸い込んで
・・・
***
草いきれするような夏の野原
夏野(なつの)
さまざまな夏草が生い茂って
緑濃い夏の野原のことです
日本中どこでも
国道を少し外れて歩けば
真夏の日の下
雲の下にこうした草の生い茂る
野原を見つけることが出来る
夏野を行くと、草いきれにむせ返って
暑さもひとしお感じますが
古い時代から人々は夏野で
薬草を採ったり、鹿の袋角を取ったりする
薬狩りの行事を行っていました
それゆえ「夏野」という言葉は
万葉の時代にすでに使われていましたが
近代になると、新緑の頃の夏野を
「卯月野(うづきの)」
梅雨の頃の夏野を
「五月野」ともいい
緑一色なので
「青野」ということもあります
いずれにしても
夏野という一言で
太陽のかっと照りつける
草の生い茂って暑い野原を
思い浮かべてしまうのですから
言葉の力とはすごいものですね