空蝉(うつせみ)
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非通知の着信を
あなただと
直感して 思い知る
いまでも忘れられずにいるのは
あなたではなく
わたしの方だと
・・・
・・・
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蝉が脱皮した後の抜け殻
空蝉(うつせみ)の語源は
「神」に対する
「うつそみ=現世の人」という意味ですが
平安時代から「蝉の抜け殻」の
意になったそうです
「源氏物語」でも
「空蝉」は
蝉の抜け殻のように
衣を脱ぎおいて
源氏の求愛から逃れています
和歌では「空蝉の」は
「世」「人」「身」にかかる枕詞(まくらことば)として
はかなさや無常を詠むときに使われます
俳句では
夏のはかない景物として
「蝉の殻」「蝉のもぬけ」といった
言い方をされます
芭蕉は
「梢(こずえ)よりあだに落ちけり蝉のから」
蕪村は
「わくら葉にとりついて蝉のもぬけかな」という
句を残しています