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その日その時 写真で見る歳時記

気ままに写した写真に気ままな言葉たちの集まり

週末コラム 16

2013年02月09日 | Weblog

 

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週末コラム 16

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美人の裏面

今週末の話題も鳥の話で・・・

カワセミという鳥を皆様ご存知ですよね

生きている宝石といわれるほど美しい小鳥

別名を「ヒスイ」といわれ、漢字では「翡翠」とかきます

「翡」 は雄のカワセミを、「翠」は雌のカワセミを指します

ともに羽が入っている文字ですから鳥類を意味します

宝石のヒスイはあとから「カワセミのようにうつくしい」ことから命名

このカワセミは美男美女の権化のような存在なので

近づいたらきっと馥郁とした香りが漂うと思いがちですが実は、猛烈な悪臭がします

英語では「Kingfisher」といい漁師の王様という意味です

東北の一部では、この鳥のことを「クサンポ鳥」といいます

臭い鳥という意味です

成鳥は水中に飛び込んで魚を捕らえるので

絶えず羽づくろいをして身綺麗にしていますが、繁殖期の巣の中は

魚の腐ったにおいに満ち溢れています

魚を消化した液状の糞を、雛が巣の出入り口に向かって射出します

巣穴の坑道は外に向かってゆるい下りになっているので

糞は、白いペイントのように坑道を流れ

雛が巣立つ頃には外に流れ出てきます

その臭いこと、百年の恋も冷めてしまうほど・・

又成鳥が魚を捕まえると岩や木の枝に叩きつけて殺します

そんな情け容赦のない殺しかたは、息のつまる残酷さです

しかし、雄は最愛の雌にとらえた魚をプレゼントします

雌が飲み込みやすいように必ず

魚の頭の方から口移しに渡します、心なごむ瞬間です

この時期は、カワセミの甲高いピッという鳴き声とともに

精力的に魚を捕まえます

ちなみの雄雌の見分け方は、嘴の下側が赤いのが雌、黒いのが雄です

お近くの川や池で見かけることが多くなりますので

ぜひ観察してみいてください

 

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2013年02月08日 | Weblog

 

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 奈良時代以降に日本に渡来したといわれる梅

梅は見る時期で趣が変わり長い間楽しめる春の花ですね

野生化して物も含めて300種以上ある梅

その花が一輪だけ咲きました

いよいよ梅に季節がやってきます

梅は朝方たくさんの気を放出します

梅を見るなら午前中といわれる所以ですね

梅は白と赤・・色分けがはっきりしていて気持ちがいいね

 

「白梅と紅梅の枝と空に逢ふ」 原裕

「勇気こそ地の塩なれや梅真白」 中村草田男

 

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春浅し

2013年02月07日 | Weblog

 

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春浅し

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暦の上では立春が過ぎたものの、本格的な春ではありません

今年は、関東地方にも、雪が積もったりしてます

僅かながら春らしさを心に感じていても

まだ冬の厳しい寒さを引きずっている頃を言います

「春浅し」には、「行く春」「春惜しむ」などのような

深い情感を込めた同義語がたくさんあります

「春浅し」には、情を込めて飾る言葉はほとんどありません

季語として使われたのはずいぶん遅く明治に入ってからだそうです

しかし、春の兆しを感じることには変わりがありません

暖かい地方では、梅が芽吹き、空にはメジロが飛び交います

雪の中にフキノトウを見つけるのもこのころ

「早春」という季語がありますが、「春浅し」の方が柔らかな感じですね

写真は「フキタンポポ」ですが、名前を目にする機会が少ないかも

少し説明をします

科名:キク科 属名:フキタンポポ属

和名:蕗蒲公英 款冬:(カントウ)  学名:Tussilago farfara

ヨーロッパ、シベリア、中国、北アメリカ、カナダの道端、荒地などで見られるそうです

日本では、観賞用に栽培され、一部野生化もしているそうです

花は、陽があたると開き、夕方には閉じます

 
花後に、フキに似た葉が生長します 
早春に花を、夏に葉を採取

花を乾燥したものを、漢方の生薬(しょうやく)名で款冬花(かんとうか)と呼びます

「木より木にかよへる風の春浅き」 臼田 亜浪

「浅春や大川の色動かざる」 立松けい

 

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フクジュソウ

2013年02月06日 | Weblog

 

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フクジュソウ

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 陰暦だと新春に花が開くところから

福寿草、元日草などの名前があり、凍った土をあげて咲きます

元々日本に野生する宿根草で、根茎から短い茎を立てて

菊に似た黄色で可憐でふくよかな花を開きます

朝開花して夕方眠る花で、茎も短いために

鉢植えに適していて、ひげ根が沢山あり強い生命力があります

盆栽にして正月用品売り場などにも並びます

「福寿草家族のごとくかたまれり」 福田蓼汀

「日のあたる窓の障子や福寿草」 永井荷風

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立春

2013年02月05日 | Weblog

 

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立春

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陽暦2月4日ごろ・・この日から春になります

陰暦では1年の始まりと考えられていました

立春を基準にさまざまな決まりや節目の雑節が決められています

八十八夜や土用、二百十日などは、すべて立春から数えています

曹洞宗では「立春大吉」と書いた札を門に貼ります

この字は縦書きにすると左右対称で

厄除けと招福のおまじないになります

陰暦では立春の前後が元旦にあたりますので

立春大吉とは謹賀新年と同じような意味なのです

「立春を五分遅らす長電話」 有馬英子

「立春大吉十一面観音耳飾」 佐子まりな 

(写真はセツブンソウ) 

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節分草

2013年02月04日 | Weblog

 

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節分草

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キンポウゲ科の多年草、谷間の日陰や山麓の木陰などに自生

石灰質の土地を好み、寒さに強く盆栽などで親しまれています

花の下に深く切れ込んだ苞葉をつけて、花びらと見える部分は

5つの萼片で、実際の花弁は退化してしまってます

節分のころに花を咲かすことでついた名前

関東秩父方面ではよく見られる花です

 

「咲くだけの光あつめて節分草」 高橋悦男

「節分草慈母観音の肌ぬくし」 嶋岡茂雄

 

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週末コラム 15

2013年02月02日 | Weblog

 

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週末コラム 15

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陽気がよくなって、小鳥たちの鳴き声がよく聞かれます

そこで今日の話題は「聞き做し」について

さえずりの「聞き做し」には

想像力が生み出したといってもよいものがたくさんあります

皆様は鳥のさえずりはどんなふうに聞こえますか?

さえずりと呼ばれる長く美しい鳥の鳴き方は

とりわけ鳴禽(めいきん)と呼ばれる小鳥の雄が

繁殖期に縄張りを宣言し、雌をいざなうときの鳴き方です

我々はその鳴き声を楽しみますが、その複雑なさえずりは

人に伝えるにはとても苦労します

昔の人たちは、さえずりのリズムを人の日常言語にあてはめて

そのニュアンスを伝える工夫をしてきました

代表的なのが「ウグイス」です・・

「法華経」であり「特許許可局」はよくご存じだと思います

この表現のことを「聞き做し」といいます

又鶏の「コケッコッコー」とかからすの「カアカ」は擬声語といいます

ここで少し鳥にまつわるものを・・・・

つばめ・・「土食って虫食って渋ーい」

メジロ・・「長兵衛、忠兵衛、長忠兵衛(ちょうべえ、ちゅうべえ、ちょうちゅうべえ)」

キジバト・・「先生バカー」は「親に孝行」にも聞こえ

コジュケイは・・「ちょっとこい」と聞こえますが

「母ちゃん怖い」「母ちゃん可愛い」などとも聞こえます

ホオジロには昔から沢山あって・・

「一筆啓上仕り候」「源平ツツジ白ツツジ」「京浜急行三崎口」など・・

ホオジロがさえずるとき

最初に「一筆」次に「一筆啓上」更に「一筆啓上仕る」

そして最後に「一筆啓上仕り候」と完成させてゆきます

鳥の声もただ漠然と聞くのではなくて、少し自分流に

アレンジした方法で聞いてみると楽しいかも

 

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春隣(はるとなり)

2013年02月01日 | Weblog

 

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春隣

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もうすぐそこまで春が来ているという意味で冬の季語となっています

さむさがこたえる真冬の時期にも、微かな春の予兆に

目を向けて暖かな季節に思いをはせます

冬至を過ぎ、たとえ寒さが厳しい日でも

太陽の光は強さをまして、日差しは畳の目ひとつ分ほど

伸びてゆきます

この時期の旬な魚は、わかさぎ

氷の下で勢いよく泳ぐ小さな魚を釣るワカサギ

氷に穴をあけて釣り糸を垂らしぴちぴち跳ねる魚を

その場でてんぷらにして食べます

カルシウムがとても豊富で丸ごと食べる醍醐味があります

又旬な野菜は、みずな・・・

京都では水と土だけで育てたことから水菜と書きます

京菜とほかの地方では呼ばれ

ピリリときいた辛みで関西では冬の料理の素材の定番

そして、この時期の鳥は・ジョウビタキ

オスの胸の鮮やかな橙色

「ヒッヒッ」「カッカッ」と鳴き、火打石の音のようだから

「火焚(ひたき)」と名付けられたとか

この時期一番目につく鳥です

そして花は・・フクジュソウですが

昨年は2月13日ころに花が見られましたので

あと2週間余りですが、今年は少し遅れそうです

太陽が明るさを増して・・陽が当たると開き

暮れると閉じる太陽とともに行動しているような花

鮮やかな金杯のような花が咲くのが待たれます

(花の写真は昨年のものです) 

「ひと口を残すおかはり春隣」 麻里伊

「叱られて目をつぶる猫春隣」 久保田万太郎 

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寒紅(かんべに)

2013年01月31日 | Weblog

 

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寒紅

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 夏の季語にある「紅花(べにばな)」はキク科の一年草

夏に黄紅色野アザミに似た花が咲きます

花から採った赤い色素は口紅など紅や染料になります

種からは、リーのール酸の多い油を採ります

紅は、平安時代には白粉(おしろい)と混ぜて用いられ

口紅が一般的になったのは江戸のころ

江戸市中には、紅売りという職業ができ

口から入る虫や病を防ぐといわれ、薬用としても常備されたそうです

寒中の作られた「寒紅」は、色鮮やかで特に美しく

中でも丑の日の寒紅は最上級品として「丑紅」とも呼ばれ

薬効も優れていると珍重されたそうです

寒中に紅をさすことも寒紅と呼ばれ

冬景色の中で際立つ紅が目に浮かびますね

「寒紅にしづかに曇る日なりけり」 原石鼎

「寒紅の炎のごとき色引けり」 黒木千草 

(掲載写真3枚は、ネットから転載)

 

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風花

2013年01月30日 | Weblog

 

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風花

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青く晴れわたった日に、寒風にまじって

突然ちらちらと舞い降る雪や雨のことを「風花」といいます

冬の終わりの淡い日の中で無数の光が輝きます

大変繊細で優美な季語の一つです

雲ひとつない空から雨や雪が降ることを

「天泣(てんりゅう)」といい、ロマンチックな言葉ですよね

遠くの山で降った雪が、強く冷たい風に乗って

はるかな街まで運ばれてくる現象です

積もることもなく、ほとんど濡らすこともなく

舞う天からの贈り物は

見慣れた日常の幻想のベールをふわりとかします

 

「風花の大きく白く一つ来る」 阿波野青畝

「妹は風花姉は雪あかり」 皆川 燈

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