かわたれどきの頁繰り

読書の時間はたいてい明け方の3時から6時頃。読んだ本の印象メモ、展覧会の記憶、など。

原発を詠む(40)――朝日歌壇・俳壇から(2017年2月20日~3月13日)

2017年03月13日 | 鑑賞

朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。

 

イシガレイやっと解禁六年目のいわきの海に春の匂いす
             (福島市)美原凍子  (2/20 馬場あき子選)

六年目原乳出荷許されし牛飼いの目の奥にある奥
             (福島市)美原凍子  (2/20 佐佐木幸綱、永田和宏選)

天気予報の後に線量測定値流れています六年目の今も
             (福島市)美原凍子  (2/20 高野公彦選)

教え子の賀状に二行太字で「除染の現場でがんばっております」
             (仙台市)土生博子  (2/27 佐佐木幸綱選)

近づけば一分足らずに死亡とうデブリを抱くフクシマの鬱(うつ)
             (下野市)若島安子  (2/27 馬場あき子選)

フクシマの被災地は帰還せまられる果てしなき廃炉と同居をせよと
             (東京都)松崎哲夫  (2/27 馬場あき子選)

二、三日のつもりが六年過ぎてなほ原発避難はさらに五年と
             (国立市)半杭螢子  (3/6 佐佐木幸綱選)

「六五〇シーベルトのデブリ」とふ紙面静かにめくる雪の朝なり
             (福島市)美原凍子  (3/13 馬場あき子選)

 

福島に終点あらず寒ざらし
             (福島県伊達市)佐藤茂  (2/20 金子兜太選)

原発の見ゆる浜辺の寒さかな
             (川崎市)池田功  (2/20 金子兜太選)

反核へ老紅梅のこころざし
             (みよし市)稲垣長  (2/27 金子兜太選)

雪積むもなほ放射性廃棄物
             (大阪市)今井文雄  (2/27 金子兜太選)

フクシマの山野に別れ鳥雲に
             (横浜市)穴沢秋彦  (2/27 長谷川櫂選)

繁栄やさくらと原発事故に住む
             (三郷市)岡崎正宏  (3/6 金子兜太選)

福島や今も中也の雪が降る
             (いわき市)坂本玄々  (3/13 大串章選)

原爆ドームかく在りつづけかげろへる
             (みよし市)稲垣長  (3/13 長谷川櫂選)



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