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労組書記長(←元)社労士 ビール片手にうろうろと~

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「働き方改革関連法」のポイント 水町勇一郎東京大学教授の講演を1年ぶりに聴くことが出来た(その③)

2018-11-07 | 書記長社労士 お勉強の記録
 10月30日、新宿区立牛込箪笥区民ホールで開催された「関東地区労使関係セミナー」にて、東京大学社会科学研究所の水町勇一郎教授による「『働き方改革関連法』のポイント」についてのその③。(②からの続き


 正規・非正規労働者間の待遇格差の是正
労働契約法20条を削除して、パートタイム労働者と有期雇用労働者を一括規制し、パート有期法8条で不合理な待遇差を禁止する。
⇒個々の待遇ごとに、当該待遇の性質・目的に照らして適切と認められる事情を考慮して、不合理性を判断。
「性質・目的に照らして」⇒「何のために支払われるものなのか」⇒その「なんのために」に照らして⇒「及ぶのか、及ばないのか、部分的に及ぶのか」を判断する。
例)通勤手当⇒なんのため?⇒通勤のため⇒非正規も通勤は同じ

 実効性を高めるために、2つの工夫をした。
1つはガイドライン安を示した、2つめはそのガイドライン案は法律より先に示させていただいた。
また、長澤運輸事件の判決と衆議院参議院の附帯決議を追加して、「指針」化する。


 労働者派遣法の整備に関しては、不合理な待遇差の禁止の比較対象を、派遣先の正社員の待遇とし、その前提として派遣先の情報提供義務を課す、これは相当厳しい。
相当厳しいので、例外として「労使協定方式」、派遣先が変わった場合への対応もある。
派遣元事業者が、①賃金額が同種業務の一般労働者の平均的な賃金額(厚生労働省令で定めるもの)以上であること、②法定の教育訓練を実施し、職務内容・成果・能力等を公正に評価し、賃金を改善させること、③賃金以外の待遇について派遣元事業主の通常の労働者と不合理な待遇差を設けていないことなどの事項を定めた労使協定を締結し、それを実際に遵守・実施している場合に、労使協定による例外を認める。
この①が重要、厚生労働省は全職種についてこれから定める、ただし都道府県別に水準も定めることになるだろう、また賃金額には賞与・諸手当・退職金も含む。年末から年明けに発出する。
また、労使協定による例外は、単に労使協定を締結しただけではだめで、実際に遵守・実施していることが要件となっている点にも注意。

 「働き方改革」にあたり企業・労使が注意すべきポイントととして、
〇非正規労働者の組織化などその声を反映
〇「賃金原資一定」という考え方の放棄⇒労働分配率を上げる(賃金原資を増やす)
 ①「労働生産性」向上(無駄を省き効率を上げる…)
 ②「内部留保」の賃金への還元
 ③適正な「価格転換」⇒インフレ率2%を実現するためには賃上げが3%必要⇒経済政策の中でも言われている。

 質疑応答の際、会場から「社労士だが、関与先などでは中小企業で体力が無くて、この法改正に対応することが難しい。どう助言すればいいのか」という質問があったが、水町先生は、「法を守れない会社はお引き取り願いたい、そこの社員は、ちゃんと法令を守れる会社に移ってください、それが法改正、法令を守れない会社は淘汰されてください」ときっぱりと答えた。
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